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能力の正体







 魔王城で今まさに優斗と魔王が戦おうとしていた


 まさにその頃



 そこから何百キロも離れたトップギアでは、何人もの冒険者たちが魔王のしもべたちと戦っていた。



 しかし、、それは今までの戦いのようなすさまじいものではない。


 

 時折爆発音が鳴り響くが、、それは冒険者たちが放つ魔法。



 しもべはというと・・




「しかし・・なんか拍子抜けしちゃうわねえ」


「ああ、こんな魔法があっただなんてな」



「びっくりするよねぇ。まさか時間を操るだなんて・・」



 そう、彼らの言う通り、相手は鉛の中を動くかの如くスローモーションで動いていた。


 先ほどまで俊敏な動きで暴れていたモンスターたちは、嘘のようにその機敏な動きを封じられていたのである。

 


 対し、冒険者たちにはなんら影響はない。


 故に、簡単に一体ずつ、確実に仕留めていくことができる。



 もはや、これは戦いと呼べるようなものではなかった。


 必死に相手ももがいて抵抗しているものの、やはりスピードは正義。


 ガォオオオオオオ!!!


 グウウウウウウウウウウ!!


 ブレスも、魔法弾も、猛毒のマヒ粉でさえ、


「ライトシールド!!」


「ホーリースプラッシュ!!」


「空間転移!!!」



 わけもなく瞬時に対応され、圧倒的な力量差で切り刻まれていった。



 その冒険者のスキルにではなく、空間におびただしく存在する、半透明の魔方陣に目を向け、東堂はつぶやいた。



「これがあの謎のドラゴン?の使っていた魔法の技術ってやつか・・」


 彼らパーティーは一か所にとどまって、周囲の子モンスターたちを相手し殲滅している。



「今まで私たちが使っていた魔法のどれにも属さない・・まさに何世紀も下手すると何万単位で研鑽しないとたどり着けないほどの、」


「そうだねぇー。マージョリーさん、これほどの奥義を使えるなんて・・さすがは魔法のエキスパートだよね」


「そうね。いつか私はあの人みたいに・・」



 西園寺が魔法を放ちながら、今も魔法を維持している彼女のほうを見ている。


  とそこにアンジェリカが入り込んできた。


「まあまあ、皆の州、マージョリー殿のおかげで、ここはもうもう勝ったも同然だろう。

それよりも、今私たちが気にしないといけないことはだな・・」


 そう言って、彼女は遠くのほうを見やった。


 そうその方向には、魔王城。


 


 彼ら全員が知っている。


 優斗が魔王を倒しに、単騎で向かったことを。




「そうだ、、問題は優斗さんのほうだ」 

 

 東堂が同意する。


「確かにここで魔王のしもべを倒したら、いったん目の前の脅威は取り除くことができるだろう。

 だからと言って、魔王を倒さなければ意味がない。


 ・・本当に、大丈夫なんだよな?」」


「な、何を言ってるんですか!!あの人なら大丈夫なはずです!」


「本当に?」


「え、ええ!きっと!たぶん!」



 北条の若干盲目的な信仰の声にも陰りが入る。



 優斗のことを信頼しているメンバーでも、この作戦に懐疑的なようだった。



 そう、何も単騎で向かう必要などないはずなのだ。


 一見、全員で魔王城に乗り込んで、大勢で倒すことが一番いい方法だと思うのにだ。



 だが、、神々や最高神、助っ人のホワイトノイズでさえ、彼が一人で魔王城へ向かう作戦に異を唱えることはなかったのである。



「詳しい話は後だって、私たち冒険者には説明してもらえなかったけど・・」



「ああ、優斗さん、大丈夫なのかな。

 いくら、『あんなこと』ができたからって・・相手はあの魔王ですよ?」


「それは・・」「うむ・・」「そうなんだよねぇ・・」



 数秒間の沈黙。




 そして、それに答えたのは、


「何じゃ?おぬしら奴を疑っておるのか?」

 

「!!」



 いきなり、機械仕掛けのドラゴンの人形が彼らの間にいた。


「あ、あなたは・・!!」


「ホワイトノイズとかいう、神・・?いやドラゴン?」


「まあどちらでもいいじゃろう。

 それよりも、斎藤優斗についてじゃが、、


 そろそろ仲間のおぬしらには教えていいじゃろう。

 なにせもう作戦は十割型成し遂げたも同然じゃからな」


「何・・・?成功した・・だと?」



「うむ、おぬしら、あの城で見せたあの術、ただの●●だと思っておるじゃろう?」


「ああ、まあ確かに無制限に●●できれば、勝てるかもしれないが・・」


「しかし、あの術はそれだけじゃない。あの術の真価は、相手にも〇〇ができるということなのじゃ」


「な、、何?そんなことになんの意味が・・?!」


 それに対し、ドラゴンはにやりと笑う。



「分からんか?魔王にだから通用する手じゃ。

 今まで数多の命を奪ってきた、奴にだからこそ・・な」



「・・もしかして」


 そのヒントを聞いて東堂は手を叩く。


「・・そういうことか・・!!

 そんなことができるならば、、確かに、。


 優斗さん一人『だけ』で魔王を倒すことはできる。


 魔王を『無力化』することが可能・・!!


 何故なら優斗さんは魔王を・・!!」






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