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物語屋と死んだ狼は予言の勇者を望まない!  作者: 春夏秋冬
第1章 服飾街フレザ
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24 服飾街と働く領主

リュカたちが旅籠屋に会った日の夜のこと。

時系列わかりにくすぎて本当に申し訳ないです

「イド様の治癒魔法によって一命は取り留めましたが、まだ動くことはできないとのことです。」


 ナタが淡々と並べる情報に、思わず眉根が寄った。


「あのイド様の治癒魔法でも治るのを早める程度って火の一族はいったいどのように攻撃をしたんだ?禁呪でも発動させた?紅孔雀であるミーンの目をかいくぐってか?」


 酒場での襲撃はわずか数十分の交戦。襲撃された羅水の酒場はすでに城から派遣した者たちが片付けを終え、修繕も終了間近。にも関わらず襲撃された3人は未だに目を覚まさない。

 わずか数十分でも命を落とすものは落とすし、被害だって馬鹿にならないものになることなんて百も承知。

 多分カナンが数十分間全力で暴れればサーライズ王国を一面焦土に変えることができるだろう。

 だが、今回ぶつかったのはあくまで水の一族と火の一族。たとえ水の一族が大きな水の力を、赤の少年にも勝る(・・・・・・・・)力を持っていたとしても、それはほんの数人。しかも火の一族の構成員は水楼子ならば誰でも与えられる水牢楼楼主水守の加護を持たない。


「やはり、魔王が関わってると見るべきか」


「最近、喧嘩や揉め事が多く警備隊は宝飾街ジェルエールの人身売買事件と合わせて手が追いつかなくなってしまっている状況だそうです。そして、街の人々の青への反発が常になく強いとも。」


 元々職人気質で芸術肌の多いクロージア都市連合は諍いが少なくない。そもそもが技術者たちを守るために作られた連合だから、元々仲が良かったわけではなく街の間でも諍いは時々ある。

 ナタの言う通り、最近は軽いもので子供の喧嘩、重いものとなると街同士の諍いや人攫いや盗賊の被害などが頻発している。

 明らかな異常、その大元はどこか、埋もれてしまいそうなくらいの問題の数々。


「それで、ナラズ商会が息子を返せと言って来ていないというのは本当?」


「はい。幼女にも美少年にも遥かに遠い容姿ですが腐り落ちて発酵しているような愚息でも一応は息子のはずなのに、侯爵様のご随意にとだけ。ああ、もちろん謝罪と献上品はありましたよ?」


 都市連合であるクロージア侯爵領、特に宝飾街ジェルエールで多くの被害を出した人身売買事件。

 多くの技術者や女子供が攫われ、その身柄の奪還は未だ半数に止まっている。

 ナラズ商会は良い意味でも悪い意味でも商会らしい商会だ。

 叩けばいくらでも埃は出てくるが、大商会としてその埃を利用できないほどに流通に食い込んで確固たる地位を築いているし、侯爵であるカナン自身が動かなければならないような凶悪な罪には手を出さない。

 今回の事件はナラズ商会の愚息と甘い汁を吸おうと愚息についた幾つかの中小商会の仕業だというのはもう判明しているし、売り飛ばされた者たちの行方も現在進行形で探らせている。


 本来ならいくら大事件とはいえ領主であるカナンがいつまでも関わるようなことはない。首謀者たちが判明してお縄についた時点であとは下の者たちに任せた方が早いしうまくいく。


 なのに、今回に限ってカナンは手を引かなかった。

 むしろナタに命じて子飼いの影を走らせてさらに深いところまで探らせている。


「大商会ナラズの跡取りにしては手口が拙すぎ、稀代の愚息にしては手口が巧妙すぎる…ナタ」


「間違いなく裏に何かいますが、は関係ありません。財鉱街ニャーワフの大商会、響宴街ベラララーラルラーリルのファミリーにも動きはありますが、我々同様探っているという意味の動きで、それらが黒幕である可能性は今はありません。」


 そこまで言ったナタが無表情ながらも瞳を愉しげに煌めかせた。


「二つの街の侯爵からは一言ずつ預かっておりますがお聞きになりますか?ああご心配なさらずともカナン様の被虐趣味はリュカ様にだけということを百も承知ですしお二方の傷口を力ずくで広げて塩と毒薬を塗り込んだ上で継続治癒魔法をかけて悶え苦しむのを放置して目の前で舞踊を肴に酒を飲むような悪趣味さは重々承知の上ですしさらに言えばあのお二方の人脈から得られた過剰に毒の添付され「聞く。簡潔に言え」


 暑い、熱い、あつい、アツイ。

 薄い単はすでに脱ぎ、特注で作らせた袂のない浴衣でさえ、発される熱の前には暑くて暑くて仕方がない。

 前身頃をくつろげて、風魔法と水魔法の込められた魔法具に更に魔力を注ぎ込む。


「饗宴の御方からは「溺れてこい」、財鉱の御方からは「遺体は使ってやる」だそうです。」


「…ほー。」


 示唆されたのは四つの可能性。

 一つ、炎の最高位の使い手である紅孔雀の騎士にも勝る水の勢力の存在。

 二つ、遺体が残る形での大量虐殺。

 三つ、教会の不介入。

 四つ、裏と表の人脈と財宝をそれなりに使っても捉えられない黒幕の存在。


「水の一族と火の一族の介入、教会が把握できなかった、あるいは、把握してなお(・・・・・・)手を出せない(・・・・・・)魔王の存在、火ではない大量の死者を生む災厄…水の災厄の示唆。」


 口の中で転がせば、紅孔雀ミーンが耳を傾けているのを感じた。聖獣の枠組みにいるとはいえその本性は自由奔放なる鳥。基本的に人の事件に首を突っ込まないミーンが耳を澄ませているその理由は、やはりこの街の物語が絡んでいるからだろう。


「ナタ、下がって」


 何かを言いかけたナタは、黙って一礼して部屋を出て行った。執務室にカナンと2人でいるときのナタは他の目があるときのように暴走したりしない。その無表情に似つかわしい冷静で知的な言動をする。

 それはナタがカナンに心を許している印であり、カナンにとっては喜ぶべきことだった。


「ぁぁ…」


 ミーンの意識を通して、ナタが一定距離離れたと感じた瞬間、カナンは椅子から崩れ落ちた。

 紅孔雀の膨大な魔力を魔法具に叩き込み、室内の温度は一気に氷点下となる。


 ナタが取り繕わなくなる、それはつまりカナンに甘えているということでもある。

 だから、カナンは如何あってもナタに弱いところを見せるわけにはいかなかった。

 魔構街ヴェルヴァリヴォの英雄侯爵直々に製作した魔法具【氷の鳥籠(アイスゲージ)

 その冷気を持ってしても、カナンの身の内を暴れまわる膨大な熱量には勝てなかった。

 どんどんと膨れ上がる熱量は思考をぼやけさせ、視界を暗転させ、体の自由を奪う。

 昼間抑制している反動で夜のカナンの体温はマグマと同じかそれ以上にまで上がった。


 絶対零度アブソリュートゼロという言葉がある。

 カナンの友で戦友で同僚でもある魔構街ヴェルヴァリヴォの領主紫水豹の魔術師はこう言った。

『純粋に、お前の司る焔と俺の司る氷をぶつけたら、必ずお前が勝つ。それは魔法であっても曲げることができない、変わることのない法則だ。冷たさには限界がある。そして熱に限界はない。』

 もっとも【氷の鳥籠(アイスゲージ)】には絶対零度まで冷やす力はあってもここでそんなことをするくらいバカではない。追い詰められてはいるが理性が溶けきっているわけではない。散々にカナンによって熱せられた城の中心部が突如絶対零度まで温度が下がったら…それも、2人の英雄侯爵の力で温度が変化したら…魔王もかくやというほどの被害が出るとあろうことは早々に難くない。


 体を引きずるようにして執務室の硝子戸からベランダへとまろび出る。そして、やはり暖かい夜の空気へと、身を投げた。


 別に死のうと思ってのことではない。落下するカナンをしたから支えたのは滑らかな背中。

 筋肉が盛り上がるのを服越しに感じ、そしてぐんと引っ張られる感覚とともに城が遠くなる。

 紫水晶の嵌め込まれた小さな豹の置物だけがそのまま横にある。もちろんそれこそが【氷の鳥籠(アイスゲージ)】だ。

 遥かに高い上空。張り巡らされた炎の障壁のさらにその上の上の上の上の…

 フレザが豆粒ほどに見えてようやく、雲と同じ高さになってようやく、カナンはゆっくりと顔を上げた。

 常人であれば凍えるほどの気温であっても酸素が薄くてもカナンには関係ない。

 燃え盛る永遠の焔。


「ぁぁぁぁぁぁああああああああああああ

 ああああ

 あああああああああああああああ

 あ

 あああああああああああ


 ああ

 ああ

 ああ

 あ

 あああああああああ!!!!!!!!」


 獣の咆哮というには悲痛な絶叫

 軽い態度とおちゃらけた性格、自由奔放で豪快で豪奢で、それでいて正義を重んじ、民に愛される美貌の英雄侯爵


 その姿は、今は欠片もなかった。

 その叫びを聞くものがあればどんなに冷たい心根の者であっても駆け寄って抱きしめてあげたくなるだろう。血に狂った獣も憎悪に囚われた化物も、その時だけは胸を打たれて動きを止めるだろう。


 地上から遥か数千メートル。

 相棒の騎獣にしがみつき、身を燃え上がらせて悲鳴をあげる青年。

 それはまさに悲鳴だった。

 声でも歌でも泣でも詩でも叫でも言でもない、

 悲痛なる鳴き声。


 あまりにも巨大すぎる焔を身の内に宿し、人々を導く灯火として、人々を温める焚き火として、人々を守る聖火としてあれと教えられ思い続けてきた青年は、その体を燃やして人々に尽くしてもなお、誰にも助けを求めることをせず1人で空へと悲鳴をあげる。


 他の英雄侯爵や教会はもちろん、親友であるヴェルヴァリヴォ侯爵にも、助けを求めないのは、助けを求められないのは、怖ろしいから、恐ろしいから。


 ルヴィス。初代赤の少年の恐怖はその力とともに連綿と受け継がれ続けている。


『僕の炎に負けない人、僕の焔で燃えない人、僕の焱で傷つかない人、僕の焰に勝てる人、助けて、助けて

 助けて、助けて、怖くてたまらない、いつか僕を慕う人々を僕が僕の炎によって傷つけてしまわないか、恐くてたまらない、いつか僕の大切な人を僕が僕の焰によって永遠に失ってしまわないか、怖い、恐い、こわい、コワイ、助けて、たすけて、ダレカタスケテ、もう疲れた、暑くてたまらない、熱くて暑くてアツクテたつくて誰か助けて、僕を僕の焱ごと、たすけて…!』


 身の内に収まりきらない豪炎が、大気を焼き雲を作り雨を降らせる。その雨ですらカナンを濡らすことは叶わない。触れる前に蒸発し、雲に帰ってまた雨となる。

 歴代の赤の少年の中でも最強の焱。カナンの身の内に巣食う焱は初代、ルヴィス=クロージアをも凌駕するほどの強大な焱。


 熱くて苦しくて、涙を流すことすら許されなくて

 助けを求めることも悲鳴をあげることも

 自分を慕う者たちの目のある地上では叶わない

 これだけ悶え苦しんでいても

 紅孔雀は気にしない。

 まるでカナンのことなど見ていないかのように、悠々と空を舞うだけ。


 カナンは、歴代の赤の少年の中で唯一初代を超え、

 カナンは、歴代の赤の少年の中で唯一焱を持て余し、

 カナンは、歴代の赤の少年の中で唯一、


 紅孔雀の忠誠を得ていなかった


「ぁぁぁぁぁぁあ、ぁぁぁあああああああああああああああ!!!た、すけて、」


 脳裏に浮かぶのは清廉なる森

 静かで涼しくて水の魔力の満ちた森

 傷ついたものを癒し憩わせる優しい森

 そして、その森に住まい赤の少年の対となるひと


「たすけて、スイシュ…!!!!」


 水牢楼から遥か数千メートル。

 喉を引き裂くようなカナンの叫びは


 誰に届くこともない。









「おかえりなさいませ、御領主様」


 栗色の侍女の渡してくる単を羽織り、テラスから執務室へと戻る。

 上空で炎を吐き出し、冷たい空気で体を冷やして1時間。

 すっきりした頭と空虚な心を覆い隠し、軽い笑みを侍女へと向ける。


「それで、可愛い我らが犬姫様のご様子は?」


「ふわふわの猫と戯れようと煮干しを持って真剣に猫に話しかける幼女リュカ様が可愛くないと言う人間はいないと思います。」


「えっ、なにそれ仕事なんて放り出して見にいきゃあ良かった。」


 栗色に纏わりつく暗い色。

 目の奥に燃えるは冷たい焔。

 青い青いその色は、俺の持つ炎に似て全く違う別のもの。

 正義の炎は赤く燃えたち、憎悪の炎は青く揺らめく


「恐れながら、お仕事をなさいませんとまたリュカ様に罵られますよ羨ましい。」


「いかに領民の願いといえどリュカに罵られる立場は変わらないよ!誰がこんなに美味しい立場を譲ってやるか」


 城内で起こる諍いの数もかなり多くなってきている。

 髪切り屋からナスイを借りた時は引き締まったかと思えたが、またすぐにダラけるものが出始め、くだらない喧嘩は後を絶たない。

 街どころか城にまで蔓延する怒りと妬み。

 先日はついに、火の一族の襲撃によって街の衛兵隊に死傷者が出た。

 炎と剣の正義、紅孔雀の騎士のお膝元でよくもやってくれる。


「その勢いでこの炎までクラえというのはさすがに酷か…」


「はい?もうしわけございません、もう一度お願いできますか?」


「ああ、物語屋の影を呼んでくれるか?それから、水牢楼を訪れることができるように予定を組め、無理だったらそれぞれの一族の有力者と会談を、とナタに伝えて。」


「畏まりました」


 取り敢えず、街の警備は強化させ、城内のことは執事であるナタに任せ(丸投げし)て、騒動の被害をできるだけ縮小。その際水牢楼の街の一族に助力を求められればいいが、肝心の族長であるナスイは重症。どこまで助力を得られるかはわからない。

 最近の騒動や街の様子からして潜む魔王は嫉妬か憤怒の愛子あるいは成りかけ。正体をつかませない策の練り方や、街への紛れ込み方から相当賢い魔王が街に潜んでいると見るべき。恐らくはかなり前から。


 街で起こる諍いと人身売買の件で衛兵隊が手一杯になっているところでの火の一族の襲撃。

 水の一族の要、赤の少年の罪の象徴である少女を狙っている。

 恐らくは、憤怒か嫉妬の愛子である魔王と火の一族は手を組んでいる。

 長い間問題を起こさず穏やかに暮らしていた魔王の突然の行動。明らかに人を害する行動をしているのに、財鉱曰く「遺体は拾ってやる」、つまり教会は動かない。

 教会が英雄侯爵を殺されようと手を出せない魔王。

 普段は穏やかに暮らしていた強く長寿の魔王。


「【けもさんず】の魔王が、離反したか…」


 教会の組織ながら多くの魔王を庇護する魔王の将が率いる魔王の軍団。

 あそこの魔王なら教会は手を出せないし、今まで穏やかに暮らしていたというのにも頷ける。

【けもさんず】に所属する魔王は人を害することを禁じられているから、人の営みに紛れていても気付けない。そんな魔王が動いた。遠慮なく力を使いながらもまだ身を潜ませるのは、【けもさんず】の将を裏切って離反したから。


 魔王の将に付いて教会の命令を時たま聞いて生きることを選択した魔王の、それもかなりの実力を持ち地位も高かったであろう魔王の突然の離反。

 恐らくは何かのきっかけによって偶発的に起こされたもの。

 最近この街に来た者、最近この街で起こったこと。


「…物語屋リュカ、その従者シーター。いや、【死んだ狼】キスツス・アルビドゥス・ヤンガードルシュタイン。ヤンガードルシュタイン公爵のご子息か。」


 火の一族の狙いは俺、紅孔雀の騎士の断罪。

 魔王の狙いは少年、魔王の天敵である勇者を導く【死んだ狼】を殺害すること


 いや、殺害と決めつけるのはまだ早い。

 仮にシーターが勇者を導いたとしても【けもさんず】は、いや、【贖罪の十字軍】は教会の組織、そこに属する魔王は身の安全を教会から保障されているから勇者や英雄侯爵による討伐の対象にはならない。


「聞きたいこととはなんだ、人間」


 テラスから音もなく入っていたのは青年。

 夜闇のような髪に夜色の瞳。

 物語屋の影と呼ばれ、物語屋のために動く謎の人物。

 カナン的にはラビの眷族の鬼狼族だと見ている。

 思考を切りやめ、椅子に座るカナンを見下ろす男から少し外したあたりに視線をやった。

 はじめあった時、目を合わせてしまって殺されかけたことはまだ記憶に強く焼きついている。


「聞きたいことではなく正確にはお願いしたいことがある。都市連合から連れ去られ、売り飛ばされた者たちの奪還と彼らに近しい者たちの動向を知りたい。」


「なぜ俺が貴様の助けなければならない?」


「攫われた者の中には狼を含む多くの獣人、自由を奪われた騎獣もいる。もし探査に力を貸してもらえるなら英雄侯爵の発行する身分証と各街での好待遇、旅費の拠出などを約束しよう。」


 影は動かない。

 狼の礼儀通りこちらを見つめることなく、床に視線を固定して思案している。

 あと一息。


「貴方たちの一族はよく狙われて怪我をすることが少なくないと聞く。私ならヴェルヴァリヴォ侯爵領の魔薬も、紅孔雀の涙も血も融通することができるぞ。」


「…その言葉、忘れるなよ。」


 漸く視線を上げた影が了承した。


「気高き狼は恩を決して忘れず約束は破らない。だが、裏切られた時の報復もまた、決して忘れず喉元を食い破るまでどこまでも追いかける。」


「ああ、忘れないよ。頼まれてくれる?」


「契約成立だ。頼まれてやる。魔薬と血は決して忘れるなよ。」


 再びテラスから夜闇に消えた影を見送り、少し体勢を崩して椅子に体重を預ける。

 久しぶりに炎を放出し、大量の仕事を捌いたせいで一気に眠気がやってきた。

【氷の鳥籠アイスゲージ】を呼び寄せ、魔力を注ぎつつペンを取る。

 今日の仕事はこれで終わりにしよう。




 拝啓


 親愛なる友

 ヴィザード・ヴェルヴァーグ・ヴェルヴァリヴォ


 元気にしているだろうか。相も変わらず研究に時を忘れている君が俺の手紙を読むことまで忘れないことを願いつつ筆を取る。

 久しぶりに頼み事があるのだが、聞いてくれるだろうか。

 財鉱と響宴から話を聞いているかもしれないが、俺からもちゃんと頼もうと思う。


 英雄侯爵【紫水豹の魔術師】として、【紅孔雀の魔王】を封じに来てくれないだろうか…


あけましておめでとうございます。

今年も物語屋の物語を楽しんでもらえれば嬉しいです。

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