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ダブルピース

 押忍!! 漢の中の漢を掲げた男、その名はガク。俺の夢はハーレムを作る事。目標変えてサラと幸せな家庭を築くとかにしようかな? でもな~ハーレムって漢の夢だしな~。


 港町へイルをお昼には出発し、帝都へと向かう。


 馬車で移動しているが馬の手綱はサラが握り、俺は荷台で瞑想している。


 ここ最近、走り込みも朝の剣の稽古も魔力操作も一切していなかったので各スキルのレベルが一切上がっていない。

 つまりサボっていた。


 これはマズイと心を入れ替えて今は一生懸命に体内の魔力を流動させている。


 今の俺を止める事は出来ない。


「ガクさん。ヘイルを出てすぐですが、お昼にしましょう」

「あ、うん。分かった」


 サラが絶対なのである。


 馬車を邪魔にならないように横道にそらして止め、お昼の準備をする。


 俺のスマホのアプリの一つ、【アイテム収納アプリ】の中にある樽の一つに調理器具一式とコンロやら鍋やらが入っているのでそれを出せばサラが蓋を開けてセットを始める。

 そして俺は新鮮な野菜や果物などの食材をサラに聞きながら出す。


 出したら俺は馬の手入れを始め、料理ができるまで馬と話をしている。

 結構、俺は馬と仲が良いのだ。


「今日は簡単シチューにしました!」


 サラの笑顔で美味しさ倍増である。


「今日も美味しそうだ」

「ありがとうございます」


 パンとよく合うので嬉しい昼食だ。


「ガクさん。その本に変化はありましたか?」

「う~ん。変化はないな~。今は妖精は寝てるけどね」

「私も見てみたいです~」


 ショボーンっとしているサラ。


 う~ん。

 なぜ俺にしか見えないのだろう?


「内容は読めましたか?」

「全然読めなかなった。サラに教わった文字も当てはまらなかったしな~。どこの文字だろう? 妖精の文字かな?」

「フフフ。そうかもしれませんね」


 だとしたらどうしようもないな。

 妖精を眺めるしかできない。


「あ、妖精が起きた」

「食べ物の匂いで起きたんですかね」

「匂いって分かるのかな?」

「さぁ? 聞いてみたらどうですか?」

「……」


 それもそうだな。


「あ~。えっと。俺の言葉は分かるか?」


 傍から見たらおかしな人なのだろうな。


 そんな事を心の中で思っていると、本の中の妖精は笑顔で顔を縦に振った。


「……俺の言葉が分かるらしい」

「おぉ! 向こうから喋る事は出来ないんですか?」

「聞いてみる!」


 妖精はこっちを見てニコニコしている。

 大きさは距離で変わるからどのくらいとは言えないんだよな。カメラで撮ったみたいにレンズに近ければ大きく映るし、離れれば小さくなる。たまにイタズラで顔を大きく映す時もあるからな~。

 もしかしたら俺と同じくらいかもしれない。


 服は着ていない。

 だが、見えない。


 謎のオーラで巧妙に隠れるのだ。解せぬ。

 髪は長く、身長を抜いている。色は薄い緑色だ。


 目鼻立ちがしっかりしていてキレイ系の女の子だ。

 男装とかよく似合うと思う。


「そっちから言葉を出せるか?」


 妖精は少し悲しそうな顔をして顔を横に振った。

 少し心が痛い。


「う~ん。無理だそうだ」

「そうですか……」


 何かする方法はないだろうか?

 誰かに聞くにしてもこんな事を真剣に取り合ってくれる人はいないよな~。


「あ。掲示板で聞いてみるか」

「そうですね。久しぶりに皆さんとお話したいです!」


 おぉ!

 サラの許可が下りた。では起動だ!


 その前に本の写真を撮ろう。


「妖精さん。笑顔でピースしてみよう!」


 妖精は頭を傾げている。


「指を二本立ててみて」


 俺がピースをすると妖精も同じくピースした。可愛いな。


「は~い。笑顔ね~」


 ニコニコな妖精。

 うちの妖精は可愛いのだ。


「じゃ~皆に聞いてみようか」

「はい」



----------


398 カケル

 ボスは我らをお捨てになったのか……。


399 ミンミン

 そんな……。

 我らが一体何をしたと言うのだ!!


 まだサラクさんの料理を食べてないのに!


400 ペッチン

 心配なのは分かるけど、拗ねないの。


401 リョウ

 俺も早くボスに会いたいです。

 まだ一回もお会いしていない。


402 タカ

 拙者もまだでござる。


403 アヤノ

 私も~まだなんだよね~。

 早く~会いないな~~。


404 サキ

 うぜーよ。アヤノ。

 ボスは私が守るからお前はその辺で薬草でも採取してろ。

 ぶりっ子が。


405 アヤノ

 サキちゃんこわ~い。

 私、ぶりっ子じゃないし~。

 あ、そうか~。おバカなサキちゃんはそんな事も分からないのか~。


406 サキ

 お前の厚化粧をはがしてやろーか? あぁ?

 貧乳パットが!


407 アヤノ

 サキちゃん!!

 それは言わない約束じゃない!!


408 タカ

(パットでも全然大丈夫でござる)


409 リョウ

(パットでも全然大丈夫です)


410 カケル

(パットでも全然大丈夫です)


411 匿名

 皆さん。本を拾いました!

 検証しましょう!


412 サキ

 良かったな。

 貧乳が好きな奴らがいて。


 私は胸が大きいから肩こりがひでーよ。


413 ペッチン

 ≫411

 ボス~!!


 元気だった!!

 心配したよ~!


414 ミンミン

 ≫411

 ボ、ボスがお戻りになった……シクシク。


415 カケル

 ≫411

 ボス~~~~!!


416 リョウ

 ほ、本物……。


417 タカ

 ヤバイでござる。


418 匿名

 皆さん、久しぶりです。


 初めましての人もいますね。

 どうも、初めまして。

 なぜかボスになってしまい総隊長になっている者です。


 後、今回も彼女も一緒に参加します。


419 サラク

 どうも!

 皆さんお久しぶりです!


420 アヤノ

 あ、姉貴!


421 サキ

 姉さん!


422 ペッチン

 皆、落ち着こう。


 とりあえず、まだボスと姉さんに挨拶が済んでいないのは、リョウとタカとアヤノとサキだね。

 挨拶しようか。


423 リョウ

 初めまして、ボス。


 自分はリョウといいます。

 所属はカケル海隊の副隊長に所属しました。


 よろしくお願いします。


424 タカ

 主君、初めましてでござる。

 

 拙者、カケル海隊に入り、名をタカと申します。

 以後、お見知りおきを。


425 アヤノ

 は、初めまして! ボス、姉貴!

 私、サラク様ファンクラブ会員001番、応援団団長。

 ミンミン空隊に入りました。


 よろしくお願いします!


 あ、名前はアヤノです!


426 サキ

 初めまして。ボス、姉さん。

 サラク様ファンクラブ会員002番、応援団副団長。

 ペッチン陸隊に所属しました。


 名前はサキです。

 よろしくお願いします。


427 匿名

 あ、皆さんはこのよく分からない隊に入ったんですね。

 よろしくお願いします。


 ところで、サラク様ファンクラブ会員になるためにはどうしたらいいですか?


428 サラク

 あの……。

 ファンクラブって何ですか?


 私も入れますか?


429 アヤノ

 ま、まさか両名から公認がもらえるとは……。


430 サキ

 光栄の極み……。


431 カケル

 初めて聞いたぞ。

 サラク様ファンクラブ。


 (どうやって入るんだ!?)


432 ミンミン

 私も初めて聞いた~。


 (ボスファンクラブ作らない?)


433 ペッチン

 私は知ってた。


 (私は会員092だよ)


434 アヤノ

 公式サラク様ファンクラブに入会するためには毎月銀貨五枚が必要になります。

 あ、もちろんボスと姉貴は会員費無料です。


 ボスには会員番号000をお送りします。

 姉貴には会員ではなく神員SSSをお送りします。


 (ボスファンクラブは既にあります。私が応援団副団長です)


435 サキ

 会員には居場所が分かる方には会員カードとサラク様の絵をプレゼントさせて頂きます。


 会員数は既に150人を突破しています。


 (ボスファンクラブの応援団長は私です。会員数は……)


436 匿名

 やった~!

 アヤノさんありがとうございます!


 お礼にサラの写真を添付します。(許可済み)


 ※※※/※※※※

 ※※※/※※※※

 ※※※/※※※※


 (ボスファンクラブは即刻解散して下さい)


437 サラク

 ありがとうございます。

 ボスのファンクラブにも入りたいです!


438 リョウ

 自分も入ります!


439 タカ

 拙者も入るでござる。


440 アヤノ

 キャ~~!!

 姉貴のメイドコス最高~~~!!


 何で後ろ姿なの~~~!!


441 サキ

 さすがはボス!!


 これほどレアな画像を入手しているとは!!


442 ペッチン

 あれ?

 ボスってなんの用事で来たんだっけ?


443 ミンミン

 たしかエロ本を拾ったとか?


444 カケル

 あぁそうだったな。

 祭りもこのくらいにしてボスの相談に乗ろう。


 どんなエロ本だ?


445 アヤノ

 了解。


446 タカ

 了解。


447 サキ

 了解。


448 リョウ

 了解。


449 匿名

 俺のファンクラブは解散してね? フリじゃないよ? 分かってるね?


 それとエロ本じゃないから!


450 ペッチン

 ボス。

 どんな本を拾ったんだい?


451 カケル

 写真を載せてもらえると助かる。


452 匿名

 あれ? ファンクラブの事はスルー? おかしいな~?


 ※※※/※※※※


 これが本の写真。

 皆にはどんなふうに見える?


453 ミンミン

 真っ白な本だね。


454 カケル

 俺も真っ白な本にしか見えない。


455 ペッチン

 私もだね。


456 リョウ

 自分も真っ白です。


457 アヤノ

 同じく。真っ白な本ですね。


458 サキ

 う~ん。

 真っ白な本ですね。


459 タカ

 むむ?

 妖精がダブルピースしてるように見えるでござる。


 皆、何を言ってるでござるか?


460 サラク

 私も真っ白な本にしか見えません。


461 匿名

 タカさん!

 良かった。

 見える人がいた!!


462 カケル

 マジかよ!?

 全然見えねーよ。


 俺、結構幻術とかのスキル上げてるぜ?


463 ミンミン

 私は魔法とかなら構成から見抜けるけど、この本からは何も見えないよ?

 ……どういう事?


464 ペッチン

 またボスは私たちの想像を超えてきた。


465 アヤノ

 ねぇ、タカって平均スキルレベルは?


466 タカ

 拙者、初心者でござるにてそれ程高くないでござる。

 最高スキルレベルは六十九

 平均にすると四十五がそこそこでござるな。


467 匿名

 俺より高いじゃん。


 俺、平均すると……三十いかない。


468 カケル

 となると、スキルじゃないな。

 称号か。

 それとも個人的なモノか。


469 ミンミン

 ん~。魔法の線はないから他の何かだね。

 私も称号とかが怪しいかな?


470 サキ

 タカ、称号晒せ。


471 リョウ

 サキ。

 いくらなんでもその言い方はないだろう。


 仲間でも礼儀は必要だぞ。


472 サキ

 あぁ。そうだな。

 すまない、タカ。


 ボスと姉さんに会ってテンション上がってしまった。


473 タカ

 大丈夫でござる!


 拙者、どMでござるので、この程度ではビクともしないでござるよ。ハッハッハッハ。


474 カケル

 誰だ。

 こんな変態を我が隊に入れたのは!


475 ミンミン

 可哀そうに捨てられたから……。

 ……ダメ?


476 ペッチン

 可哀そうだけど捨ててこようか。

 私も行くから。ね?


477 タカ

 すいません。

 冗談でござる。


478 サキ

 チッ。


 で?

 称号は?


479 リョウ

 さすがに庇えないw。


480 アヤノ

 笑ってる~w


481 タカ

 拙者程度の称号がボスの役にたつのならむしろ進んで提供するでござる。


 所持称号

 ・転生者

 ・植物の加護

 ・参加賞

 ・電光石火


 以上でござる~。


482 サキ

 ……マジで初心者だな。


483 アヤノ

 少なw


484 カケル

 懐かしいな~。

 最初の頃ってこんな感じだったな~


485 匿名

 なるほど。


 タカさん。

 ありがとうございます。


 おかげで仮説が立ちました。


----------


 いろいろあったけど、称号が関係していたのか。

 

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