欲しいもの
デロイドはイライラが治まらなかった。
善人顔して下女を助けて今度は同じ下女と同じ目に合わせてやればどんな顔をするのだろう。綺麗事をいっている奴が醜くなっていくのをみると胸がっすっとする。
はじめは教育係のあの女だ。上から目線で俺にご高説をしての人の助けになるよに清廉潔白であるようにだと、他人の為に何故そんな事をしなくてはならない。力のかぎり蹴り飛ばしてやると泣きわめきながらひたすら謝ってきた。父から謝罪せよと言われたので高価な物を送りそいつの思う通りに動いてやった。俺に心酔し俺の為ならなんでもしてくれた。なんだかそいつといてもつまらなくなり、ゴミの様に捨ててやった。
心の底からすっとした気になったがまたすぐイライラした。
ある日、父は義母上を連れてきてくれた。イライラして物を壊していると駄目よと手を握り優しく背中をたたいてくれた。用事がなくても一緒に居てくれたりイライラがなくなっていいた、ラマークが生まれるまではだ。使用達は手の平を返したように離れていき、俺の存在などなかった様に通り過ぎていく。義母上だけはラマークの世話の合間をぬって会いに来てくれた。成長してものそれはかわらなかった。俺に義母上、ラマークが生まれてから悩み事が増えて大変と俺に愚痴をこぼした。
セナータの父の言葉がすっと頭の中に入ってきてラマークをこの世から消してやった。そうすれば義母上も悩みがなくなるだろうっと。父もラマークが消えてから父も数年して消えた。それから二人だけの時間が過ごせるとおもっていたのに義母上は神殿にこもりあってくれなくなった。
義母上の悩みだったヤカモズ帝国でのルセの立ち位置や領主の資金不足などを解決したのに義母上は合ってくれない。
あの女が言っていたヤカモズ帝国でもなくヨウ国でも欲しいものはだた一つだ。
デロイドはユナを冷たく見下ろす。ユナが倒れいる場所に膝をつきどうしてやろうかと両手でユナの顔をひき上げるデロイドは驚いた顔する。ユナの顔にかかった髪を優しくかき分ける。濡れていた顔を手の平でぬぐう。
「義母上」
デロイドが始めて会った時のユイナそのままであった。
デロイドは優しくユナを抱きかかえ寝台に寝かせる。