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男の夢

8月は更新できなくて申し訳ありませんでした。

後書きに9月の予定が書いてあります

 押忍!! 漢の中の漢に足を踏み入れたい男、その名はガク。彼女がいる時点で日本より異世界に来て良かったと思えます。

 最近の悩みは日本食が食べたいな~っと思う事です。大抵はサラに『ガクさ~ん。ご飯ですよ~』って言われたら忘れてしまいますがね。


 昨日はかなり早くに寝てしまった。まぁ、それだけ疲れていたのだろう。

 サラの寝顔を見ればとそんな疲れも吹っ飛ぶぜ!


 今朝はサラの方が早起きでしたけどね。


 サラに起こされボケボケと服を着替えて宿屋『森林』の朝食を食べながら予定をすり合わせを行う。

 何で森林なのだろうか。本当に分からない。


「ガクさん。もう少しシャキッとして下さい。も~」

「何だか身体が怠い。寝過ぎた……」


 サラが頬を膨らませているが、その可愛さにニヤニヤする余裕は無くボ~っと口に朝食をズボズボ入れている。……ズボズボ入れるって表現的に卑猥かな~?

 駄目だ。頭がおかしい。


「サラの薄着を見ればこの怠さも吹き飛ぶんだけどな~」

「しません」


 サラが冷たい。

 プイっと横を向かれた。


「そうか……じゃ~ギルドに行ってメイ―」

「行きましょう! ガクさん」


 早いな~。

 メイド服すら言わせないとは。


 あ、この後の予定を決めないと。

 今の時間は朝の七時を少し過ぎた時間帯だからこの後に食べ物を買ったり装備を整えたりして午前中はそれで終わり、お昼をどこかで食べて午後はトコンさんを雇っているお店に顔を出してそれからギルドに行って洋服を着てから帝都に出発かな?


 ……あれ?

 俺の思考能力が戻りつつあるのか?


 サラに冷たくされて心の中で『それもアリだな~』とか思ったのが原因かな?


「ガクさん。どうかしましたか?」

「サラに冷たくされるのもアリだな~とか思ってた」

「すいません。ちょっと言ってる意味が分かりません」


 おっと。聞かれた事に対して素直に答えてしまった。

 少し引かれてしまった。


「ごめん。まだ頭が働いてないや」

「そうのようですね」


 そうか。俺はまだボケてるらしい。……ん? いつもだろうって? 違う。それはワザとだ。


「お昼にはここを出発するのでそれまでにいろいろと済ませましょう」

「あれ? 買い物は?」

「昨日済ませました」

「装備のメンテは?」

「それも昨日の内に」

「俺の装備も?」

「はい」


 ……何もできない男でごめんなさい。


 本当に心から思った瞬間であった。


「本当にありがとう。サラ。……俺を捨てないでね」

「な、何でいきなり泣くんですか!?」


 ごめんね。

 いつも負担かけて……。


 心が痛いよ。

 常にエロイ事しか考えていない自分が。


「それは少し反省してください」

「……あれ? 声に出てた?」

「はい。しっかりと聞こえました。どんな事を考えているのかは聞きませんが、程々にして下さい」


 恥ずかしい……。

 穴があったら入りたい。


 ここで穴があったら入れたいとかボケないのは俺が如何に恥ずかしいと思ってるか分かって頂けるだろう。

 文字にすると一文字しか違わないのに意味がガラリと変わるのは不思議な事だな。


「以前も言いましたけど、私がガクさんを嫌いになる事はありませんから」


 なんて良い子なんでしょう。

 心が浄化される。


 少しハニカミながら言う所が更に可愛い。

 叫びたい。


 俺も君が大好きだーっと。

 やったらボディーブローが飛んでくるからやらないけどね。


 膝から落ちるぜ。

 数バウンドして壁に激突した後にね。


 想像してみよう。

 お腹を殴られて吹っ飛ぶ衝撃の凄さを。


 想像しよう。

 あれ? もしかして上半身と下半身別れてない? って思うほどの痛みを。


 考えよう。

 あ、俺死ぬな。って思う瞬間を。


 思ってみよう。

 人ってこんなに弾むはずないよねって。


 そして思う。

 叫んだ自分に一片の悔いはないと。


 そして、よく死ななかったって自分自身を褒めるんだ。……ガクッ。


 目を覚ますとそこは宿屋の部屋のベットの上だった。


「あ、おはよう。サラ。これから朝食?」

「ガクさん! ……朝食はもう食べましたよ?」

「ん? 記憶にないな~」


 サラが『まさか記憶が……』とか言ってるけど、俺はまた何かしでかしたのだろうか。

 どうせ俺の事だから大声で『好きだー』とか叫んで愛の鉄拳制裁を食らったのだろう。まったく、その時の俺は頭がおかしかったんじゃないか?

 記憶の一部だけで済んでよかったな。冗談なしに身体の一部がなくなってる場合も考えられるのに、何て考えなし野郎だ。まぁ俺なんだけど。


 な~んて事はないだろう。

 と、思ったらまさかのドンピシャとかどんだけだよ。俺。


「あ、装備とか買い出しとかありがとね。サラ」

「ガクさんがやっとまともに会話をしてくれる……」


 なんで涙目になってんの!?

 記憶を失う前の俺ってどんだけバカだったの?


 詳しく聞きたくないので、身体に異常が無いかをサラに診てもらった。

 ミニスカのナース服を着てくれたら嬉しいが、生憎だが持ち合わせにないので想像だけにした。


 その後にお腹は空いていないのでギルドに向かった。

 道中、新鮮な魚などを売っていた。

 海は魔物の巣窟だと聞いたが、この魚はどこで仕入れるのだろう?


 そんな事を思いながら道草を楽しみギルドに到着。


「いらっしゃいま―」

「洋服を試着させてもらえませんか?」


 早い!?

 隣にいたはずのサラがいつの間にか受付の人に迫っていた。


 受付の人も顔を上げたらすぐそこに顔があるもんだからビックリして息もしてないから。

 俺がサラの肩を掴み、引きはがす。


 サラは仮面をしてるから普通より怖いだろうな~。

 受付の人はよく見たら半泣きでした。すいません。


「すいませんでした。フローのギルドでその可愛い服を着させて頂いたのですが、こちらでも着させてもらえますか?」


 サラが暴走したら俺がリードしなくては。

 まったく。ツッコミがボケても面白くないのに。


 まぁサラの場合は可愛いから許しちゃうけどね。


「は、はひ! し、着室は二階です! どうぞ、ご自由にお使い下さい」

「ありがとうございます。行きましょう。ガクさん」

「連れがすいません。後で謝るように言っておきます」

「い、いえ……」


 受付の人はビビりまくりで声が裏返っていた。

 それほど怖かったのか。


「ガクさ~ん」


 いつの間に階段に向かったのか分からないが、サラが呼んでいるので向かう。


 二階には人は誰もいなかった。

 キョロキョロと辺りを見回すとテーブルに資料が広げたままになっていた。深く散策するのは辞めよう。


「キャ~~! これはフローになかったヤツです~。可愛い~。あ~丈が短いのもあります~。こっちにも……」


 暴走状態から覚醒に移行したサラは誰にも止められない。


 君の信じる道を進むが良い。

 俺はひっそりと動画を撮るのを忘れない。


 さて、覚醒状態にも活動限界はやってこないからそろそろ止めようかな。

 ……止まるかな?


 もう少し待つか。


 そして待つ事三時間。

 サラはの限界はやってこなかった。


 気のせいだろうと思うが、サラの背後にスタンドが現れる気がする。

 まさかサラがスタンド使いだったなんて……。


 俺が止めても『だが断る』の一点張りだ!

 どうしよう。


「ガクさん! 来てください!」

「ん~。どうしたの?」


 俺が悩んでいるとサラが俺を呼んだ。


 悩むフリをして動画のチェックや画像の整理をしていたが、やっと落ち着いたかな?

 二人で撮る場合はやっぱり自撮り用の棒が欲しいな。


 身体全体が入らない。

 そのおかげでサラと顔を近づけて撮れるから文句はなんだけどね。


 スマホをネックレスにて首にかけてサラの呼ぶ方に向かう。


「こ、これ……」

「ん?」


 床を指すサラ。

 俺も床を見るとそこには日本語が書かれていた。


「……日本語だ」


 俺の位置からだと文字に対して逆なのでサラの方に移動する。


「以前ガクさんに見せて頂いたのでガクさんの国の言葉かもとは思いましたが、やはり……」

「俺の国で使われていた文字だ」

「なんと書かれているんですか?」

「……クッ!」

「ガクさん!?」


 俺は近くにあるメイド服を手に取りサラに渡す。


「サラ。これに着替えてくれ!」

「わ、分かりました」


 俺の目が真剣だったのもあるだろうが、サラは理由も聞かず素直に着替えに向かって行った。


 サラが更衣室に入るのを見て、足元に目線を落とす。


 床に書かれた日本語はこう書かれていた。


『更衣室の裏側に穴がある。言葉はそれで十分だろう? by憐火』


 なんと言う事だ!

 こんな事が書かれていたら男としてやらない訳にいかないじゃないか!


 俺は覚悟を決めてサラが着替えている部屋の後ろに移動。

 ギルドにある更衣室はデパートにあるような四角い部屋にカーテンの区切りと向かいにガラスが貼ってある一般的なモノで、違いがあるとすればこっちの更衣室の方が少し広いぐらいだろう。


 つまり、俺はガラス側にいるという事だ。


 ……穴はどこだ!


「な! なんだと!?」

「ここでどうかしましたか? ガクさん」

「ひゃい!?」


 後ろからサラが声をかけてきた。

 ビックリした~。


「ど、どうかしましたか?」

「いや、大丈夫だ。問題ない。……そう。何も問題ないのだ」

「どうして悲しそうなんですか?」

「聞かないでくれ。……男の夢が無くなって、いや。塞がれていたんだ」

「??」


 誰がやったのかは知らないが、穴が綺麗に塞がれていた。


 だったらなんで床の文字も消さないんだよ!

 ぬか喜びさせられるこっちの身にもなれよ!


 床の文字は消しておこう。


「ガクさん。着替えましたが次はどうしたら良いですか?」

「サラ。……あの文字はもう役目を終えたんだ」

「そうなんですか? それなら着替えてきますね」

「あ、その前に写真撮って良い?」

「……どうぞ」


 俺は心に少し不満を抱えつつ、サラの写真コレクションを増やした。


 後、床の文字は特殊な魔法がかかっていたので消せなかった。

 魔法の無駄使いじゃねーか!

 その魔法を穴の方にも使いやがれ!

9月の予定。

【毎日更新】


今後ともよろしくお願いいたします。

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