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分かってるな?

 押忍!!男の中の漢。名は学。歳は三十六歳。身体は十五歳。頭脳は大人、身体は子供を本気でやってます。お薬で治らないですけどね。


 昨日の夜はスイさんに会いに行ったけど会えなかった。モックが言うには冬眠に近い事をスイさんがやってるらしい。

 力の温存の為だ。


 まぁ、伝えたい事は伝えたから良いだろう。


 今日は正午にはこの街を出るから午前中に買い物をする。と、言っても買う物はそれ程ないんだけどね。


 日課になっているランニングを済ませて、裏庭で剣の素振りをする。


 すると、そこにスミスさんが登場して俺の相手をしてくて、選手交代でマスも相手をしてくれて、その後にスナーチャさんが魔法の訓練を付き合ってくれたりして俺は午前中が潰れました。


 ……マジで疲れた。


「行ってきます」

「い、行ってきます」


 俺たちの見送りにはみんなが来てくれた。


 サラは午前中はマーナさんとパッチちゃんと買い物をしていたらしい。女子同士で買い物とか長そうだね。


 パッチちゃんはサラにベッタリだった。やっぱり寂しいんだろうな~。


「サラお姉ちゃん。ガクお兄ちゃんは弱いから目を離したら駄目だよ!!」


 グハ!!


「分かってますから大丈夫ですよ」


 ダブルでグハ!!


 止めて!! 弱いのは知ってるけど、そこまで念を押さないで!!


「子供は時として残酷だな。ハッハッハ」

「そうですね。ボス。クックック」

「……かわいそう。フフフ」

「笑いながらそんな事を言うあなた方が一番残酷ですよ!!」


 全くこの人達は何で傷口に塩を塗るかな。塩じゃなくて辛子かもしれないけど。


「フ。少しずつ強くなってサラを守ってくれ。ガク」

「はい!!」


 やっぱりマーナさん。漢気パネ―な。マジカッケー!!


 今回で二回目のお別れだが、やっぱり悲しい気持ちに変わりはない。泣かないけどね。


「気を付けろよ。お前ら」

「「はい!!」」


 スミスさんの一言を頂き、俺とサラは再び、フローに向けて出発!!


――――――――


「イタタタ。スミスさんとマスとスナーチャさんの稽古でもう身体がボロボロだよ」

「フフフ。あの三人なりの激励ですよ」

「激励って……。少しだけその可能性を考えたけど、アレで激励とは」


 激励ってよりも、強くなって帰って来なかったらただじゃおかねーよ? 的なヤツかと思った。


「あの方達らしいですね」

「……そうだね」


 帰って来る前提って事は戻って帰る事を信じてくれているって事だよな。ツンデレかよ。あの三人は。


「これで早く船が出来そうですね」

「そうだね。かなりの量の木材があるからね」


 ざっと……。三百本か。忘れてないよ?ちゃんと覚えてたよ?


「ガガ~~」

「ギギ~~」


 前回と同様に世紀末に生きているような身体が大きくしっかりしていて、無数の傷がある馬です。

 名前はガガとペルモッツ。


 この馬はまだ子供で大人になると二足歩行します。……馬って何なんだろう?


「今回もよろしくな」

「ガガ~~」

「ギギ~~」


 喜んでるんだろうけど目つきが鋭すぎて睨まれる感じがするよ。


 もちろん手綱はサラが握って、俺は荷台です。ぶっちゃけ心苦しいよ。


 さてと、俺は魔法のレベルを上げますか~。


 ……。


 やっぱり、スマホの中でも整理しようかな。別に魔法のレベル上げがめんどくさくなって、別の事で時間を潰そうとか考えてないからね?


 物事には順序ってモノがあるじゃん? やっぱりレベル上げって集中しながらやるべきだと思うんだよね。その方が効率が良さそうだし。


 俺は今から集中する為の準備をするんだよ。


 暇つぶしをする訳じゃない。


 このスマホの中を確認するのは必要な事だよ。中を隅々まで見て何もなかったとしても確認する事に意味があるんだよ。

 もし、何かの見落としがあっったら一大事だよ。それが俺に何かしらのトラブルの原因だったり、強くなるヒントの可能性だってある。


 大人たちってよく確認は重要って言うじゃん?


 何事にも確認は必須事項。少しやり過ぎかな? ぐらいがちょうどいいんだよ。うん。


 と、言う訳でスマホの確認をしよう。


 スマホを起動させて電源をオン。


 このスマホは異世界仕様だから充電は不要。前に容量の画面を見たけど文字化けしたから多分だけど容量も異世界使用なんだろう。


 なんと言っても壊れないってのが素晴らしいね。画面壊れて見れないって事がないから助かる。


 中はアプリが入っている。スマホだしね。


【アイテム収納アプリ】

 アイテムを収納する事ができる。

 容量は別種が三十、同種が六十個入る。


【ステータス確認アプリ】

 自分のステータスを確認できる。

 自分のスキルを変更できる。

 自分の成長履歴が見れる。

 PT設定ができる。

 (PT状態の時のみ、メンバーの強さを確認できる)

 (PT状態の時のみ、メンバーのスキルを変更できる)


【取得可能スキル一覧アプリ】

 自分が取得可能なスキルの一覧が見れ、取得できる。

 取得した際の初期レベルは五レベル。


【イベント告知アプリ】

 世界中のイベントの内容が見れる。

 イベントに参加する事ができる。

 

【掲示板アプリ】

 様々な掲示板を見れる。

 初期画面のパスワード画面で専用の掲示板が見れる。

 書き込み、立ち上げは自由で匿名での書き込みも可能。


 この五つが今現在、俺が持ってるアプリの数だ。


 アプリ名を読めば大体の内容は分るけど、どんな内容確認だね。


 俺自身にチートはないんだけど、このスマホはチートの塊なんだよね~。

 しかも無くす可能性もあるから大事にしないといけない。


 無くした時は諦めましょうって書いてあったし、この異世界が厳しいのは今さらか。


 五つのアプリの中で俺がまだじっくり見ていないのが、【掲示板アプリ】だ。


 チラッとは見たんだけど、たくさんの掲示板が立っててめんどくなってしまった。


 さてと、時間はある事だしアプリを起動して初期画面にパスワードを入力!!


 パスは一一九二二九六。


 ちょっと古いな。今は別の年号になってるんだっけ?


 ログインすると、


《アイテム交換をしませんか?》

《異世界の花を愛でないか?》

《この異世界に物申す!!》

《初心者に親切な掲示板》

《スキルについて考察するスレ》

《強さとは……》

《本気でクリアー目指してる者のスレ》

《愚痴スレ》

《かわいい子の写真を貼るスレ》

《仲間募集スレ》

《彼氏・彼女募集スレ》

《平和な海を作ろう》

《この世界を現代チートで盛り上げよう!!》

《悩みがある奴はまずはこのスレにおいで……》

《俺の異世界物語!!》

《簡易PT募集スレ》

《中級者に優しいスレ》

《女の子限定スレ》

《仲良くしようぜ!!》

《空を自由に飛びたい!!》

《かわいい娘が生まれたよ~》

《ランキング上位者に対して優しくないスレ》

《俺はリア充になりたいんじゃーーーー!!》

《動物の写真を貼るスレ》


 こんな感じのスレがいっぱいあるんだ。


 アイテム交換のスレは結構、面白いな~って思ったけど、彼女とか彼氏を掲示板で募集するのって大丈夫か?

 変な奴しかこなそうなんだけど……。


 こんなに沢山あるスレの中、俺が選ぶのは《かわいい子の写真を貼るスレ》だ!!


 間違った……。


 このスレは後でお邪魔したいスレだ。


 とりあえず《初心者に親切な掲示板》でも見ようかな。


《初心者に親切な掲示板》

1 初心者応援団団長。カケル


 このスレは初心者を応援する為のスレです。応援する気のない方は戻って別のスレを見に行って下さい。

 初心者の方は最初は匿名での書き込みがオススメです。

 中級、上級者の方は優しく接してあげましょう。

 初心者を叩く行為は禁止。

 私を叩く事も禁止。

 楽しくいきましょう!!


492 カケル

 初心者来なくない?


493 ミンミン

 そうだね……。もう三ヵ月ぐらい初心者来ないよ。


494 ペッチン

 団長!副団長!おひさ~~


495 カケル

 おひさ~~!!ペッチン、最近どうよ~。


496 ミンミン

 ペッチン~~!!おひさ~~。元気~~?


497 ペッチン

 元気だよ!!

 後、重大発表があります~~!!


498 ミンミン

 おお!! 何なの? 気になる!!


499 カケル

 おお!! 上に同じ!!


500 ペッチン

 子供が生まれました!!


501 カケル

 ……。


502 ミンミン

 ……。


503 ペッチン

 あ、あの……。お二人さん? 見えてますよね? 生きてます?


504 カケル

 おめでとうございます。ペッチンさん。心より祝福を送ります。


505 ミンミン

 うんうん。おめでとう。ペッチンさん。私も自分の事のように嬉しいよ。うん。


506 ペッチン

 うわ~~。全然祝福されてる気がしね~~。さん付けとか止めてよ……。マジで疎外感パネーんだよ。


507 カケル

 チッ!!……。イヤイヤそんな事無いよ……。


508 ミンミン

 リア充が……。そうそうメッチャ嬉しいよ……。


509 ペッチン

 完全に心の声出てるじゃないですか!!あ、子供が泣いたんで席外しますね!!また来ます!!


510 カケル

 ヤバイ……。心が折れそう……。


511 ミンミン

 私はもう折れている……。


————————


大丈夫か? このスレは……。


 何か見てはいけない何かを見たような感じだ。暗黒面に片足を入れたような……。


 自分で言っていて何を言ってんのかよく分かんないや。


 一応、このスレに書き込みしますか……。


————————


538 カケル

 憂さ晴らしに裏の山を消し飛ばそうかな~。


539 ミンミン

 私は湖の水を蒸発させようかな~。


540 匿名で

 初心者です。いろいろよろしくお願いします。

 後、憂さ晴らしで自然を壊すのは良くないと思います。


541 カケル

 ぺんぺんさんかな?大丈夫だよ……。君の所為でたくさんの魔物が消えるのだから……。


542 ミンミン

 私たちに気を使わなくて良いんだよ?大丈夫。威力は抑えるから……。多分。


543 ペッチン

 私じゃないよ?

 子供は旦那に任せて登場~。


544 カケル

 ……マジで?


545 ミンミン

 ウソ……でしょ……。


546 ペッチン

 団長と副団長が使えないゴミだから私が代わりに聞くね?

 とりあえず支障がない範囲で答えてね?

 無理に答えなくていいからね~。


547 匿名で

 分かりました。


548 カケル

 ……。(観察中)


549 ミンミン

 ……。(現実逃避中)


550 ペッチン

 二人、マジ使えね~。

 匿名さんに質問です。

 性別は?


551 匿名で

 男です。


552 ペッチン

 おぉ!!男性か!

 それじゃ~匿名くん。今の君の状況は……大丈夫かい?


553 匿名で

 どういう意味ですか?


554 ペッチン

 ん~。この世界って普通に奴隷制度ってあるし、俺たちは強くなりやすいだけであって最初から強くはないじゃん?

 君が今、もの凄く大変な場所で生きるのが辛い環境なら場所が分かれば助けに行くって事だよ。


555 匿名で

 俺の状況は全然大丈夫です!!

 ありがとうございます!!


556 カケル

 ……。(ウズウズ)


557 ミンミン

 ……。(ウキウキ)


558 ペッチン

 話したいなら話せば?

 そうか!!よかったよ!!


559 カケル

 どうしよう……。いきなり悪い印象だよ~~。


560 ミンミン

 ファーストコンタクトに失敗した我らにセカンドは失敗できないと言う重圧が圧し掛かる~。


561 匿名で

 えっと。改めてよろしくお願いします!


562 カケル

 良い子や~。

 よろしく!!


563 ミンミン

 救われる~!

 よろしくね!!


564 ペッチン

 困った事があったらこの二人に相談したらいいよ!

 この二人はいろいろ詳しいし、比較的に優しい方の人間だからね。

 匿名くんの状況がヤバかったらこの二人が一目散に向かう気だからね。


564 カケル

 でも、大丈夫なんだよね?


565 ミンミン

 支障がない程度で何してるか聞いて大丈夫?


566 匿名で

 大丈夫ですよ!!

 今、ギルドのクエストを消化中です!


567 ペッチン

 そうか。安全そうな生活で安心したよ。

 クエストは討伐系かな?


568 匿名で

 運搬系のクエストです。

 かなり暇です。


569 カケル

 懐かしいな~。

 俺もやったモノだ。


570 ミンミン

 私はやった事無いや~。

 身体動かす方が好きだし~。


571 ペッチン

 私も懐かしい記憶があるよ。

 今の旦那の出会いもその時だったな~。


572 カケル

 あ~はいはい。惚気ですね。


573 ミンミン

 チッ!モテ話とか聞き飽きたぜ!!


574 ペッチン

 匿名くんも素敵な出会いがあるといいね!!


575 匿名で

 自分も彼女いますよ?

 可愛い子で、今は馬の手綱を握ってます。


575 カケル

 ……。


576 ミンミン

 ……。


577 ペッチン

 ……。


578 匿名で

 ??


579 カケル

 ……。(イライラ)


580 ミンミン

 ……。(メラメラ、ゴウゴウ)


581 ペッチン

 ……。(火に油を注ぐってのを初めて見たよ)


582 匿名で

 えっと。すいません。

 あ、ちょっと離れます!!


————————


「ガクさん、少し良いですか?」

「どうしたの?サラ」


 どうしたんだろう?


「スミスさんからの伝言です」

「スミスさんから?」

「はい。えっと『帰って来て弱かったら、分かってるよな?』だそうです」

「……はい」


 スマホを戻して魔法のレベルを上げよう。


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