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革命の成功と、優斗の不在



 一方、対する鎧は、上空へと逃げていた。


 あの奇妙な機械を力づくで脱出からわずか数秒間。



 魔力などによる超スピードにより光速に肉薄。全魔力を距離を取ることだけについやしていた。



 だが・・



「ぐっ・・・!!!」



 悪魔は、先ほどの屈辱と、膨大なるエネルギーロスに悪態をつく。



 と同時に、先ほどの優斗たちの実力を思い出し、身震いした。



「くそっ・・!!なんだあいつらは!!」



 悪魔は馬鹿ではない。


 いやむしろ、慢心してはいたものの、平均以上の力を有している。



 だからこそ、彼らの力に対してある程度予測があった。



「我が安心して生け贄を食べて引きこもっていた間、外の世界はこんなにもレベルが上がっていたのか・・!!!」



 だが、次第に距離が開くとともに、にやりとわらう。



 長年生きていた彼にはこういう事態も起きなかったわけではない。


 そういうとき、どうしていたか。


 答えは簡単だった。



「ならば・・多くのものを食らえばよい。奴らに対して抵抗できるだけの魔力を得れば・・何時間はたっぷりあるからな・・!」



 常に人を下に見てきた。古きから生き残っていた悪魔としての矜持。



「今日のことは忘れぬぞ。仕返しは後でさせてもらう・・・くくっ!!」



 そのプライドから、彼は決して相手を許さないだろう。



 無関係な人間を際限なく食らい、いずれ復讐は果たされると確信していた。



 だが、安心しきっていた。


 自分が逃げ切れるのだと、信じ切っていた。



「・・む?」



 吐く息が白い。



 そして次第に体の自由が奪われていくことに気が付いていた。



 ふと自らの手を眺め、



「っ!!!」




 目を見開く。



 その瞬間、


 ピキピキッ!と。


 瞬間的に凍り付いていっていったのだ。



 呆然とつぶやく。



「なんだ・・・これは・・!!!」



 明らかに魔法の作用。



 しかし、彼は悪魔。



 魔法の防御性能ならばピカイチのはず。



 だが、それを突き破るほどの魔力。そして秘匿性。



 周囲を見渡し、マナの出所を探る。



「っ!!あそこか!!!!」



 そう、それは、さっきから逃げていたはずの場所。


 そこから高出力の魔力が放たれていた。



「くそっ!!!」


 悪態をついて返す。





 そして・・遠距離からの魔法球を飛ばすも・・


 反射的に、高出力のレーザーが、返される。


「フレイム・ウェーブ!!!」



 その声は、マージョリー。


 周囲にメンバーがいる中、彼女の前には魔法陣が浮かび上がり、



 そこから高出力魔法エネルギー波が、彼の座標の位置を正確にとらえ・・・・



「ガァアア・・・っっ!!!!」

 


 断末魔とともに、焼けこげた鎧が地上に墜落する。



 そして・・ダークヘイブンは陥落した。




「これで、一件落着だな」


「そうね」



 そう言って、彼らは城の通路を戻っていく。。



 ところどころ、拘束された無数の兵士たちを、ロボットたちが運んでいくのが見えた。


「やっと、解放されるんだなって」


「ああ」



 そう言って、彼らが城の門を開けると。


 そこには大勢の人々が待ち受けていた。


 ざわざわとしていた喧騒が一瞬で静まり返りl、



「!、ご無事でしたか!!」 


 


 その中の、豪奢だがところどころ使い古したような貴族服を着た男が前に出る。


「ああ、王族たちは制圧した。


 これからは・・お前らの時代だ!:



 とたん、静まり返った周囲が、うぉおおおおおおおおおお!!!と、歓声で満たされる。


  

「そうですか・・斎藤殿・・良かった・・、あの暴虐な王族どもを・・、万が一でもあればあなたたちも無事ではなかったでしょうに・・!!!」



「ふんっ、あの程度・・雑魚だったからいいんだよ」


 と東堂が胸を張るが


「そんなこと言って、最後のは私たち全員でやらないと危なかったじゃない」


 それに対し、肩をすくめるも、引き下がる。


「・・まあな。だが、これだけは言えるぜ」


「なにが?」


「優斗さんなら、あの程度一人でもやれたってことだよ」


「「・・・・・・・まあ、確かに」」



 確かに。そう納得する一行。



「そうですな!!優斗殿!!あなたのあのスキルで・・・む?」

 

 その時、一行は気が付いた。



 優斗がいないということに。










 一方。


「ぐっ・・・この我が・・この我が・・・!!!」


 鎧の悪魔は、全身をかろうじて原型をとどめている程度のダメージをおっていた。


 だが、その鎧の瞳の奥は、おぞましい憎悪に満ち、光っている。



「いや、それよりも・・・今は体力が・・肉・・、人の肉がほしい・・・!!!」



 とどめこそ刺されてはいないが瀕死。あともう少しで死にそうな状況。




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