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赤川  作者: 佐藤碧人
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思いの錯綜

第2章〜後悔〜


1学期も終わり夏休みに入り、より1層彼女を好きになっていた僕はとあるお誘いをした。それは、地元の大きな花火大会に一緒に行かない?というもの。

僕の地元は全国屈指の花火大会が8月下旬に行われ、花火が打ち上げられる川には、家族連れやカップルで賑わっている。去年は彼女がいて二人で見に行ったが、今年のはじめに振られてしまい、今年は一緒に見に行く人がいないため、彼女を誘った次第である。

さっそく誘う時の言葉や、誘うのに成功した場合の予定など、いわゆる取らぬ狸の皮算用を行っていた。なんせ自分の中では、一緒に行ってくれるだろう、彼女は優しいから。と高を括っていた。恐らく当時の僕は、相当勘違いをしていたのだろう。写真も撮ってくれたし、花火も一緒に行ってくれるだろうと。全くもって見当違いである。

勘違いをしているなど露にも思わず、遂に言ってしまった。何を言ったかは忘れてしまったが、直接言ったことは覚えている。鮮明に。答えはすぐには帰ってこず、1,2分たった後、彼女が

「考えさせて」

と返事をした。誘ってから1日後LINEのメッセージが彼女から送られてきた。内容は、


「誘ってくれたのは嬉しいけど、一緒には行けない」


「誘ってくれてありがとう。

すごい嬉しかった。」


だった。

受け入れ難い返事だった。期待していた分精神的ダメージが大きく、僕の今まで築き上げてきた、自信や自己肯定が、内側から瓦解していったような絶望感に襲われた。何より1番辛かったのは、彼女は僕をなんとも思ってなく、ただのクラスメイトだったという既成事実である。やはり一方通行は一方通行なのかと、号泣しながら思った。

その後、彼女の好きな人を伺ってみた。いきなりとは思うだろうけど、僕の想いは多分気づかれてると思う。LINEでも

あなたの事が好きです

と言ってしまった。彼女は全然大丈夫だよと許可してくれたものの、やはり心のどこかでは疎ましい存在に変わっていくのかなと、勝手に思っていた。

彼女から好きな人を聞くと、僕は言葉を失った。何故ならそいつは僕の友人で、普段話もするいい奴だった。同じクラスかよ…と声にもならない声が発せられた。なので僕は、彼女の事が大好きで仕方が無いが、彼女の恋を全力で応援しようと一旦引き下がり、2人の成り行きを見てようと覚悟を決めた。


それからである。

悲しい結末をたどり後悔することになるのは。

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