旅に向けて
(11/3)更新しました。
オス!!男の中の漢。名は学。歳は三十六。夢はハーレムを作ること。目を瞑りながらの移動は危険ですね。何回もコケて顔面を強打しました。
さて、顔面を擦りながら必死に上げた<地図スキル>だが、目を瞑っても移動可能と思っていたが全く違った。
足元や邪魔な物が見えないのは当然のことながら、感覚的に分かる道も二・三歩の余裕があるらしく、フラフラと歩いては道がそれ、コケてを繰り返した。……めっちゃ怖かった。
隣にはサラがいたけど、余程危険がない限り声をかけてくれることはなかった。途中、いないのかと思って目を開けたら怒られた。……メッチャ可愛かった!! また怒られたいとか思ってないぞ。……半分ぐらいしか……
そんなこんなでやっと<地図スキルLV三十>に到達。時間にしたら五時間ぐらいかな? 休憩もあったから実際にはもっと早く済んだかもしれないけどね。
目を瞑ると何で<地図スキル>が成長しやすいのかと言う疑問があったが、やってて気付いた。
多分、スキルを使う意識が強いからだと思う。意識が強くなれば何でも良いのか? と思うが多分可能だと思うが、スキルを使いながら目を瞑るのはかなりの危険が伴う。
これも俺が自身で体験したから分かる。めっちゃ怖いしな。
たまたま、<地図スキル>が目を瞑りながらやるのに向いてたんだと思う。<鑑定スキル>なんかは目を瞑って出来ないし、<素早さ上昇スキル><速度上昇スキル>は危険だしな。
そんなこんなでやっとこお題をクリアーしたぜ!!
とりあえず確認は後にして家に向かいましょう。
「すっかり深夜になっちゃったね」
「そうですね」
「見てサラ。星がキレイだ」
「……そうですか? いつもと変わりませんが?」
「そうか。サラはこの景色をいつも見てるのか……」
「ガクさんも見ていませんか?」
「見てるけど、毎回思うんだよね。キレイだな~って」
多分、ほとんどの日本人は異世界に来たら星がキレイだな~って思うだろうな。まぁ日本でも星がキレイな場所はたくさんあるけどね。……行ったことないけど。
「ガクさんは星が好きなんですね」
「う~ん。そこまで好きじゃないかな?……あまり知らないしね」
「何が好きなんですか?」
「…………何が?…………サラの手料理かな?」
「え!? あ……えっと…………ありがとうございます」
「……どういたしまして」
サラが顔を赤くして気付いたけど、俺って今何気なく恥ずかしい事言ったよね。普通に言っちゃったよ。だって好きなんですもの!!
それからサラと俺は何が好きかを言い合いながら帰った。どうもサラは日本の世界に興味を持っているようだ。アニメとか漫画があれば見せてあげたいな~
「なんだお前。朝に帰って来ると思ってたぞ。情けない。」
帰ったらスミスさんに言われた。無理っす。俺にそれは難易度高すぎっす!!
「で? レベルは上がっんだろうな?」
「上がりました。お題もクリアーされてました。まだ確認していませんが」
「確認してみろ」
「スミスさん。皆は呼びますか?」
「イヤ。呼ばなくていいだろう。この前の件で慣れてるこの三人でいいだろう」
そうか。裏00五番の時もこのメンバーだったのか。……あれは驚きの連続だったな。
「心の準備が出来たらお願いします」
「俺は大丈夫だ」
「私も大丈夫です」
俺はスマホを起動した。
「え~と。『おめでとうございます。第00一番のお題を全てクリアーしました。アプリケーションが増え、クリヤー賞金がもらえます。ご確認ください』以上です」
「今回は選択報酬は無しか」
「前回がアレだったので身構えてましたが、今回は前回程ではないようですね」
「そうみたいだね」
「まずは、賞金から見たらどうだ?」
「そうですね。……賞金は三万Gですね」
「少ないな」
「前回は五十万でしたよね? それと比べたら少ないと感じますね」
「そうだね」
表は報酬が少な目なのだろうか。
「次は増えたアプリケーションですが、全部で【イベント告知アプリ】【掲示板アプリ】の二つだけですね」
「どっちも分からんな」
「私もです」
これは……全然ステータスに関係のないアプリだな。
「このアプリは俺が強くなる為の物じゃないですね。どちらかと言うと転生者全員に関係があるアプリです」
「どういうことだ?」
「え~と。最初に【イベント告知アプリ】ですが、……あ、やっぱり。このアプリはゲーム参加者で何かのお題のクリアーを目指し、順位を決めてその順位に応じて報酬が決まると言う物ですね」
「今は何かやってるのか?」
「やってますね。イベントは地区ごとに違うみたいですが、ここから近いところがどこか分かりませんのでアレなんですが、『ドラゴンの宝珠をゲットせよ』とか『大量発生中の鬼ズガルを倒せ』など」
「……鬼ズガルは分かるが、ドラゴンは一人じゃ無理だな」
「鬼ズガルが分かりませんね。私は」
俺も分からないから安心して、サラ。……ドラゴンは戦いたくないな~
「【掲示板アプリ】は情報交換などに使えるアプリですね」
「今回はこの程度か」
「安心しました」
「俺も安心したよ」
また、前回みたいな流れになるかと思ったけど良かった~
「さて、それじゃ明日の流れを話すとするか。サラク、お前はガクと一緒に行くのか?」
「はい」
スミスさんがサラを見ている。サラもまっすぐスミスさんを見ている。
「……そうか。寂しくなるな」
「ありがとうございます」
お許しがでた。悲しそうなスミスさんだが、少し嬉しそうでもある。……お母さんみたいな目つきだ。
いつもは目つき悪いのにとか思ったら殺されそうだ。
「ガク。お前に確認なんだが、この街の特産物を持って行くかい?」
「特産物?」
「あぁ。生の物はダメになっちまうから物になるがな」
「あれ? スミスさんも俺のアプリについて知ってますよね?」
「……」
固まってる。……怖いな。
「えっと。別種のアイテムが三十種類、同種のアイテムが六十個まで入ります。中の物は時間が止まり腐ったりしません。熱い料理などを入れたらその状態で出てきます」
「忘れてた……」
「私も先ほどガクさんに言われて思い出しました」
「後、どのぐらい入るんだ?」
「え~と。殆ど使ってないので別種二十五は使えますよ?」
「フム」
スミスさんはテーブルにあった紙を見て唸っている。
「サラ、コレなんだが……」
「あ、それな……」
「なるほど。それでは……」
「良いと思います。後、これは……」
うん。俺はいらないな。ここにいる必要あるのかな?
「ガク。台所にある水の樽は入るか?」
「え~と」
どこだ?……サラが案内してくれたがここにあったのか。いつもは汲んで来るから知らなかった。
デカいな。水の樽。ワインが入ってそうな樽だ。……水だよな?
「……まぁ入るよな。これぐらいなら」
普通に入った。これで入らなかったら液体で水を運ぶ事になるな。
「……ガク。出して中身を確認してみろ」
俺はスミスさんに言われたようにイメージ操作で樽を出した。……出す時にちゃんと出す場所を指定すれば物音が小さくて済むんだな。
「中身って水ですよね?」
「水ではない」
「お酒ですか?」
「違う」
「……あ」
中身はいろんな物が入っていた。簡単に言うとゴミ箱だった。生ごみも入ってる。……マジかよ。
「たくさんの物が入った樽は入るのか試したが、入るんだな。これなら多くの物をお前が持てるな」
「良かったです。これならお金に困りませんね」
君のその笑顔に癒されるぜ。そしてお金を稼げない男でごめんなさい。
「ガク。お前金はどのくらい持ってる?」
「……だいたい五十五万ぐらいですね」
初期のお金が五千だったからな。かなり増えた。俺は何もやってないけど。
「フム。……お前は奴隷を買うつもりはあるか?」
「え……」
奴隷って俺でも買えるの?
「奴隷……ですか?」
「あぁ。まぁお前に見せたのは現実にある事だが、それでも奴隷は便利に使えば便利な物だぞ?」
「う~ん」
ふと。サラの方を見た。……サラは俺をまっすぐ見ていた。曇りのない目で。
「……サラはどうする?」
「ガクさんにお任せします」
「そうか。……スミスさん」
「ん?」
「遠慮します」
「……そうか」
「そうなると……」
また紙を見始めたな。
「細かい物はお前たちで運ぶとして……」
スミスさんが俺の顔を見た。……どうしようなんか怖い。
「明日はサラと馬を見てこい。後、お前の防具や武器もだな」
「分かりました」
ホッ息を吐いた。……良かった、怖い事はなかったな。
「夕方に最後の稽古をするからそのつもりでな」
「は、はい」
俺が恐怖したのはこれか……
明後日、俺は無事に旅に向かう事が出来るのだろうか。




