6服飾街と瞳玉屋
「狼の君!お久しぶりです!」
「狼の君、今日はいい髪飾りが入っておりますよ!」
なんだ、これは。
ラビは体が大きいため、リュカが肩のところに、ぼくが背の所に乗って一人分開くくらいは乗る場所に余裕がある。そして巨狼ゆえに背が高く混み合う道でも見通すことができ、人にぶつかることもない。それはいい。
だが、尋常じゃなく目立つのだ。
「狼の君!またお話ししてくださいね!」
「おおかみー!」
品物を売る商いの方々だけでなく、町娘や子供達までもがわらわらと出てきては声をかける。皆の目には尊敬と身体が見てとれた。が、時々嫉妬するような目や恐れるような目をするものがいる。
そしてぼくに向けられる目はまごう事なき好奇と嫉妬の入り混じった心地よくない目であった。
「情に厚くいい人たちなんだが商魂も熱くてね。僕に気に入られれば紅の騎士にも気に入られると思うらしい。」
「いや、リュカに気に入られたいってのもあると思うんだけど…」
「?なに?」
振り向いたリュカはあの橙の貴族然とした服を着たままだ。思うにここに来た時は毎度このような服装をしてきているのだろう。
光に透かすと赤く輝く茶色の髪に美しい透明な新緑の瞳。整っているが可愛らしく親しみやすい顔に領主様お気に入りとはいえ旅の方々という気楽な地位。婿役としても商談相手としても超優良物件だと言える。
「見て、シーター。それぞれの商店には垂れ布がかけてあるでしょう?あれは屋旗って言ってその店や家の技術がふんだんに使われていて家格とか技術とかを図るために掲げられているんだ。妙齢の乙女のいる家には白地に赤と金以外の色で掲げられる。ここにはこんな美しい屋旗を作る娘がいるんですよって具合にね。」
そういえば、と城門につられていた紅の布を思う。あれは素晴らしい出来で贅を凝らしたものだった。あんなに素晴らしいものを屋外にかけておけるというのは金銭的にも技術的にも余裕のあるものしかできないだろう。
「リュカ、あれは?」
青い布に、中途半端に赤い炎の刺繍のされた屋旗をかけているところがあった。その商店に品物はなく、通り過ぎる人皆、その商店の前を通り過ぎる時は紅の何かをその商店に向けていた。
「忌み事があったみたいだね。青は不吉の象徴、それを紅の騎士を意味する赤い糸での炎の刺繍で覆うことで禊するんだ。」
新緑の瞳がきゅうっと細められる。悲しそうというには強い意志を持って青い屋旗を見るリュカに、何か胸がざわついた。
「リュカ、それで、何を買いに行くんです?」
「ん、ああ、髪切り屋と服屋、それから瞳玉屋だよ」
「瞳玉…ってあの瞳玉⁈瞳の色を変える魔法石か⁈1個で家の立つあの瞳玉⁈」
瞳にはめることで瞳の色を変え、時には魔法を付与したり技能を身につけることのできる魔石瞳玉。
1つ当たり5シーガ銀貨は下らない。平民の半年分の生活費である。
「うん、シーターだってずっとそれをかぶっているのはいやでしょ?」
「…まあね」
いまのぼくはリュカとお揃いの貴族然とした服のうえにマントを羽織り、狼を模した仮面をつけている。
ぼくの容姿が目立ちすぎるゆえの対処法だが、どっちにせよ耳目を集める姿となっている。
「え、道を外れるのか?」
フレザの街は独特だ。大通りは東西南北に走る十字の大大路しかなく、その大大路の中心は店の集まる南東部のど真ん中だ。ゆえに城から大大路に出るときは城を中心とした放射状に伸びる道をうねうねとたどってこなくてはならなかった。
そしてリュカはまた、大路から外れて不規則な放射状の小路に迷い込もうとしていた。
道を一本入れば途端に妖しさと高級感が増す。細い道は入り組んでいて、土地勘のないものはすぐに道に迷ってしまうだろう。
「表で何か気づかなかった?」
「活気がすごいなってことくらいだけど…」
前方に、茶色の鳥の騎獣が現れた。背に乗る人は片目が翠で片目が青だった。
「あ、騎獣がいなかった!」
「そ、正解。表は普通の馬とか牛とかだけだったでしょ。表は普通の商いの方々とか旅の方々向けの店、逆に裏は古い商いの方々とか訳ありの旅の方々向け。騎獣に乗れるのは大きなお金を動かせる大商人の、それも幹部か、類い稀な能力を持って騎獣に認められたものだけだからね。」
「それに、ここの騎獣たちは元気で生き生きしてる。でしょ?」
「そ、正解。騎獣を金じゃなく能力で従えた人間じゃなきゃここには入らないし、店に行っても門前払いされるってわけ」
あの家の馬鹿どもは死んだ目の騎獣ばかり連れていた。毛並みは悪く、全く生気の感じない彼らはいまどうしているだろう。
「狼の姫様、よくぞいらっしゃいました」
「…僕、狼でも姫じゃないんだけど。犬って呼んでって言ってるよね」
「申し訳ありません、犬の御方」
鳥の騎獣に乗った男は華美ではないが上等な衣をまとっていた。青に金と白。見ない色の組み合わせに疑問が顔に出ていたのだろうか。男がリュカではなくぼくへと目を向けた。
「初めまして、旅の方々。私は瞳玉屋水牢楼の水先人、緑水にございます。」
「初めまして、リョクスイさん、物語屋見習いのシーターです。」
〇〇の方々という言い回しは他人への口上だ。商いの方々がそれを口にし、いらっしゃいませを言わないときは決して歓迎されていないと思ったほうがいいとフレザ城の侍女マーチェスに教わっていた。
どうやら水先人に気に入られることは叶わなかったらしい。
耳慣れない店の名と男の名からして元は他国のものなのだろうか。北の国、リョーメイ国の言葉とよく似ている。
「それでは犬の御方、水牢楼の主人がお待ちです。先行く無礼をお許しください」
「任せる、緑水」
「はい」
採りが踵を返し軽快な足取りで走り出す。それに応じてラビが足を速めた。
通り過ぎる道は複雑で、最初は道を覚えようとしていたものの、走り出して五分で諦めた。とりあえず、商いの方々の集まる南東から技の方々の集まる南西へと向かっているのはわかった。
何しろ人の喧騒ではなく規則正しい機織りの音や金属を打つ音ばかりが聞こえるようになってきていた。
「水先人緑水、物語屋、犬の御方をお連れしました。」
開門を願います、そうリョクスイさんが囁いたのはこの技の方々の集まる雑多な場所に似つかわしくない、清冽な雰囲気を持つ、塀に囲まれた小さな森だった。
深青に染められた門の両側には青と金と白の屋旗がかかり、あたりの家は空き家らしく人は寄り付かない。
よく言えば妖しい雰囲気を持つ隠れ家的名店、悪く言えば胡散臭い場末の詐欺店っぽい。
「いらっしゃいませ、犬の御方」
門が開き、そこに入ればなぜか、森ではなく屋敷があった。青い屋根瓦に白木の木造の家。
本で見たリョーメイ国の建築様式にとてもよく似ていた。
「リュカさま!」
屋敷の中からパタパタと走ってきたのは青い髪に青い目の少女。若人になったかなっていないか、それくらいの歳の彼女は幾重にも衣を重ねたリョーメイ国の民族衣装をきていた。青や薄青、黄緑や白といった涼しげな衣は表に白い小花が散り、可愛らしいものだった。
ただしその中は袖のない衣と袴という少年のような格好であったが。
「お久しぶりですね、水守様」
「うん、リュカさまもラビも元気???怪我してない?」
スイシュ様と呼ばれた少女はパタパタと飛び回るようにラビの周りを駆け回った。
それは青い小鳥を思わせ、幼い少女が苦手なシーター的にはひどく居心地の悪いものがあった。
「水守様、あまりご無理をしてはなりません」
「そんなこと言って緑水だって嬉しいんでしょ!リュカさまったら全然妾のとこにはきてくれないんだよ!」
「すみません、水守様。」
「いくら妾の作ったー
どしゃんっ
ラビから降りたリュカに続こうとした途端、思いっきり背から振り落とされた。無様に地面に叩きつけられ、一瞬意識が飛ぶ。
「ーだからね!いい?ほら、早く機能確認するから」
「ちょ、水守様!シーターが」
「犬の御方、従者の方はこちらで様子見をますので」
あっさりと幼女に拉致されたリュカの顔は、ミカラナーン様に拉致されたのと似たような感情を浮かべていた。
「狼のような獣は気位も誇りも高く己の認めた者以外には決して従いません。背に乗せるなどもってのほか。確認せずに降りた犬の御方も悪いですが振り落とされることを予期しなかったあなたにも責はあります。」
リョクスイさんは一応処置をしてくれた。傷を見ずに水魔法で癒しの水をぶっかけ、風の魔法で乾かすというなんとも贅沢なやり方である。
癒しの水を使えるのは水の最高位の者くらいであるし、人を吹き飛ばさずに衣や髪、肌だけを完璧に乾かすなんて超絶技巧は風の最高位ではないと無理だろう。
「…丁寧にどうも、ありがとうございます」
「いえ、犬の御方のお連れ様に怪我を残すわけには参りませんので。」
ぼくの為ではないと、直接言うよりも直接的な遠回しな言い方はいっそ清々しかった。
「…?その瞳…」
「シーター、こっち来て!」
「え?」
なにかいいかけたリョクスイさんは、リュカの言葉に口をつぐみ、早く行けと言わんばかりに頭を下げた。
多分聞き返しても何も答えてくれない、すぐにそう判断したぼくは屋敷へと走った。
「妾は水牢楼の楼主水守にしてリュカさまの親友なのだ!」
ぺかーっと笑ったスイシュ様の周りには、千は超えるかという瞳玉が浮かんでいた。その様はスイシュ様の幼さと相まって美しいというよりは禍々しいと言ったほうが似合う有様だった。
1つ1つが美しいがゆえに、集まればこのような凶相を生む。満天の星空の下で蛍の群れを纏う死にかけの白鹿を思い出した。
「シーターに瞳玉を見繕って欲しいんだけど、できる?」
「どんな無理難題でもリュカさまのためなら妾の持つ技術全てを用いて願いを叶えるよ!」
とはいえ、と狼の仮面をとったぼくに幼い顔を近づけてくる。
嫌な汗と嫌悪感に思わず飛びのいてしまった。
「ここまで客に疎まれたのは久しぶりだよ…」
まだ口や首に気持ち悪いベタつきが残っている気がする。
「さて、色は何がいい?リュカさまと合わせて緑なんてどうかな」
新緑ではなく、椿の葉を思わせる深緑。それが一対、スイシュ様の言葉に応じてぼくの目の前に浮かんだ。
磨き上げられた魔石は独特の光沢を持ってぼくを見据えている。
「へえ、魔石も気に入ったみたいだね。それにする?」
「はい、お願いします。そもそも、スイシュ様のところの子達は認めた相手以外の瞳は喰ってしまうでしょう?」
「まあね〜」
ー名を呼ぶの、ーーーー。
ーもし、従わせたいものがあったら、名を呼びなさい
「葉椿」
無意識に口にした音が、空気を揺らす
ぱきん
深い翠玉が、銀砂を纏う。そしてそれは、一直線にシーターの目に飛び込んだ。
「っが」
「シーター!」
「ふーん」
目がぢくぢくと痛み、視界が深い緑に染まる。
何も見えない、何も聞こえない
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
主人さん
痛いいたい痛いいたい痛いいたいいたいいたい痛い
あーるじーどのー
イタイイタイいたいいたいいたいイタイ痛いいたい
ぱきん
暗い緑の中に、鮮やかな緑の玉が浮かんだ
もう、痛くないでしょー?
その翠玉が、葉椿であると、その翠玉が、笑みをたたえていると、なぜかわかった。
うん、
もう
「痛くないよ」
色彩が戻る
風景が広がる
茶色の髪と輝く新緑の瞳
青い髪と煌めく青い瞳
「おかえり、シーター」
「すごいじゃん少年!この子ってばおてんばさんで何人も喰っちゃったことがあるんだよ!」
おい、幼女…
なにそんな危険物渡してるんだよ…
「似合うよシーター。見てごらん」
それでも、リュカが嬉しそうに笑っているから、それでもいいかと思ってしまう。
そしてリュカの持つ鏡の中には、深緑に銀沙を踊らせる美しい瞳を持つ少年がいた。
「わ…」
自分で言うのもなんだけど、美しい瞳だ
まあ、ぼくの力じゃなく葉椿のおかげだけど
「うんうん、呪いのうえに魔石を乗せるなんて相当強い子じゃないとダメだから心配してたをよね!よかったね、樹霊に気に入られるなんてそうそうないこと!」
「え、ちょっと待ってください樹霊⁈千年を経た霊樹のうちほんの一握りが神格によってなれるあの樹霊⁈」
幼女?リュカが様付けで呼ぶ相手?瞳玉屋の主人?そんなこといまはどうでもいい。
「うん、リョーメイで炎の聖霊を喰らいまくった精霊喰らいの樹霊。系統でいうと夜の精霊かな。」
「下手したら精魂喰らい尽くされるところだったんですか⁈」
「正確には体は養分に、魂は永遠に奴隷として使われところだった、だね!」
「何のんきな事ほざいてるんですかこのロリっ子!!!」
囚われ続けるだよ食われるだのそんなのはもう十分だ。
ぼくは絶対に死にたくない。
たとえ死んでも、死後間で何かに囚われるような死に方は絶対に嫌だ。
ぼくは、ぼくの物語を自由に満喫することを決めたのだから。
「ほお、人のクソガキ、貴様、貴様は万の歳を経た妾を愚弄するというのか、え⁈」
瞳玉が明滅する。まずいのはわかる。葉椿がやばいよやばいよと声をかけてくれるのもわかる。
でも、これは譲れないのだ。
「ぼくはもう2度と自分の意思に反して囚われたくないんだ!説明しろよちゃんと!」
「そっ、それは悪かったけど貴様も妙齢の美女に向かってロリっ子とはなにさ!妾は、妾は」
「人に了解もなしに死にそうな状況に放り込むやつなんかいくら歳くっていようが尊敬する気はないからな!このロリババア!!!」
「ほうほうほうほう、貴様妾を完全に敵に回したいようじゃなあ、いいだろういいだろういいだろう、出会え出会え!妾に従うものたちよ!水霊、水樹、水蛇、水魔、水龍、水竜、水獣ー」
ぱんっ
「うるさいっ!」
清冽な柏手を打ったリュカは、すぐに手で耳を押さえながら泣きそうな顔で怒鳴った。
「水守様!人の童になに大人気ないことをやっているんですか!強き者としても年上としてもどう考えてもあなたが折れるべきでしょう!」
「あ、う、リュカしゃま、でも、…」
「でもじゃない!」
「はいぃっ!」
「シーター!いくら強い樹霊を従えたからといってその何百倍もの数の瞳玉を従える水守様に勝てるはずのらないことくらいわかるでしょうが!弱き者としても年下としてもどう考えても引き際を手早く見つけるべきでしょう!」
「いや、リュカ、だって」
「だってじゃない!」
「はいっ」
普段温厚な人は、キレると怖い。
バチバチと、純粋な魔力を迸らせるリュカに、ぼくとスイシュ様は全力で恭順の意を示した。
「くはは、貴様水守に喧嘩売ったのか!」
「…ラビさん、暴れないでください」
「ラビ!動くでない!」
リュカの貸した罰、それはラビを重石代わりに乗せた鋤を2人で引いて水牢楼の裏の畑を耕すことだった。
水守の首には水の力を使えなくする珠がかけられているため、水の魔法を使ってズルすることはできない。普段好き勝手やっている水守が罰を食らうとあってか、水牢楼の職人たちが幾人も見物に来ていた。皆、リョーメイの民族衣装を着ていて、リョーメイの菓子を食べながらお茶会を開いている。
一瞬ここが王国だと忘れてしまいそうな光景だ。
「なあ、緑水、ちょこおっと、妾の場所を任せてはダメかのお…」
「水守様、日頃から幾度私めが注意しても我儘放題を通していたのはどなた様でしょうか?」
「りょ、緑水…」
「そうだそうだ、水守様は一度罰を受けるべきだ!」
「緑水さんが過労でたおれてしまうぞ!」
「み、皆、緑水と妾とどちらの味方なの!」
「「緑水さんです」」
「裏切者オォォォ」
スイシュ様の人望、押してしかるべきである。
「慕われてるんですね、童顔お婆さんでも」
「貴様、後で見てろよ…でもまあ、自慢の仲間たちだよ。」
ぎろんと睨んだ瞳の中で水が蠢いたが、その表情はすぐに柔らかく笑み崩れる。
一見軽んじられているようだが、彼らは皆、ちゃんとスイシュ様、リョクスイさんと呼び分けている。そして何よりスイシュ様を見るその目は敬愛に溢れていた。
主人に向かってここまで自由に言えるのは下のものたちがスイシュ様を信頼してるからだ。これくらい言ってもスイシュ様が怒らないと知って、甘えているのだ。
本当に時々、あの家にも仁のある下のものに慕われる客人が来た。そんな人たちと部下は友達のように仲が良かった。
「彼らはな、皆最初は荒んだ目をしておった。それがな、妾や皆と共に巫山戯合いながらのんびり暮らしているうちにな、綺麗な目に戻っていくんだ。妾は、きらきらと輝く皆の目が好き、あの笑顔が大切でな。」
スイシュ様の力を持ってすれば、水封じの珠なんで簡単に割れるだろうし、皆に気づかれないように水の魔法でズルをすることなんて簡単にできるだろう。なのにそれをしないのは、たぶん皆の信頼を裏切らないためだ。
「水守様ー、終わったらヨウカン用意してあっからさっさとやっちまえー」
「濁り茶、清茶、果実水も用意しておきますよー」
それらの言葉に、やる気を出したスイシュ様はさらに意気込んで力を込める。
スイシュ様と同じ青を、片目に輝かせる人々の輪に早く交じりに行くために。
「待ってろ、ヨウカーン!」
…ために、だよな?
スイシュ様に似た幼い少女が、ぼくらの席を用意してくれていた。お礼を言う前にリュカの元へかけもどってしまった少女を見送り、僕は一息ついた。
初めて食べたリョーメイ国自慢の水菓子ヨウカンは少し甘めだったがひんやりとしていて涼が取れ、熱いお茶とよく合った。
静かで、優しくて、何より自由だ
僕は思わず笑み崩れた。
犬の御方と狼の君、で呼び方に差があるのは新密度の違いです。
目撃するだけの街の人たちは、狼に乗ってる貴族っぽい子→狼の君
話したことがあり親交のある水牢楼では「忠実なる犬!」という自己紹介受け済み→犬の御方
となります。