終わり
第3章〜結末〜
夏休みに入り、クラス会が開かれた。1学期にあった文化祭の打ち上げみたいなものでクラスのほとんどの人が参加した。僕は先日あんな事があった手前、参加することは決めていたが、いささか乗り気ではなかった。彼女に会うことを心の中では少しだけ嫌だったが、楽しもうと意気込んだ。そんな僕を他所にクラス会は滞ることなくはじまり、盛り上がり、その盛り上がりを維持したまま2次会にあたる花火にと移行した。時刻は午後8時を回った辺りで、絶好の花火日和だった。
僕は花火では彼女の花火準備をサポートした。…まぁサポートという名のストーカー行為であったことは否めない。そんな僕を尻目に彼女は花火を心の底から楽しんでいた。その時にふと見せる笑顔は、無邪気で綺麗で美しい上品だった。
「この笑顔を見るためなら、今の関係でも良いかな…」
と思う程に。
その後、花火は無事に終わり、みんなが帰路に着いた。僕は同じクラスの女子に遠くに止めた自転車を一緒に取りに行くという約束をしていたため、取りに戻りに歩いた。その道中花火大会の話に発展し、僕はある人を誘ったら断られたという話をした。すると、
「え?!誰?」
「同じクラスの人なんだけど…」
「ホントに?!教えて〜」
「いぶきさんなんだけど…」
「そっかーあの子可愛いしいい子だよね〜。」
などなど会話はその後も続き、彼女は同じクラスの賢人君が好きだと話すと、
「嘘…賢人君って付き合ってる人がいるらしいよ…。」
「ほんと?!誰?」
「同じクラスのましろちゃんっているじゃん?」
あぁ、その子か
僕はあのふたりが仲が良いことは知っていた。幼馴染で、クラスでも話をしてるところを見た時はあったが、まさか付き合っているなんて夢にも思わなかった。僕には受け入れ難い現実だった。すぐ彼女に
「あなたの好きな人は付き合ってる人がいるよ。」
と言いたかったが、そんなことを言う権利を持っているわけでもなく、また勇気も持ち合わせていないため、女子と話し合った結果しばらく様子を見ることとなった。
この話の結末は僕の好きな人には好きな人がいて、僕の好きな人の好きな人は付き合ってる人がいたというおなじクラスの中で、恋心の一方通行が発生していたまるで恋愛マンガのような展開があった。
そこで僕は新しい好きな人を見つけられたりしたら、もしかして幸せになれたのかもしれない。でも、彼女のことを諦められなかった僕は結局高校生活では、好きな人が出来なかった。何度振られても、大好きだった。
今彼女は何をしているのだろうか?幸せであることを切に願う。
この度、このような稚拙な文章を読んで頂き誠にありがとうございます。
私にとって初めての作品なため、至らぬ点ばかりではありますが、よろしければご感想の程をよろしくお願いします。