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ちょっとした話 「夜の哲学者」

作者: 佐々羅

私は夜になると哲学者になる。

自分の人生を省みて後悔し、

「なぜ私は生きているのだろう、何を成してどうするべきなのか」

これをよく考える、夜と言うのは気楽なもので

時間は昼より長くなり、思考回路がよく回る。

一度たどり着いた結末は「死ぬために生きているのだろう」と言うものだが、

それでは極端すぎて議論の余地すら無いので

「生きておる間にそれは見つからない」として寝た。

翌日も、そのまた翌日も、同じように悩んだのだが

毎回結論は変わっていくし、キリがない、

それは昼の私が導きだした結論を否定するからである。

彼は死ぬために生きているのだろう、等と言わず

常に前向きに、躊躇わず、今生きているこの瞬間を尊いと思っている。

仲間を愛し、家族を愛して、まるで別人のように振る舞って見せて、夜の哲学者である私を困らせるのだ。

しかし哲学者は必ず姿を出す、そして昼の私は間違っている、今日も後悔しか残らなかったといきり立って、また生きる意味を考え、なにかを導きだそうとする、それがいつ終わるのかも知れずに。


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