人種が違うとなかなかわからないものなんです
リーとファルークは城近くまできた。なんといってリーを城に入れる様にしようかと悩んでいると門番の方から声をかけてきた。
「ファルーク様、城の中に入らないですか?」
「あ、ううん」
ファルークはリーの方を向く。
門番はにやっと笑う。
「ファルーク様何かやらかしたんですか?」
「いや。何もしてないよ」
悪い事はしてないが胸が高鳴る。
門番はリーの方に向ける。
「ジュン様、変な事を教えるとまたセナータ様に叱られますよ」
「えぇ」
門番はリーの驚いた姿がセナータに怒られる事を想像してびっくりしてるのだと思いくすりと笑う
ジュンって誰だよ。リーはファルークをこずく。
ファルークはそのままついてこいと顔だけでリー指示をする。
門番は怪しむ事なくリーを入れる。
二人は緊張しながらも城内を堂々と歩いてみた。リーの事を気にとめる様子もなく城内を歩けた。
ファルークに案内されファルークの部屋に二人は入った。緊張をときふーっと同時に息を吐く。
「なんでばれないんだ?」
「しらないよ」
「ジュンって人と似てるのか?」
「体格は似てるけど顔はまったく、たぶんだけど俺といるからジュンに見えたのかなぁ。ヨウ国人は見分けが付きにくいと使用人がいってたからな」
リーはわかると思うがなぁと思ったが旅してきた時のルセ人の顔を思いだした。
「何かわかる気がする。気にとめてないルセ人はみんな同じに見える」
二人は一瞬、沈黙する。
「まぁ。何かうまく入れたな」
ファルークはリーに笑いかける。
「あぁ。こんなに簡単に入れるとは」
城にくるまで悩んでたのが馬鹿みたいに思えた。ファルークがいなかったら完全に無理だったと思うが。
「リーはとりあえずこの部屋にいろ」
つかつかと部屋の奥まで歩き飾り布がかかった所でとまる。ファルークはその布を横にずらすた。綺麗な夜空に星がちりばめられた絵画が見えるた。黒く塗り潰されたドアノブがありファルークがノブにさわり扉を開ける。絵画は扉になっていた。扉を開けた場所には小さな部屋があり本棚があり本がいっぱいつまっていた。ファルークその部屋に入り本棚を横にずらす。石で舗装された道がでてきた。
「何かあったらここから逃げろ」
ファルークは真剣な顔をする。
「こんな事教えていいのか?」
「大丈夫だと思う」
「本当に大丈夫か?」
「お前は大丈夫じゃない人間なのか?」
「大丈夫な人間だ」
ファルークとリーは目を合わて、どちら側からでもなく笑い合う。
ファルークは部屋を元通りに直した。部屋に違和感がないか一通り見渡した。
「それじゃ。俺は城の様子をみてくる」
「そうか、頼む」
リーはファルークを心配した面持ちで見送った。