入試での出来事
今日は入試当日、私は受付に行き、受験票を見せて学園に入った。
学園内は、いたるところに人、人、人、なんだか貴族の方が多くいるような気がします。そして、なんだかすごく見られてる?そう思っていると私に近づいてく人影が二人、あれはユーリとジークリンデがなぜか近づいてきます。
「ごきげんよう、また、お会いしましたね」
とユーリは言うが、もしかして気づかれていないと思ったのだろうか。散々図書館で、こちらを見ていたことに。監視が目的なんだろうが気配を隠して監視や尾行できないものか。気配が駄々漏れだったぞ。まぁ、私はこの世界のアサシンのレベルだと全員の気配を読めるんだけどね。
「ですから姫さま、簡単に下々に声を掛けてはなりません」
「リンデ、ここはすでに学園内なのですから、王族、平民の身分などなんの役に立たないのよ」
「それは、ここに入学された場合に適用されます。ですからまだ身分制度は適用されます。それに、王族が、進んで身分制度を破るのは考え物かと」
「いいのですよ。どうせわたしは・・・」
相変わらずといったところかと思いながら二人話に耳を傾けていたら、門のほうから黄色い声がしているほうを向いてみたら、なんと王族関係者専用馬車が学園に入ろうとしているではないか、このまま、まっすぐ来たらあいつらに見つかる。本来はいけないのだが私はユーリたちに一言行ってここから離れることにした。
「すみません、姫さまと貴族様、ここにいると邪魔になりますのでこれにて失礼します」
「あっ、待ってください。いきましょう。リンデ」
「わかりました。姫さま」
私は、指定されている教室へ向かった。
入試は、午前に三科目、午後に実技と面接がある。午前の三科目は国語、数学、魔法学の三つ。
まずは国語だが、十年ぐらい前の入試問題と同じものが出てきた、入試問題を考えようとした人はめんどくさがったのかな?それにしても十年前の過去問がそのまま出てくるとは思わなかった。
次に数学だが、数学といいながら算数の計算問題が出てきた。私が世界を越えたからそう感じるだけかもしれない。
魔法学の方は元々、私はこの世界の魔法理論で術を使ってないので、魔法学を重点的に勉強した甲斐があり、結構な手ごたえがあった。
昼食後、実技の試験である。実技の内容は、軽めの体力テストと魔力コントロールだった。
体力テストの方は周りから女とは思えないといわれた、一応冒険者なのに体力が無いなんて思われたくないしそれに一応あまり力入れてないんだけどな。
次に魔力コントロールだが、まさか、この世界の魔法理論を使っての魔力コントロール以外認めないとかありえないだろ。私の方法を見た試験官が「あぶないからやめなさい」とかぬかしやがった。そして反論したら試験官全員で私を魔力コントロール試験会場から出しやがった。さすがに頭にきたが暴れるわけにはいかず待機教室で私の面接までおとなしく待機していた。そのとき周りから相当怖がられたが。
次に面接ですが・・・このときまた年齢を詐称してないかきかれた。そんなに十五には見えないのかなぁ、なんとか自己PRできたけどなんか散々だった。とほほ・・・
入試が終わり校舎を出たところで校舎前になぜか人が集まっている。私は感覚を広げてみるとそこの中心に王族とその関係者たちがいた。どうやらこの集まりは王族を見ようと身分関係無く集まっているようだ。
集まりの中、王族に突撃しようとする気配を感じた。その者の周りの人たちもそれに気づいているのか王族たちに近づけないようにブロックしている。
まさか王族に突撃しようとしているのが私の妹とは頭が痛い、妹は昔から馬鹿だったがここから感じているかぎりさらに輪を掛けて馬鹿なことをやっているようだ。そもそもあの馬鹿は自分が貴族だという自覚が無い、まるで一度どこかで平民の人生を経験しているようなそれとも世界を越えていたときに出会った転生者かもしれない。もしあの馬鹿が転生者だったら、転生者としての価値がまるでない。異世界の技術をこの世界にもたらすならまだしも、あの馬鹿にはそんな気配は無い。王族から不敬罪で処刑されてもおかしくないのに生きているということは、王族はあの馬鹿が転生者だと気づいており、まだ王族としては価値があると思われているのかもしれない。
どうやら中央にいる王族たちはもうそろそろ城に戻るみたいだ。なぜかユーリは周りを見まして誰かを探しているよだが・・・
「いた!イセリアー」
イセリアって私を呼んでいるのか!それに私、ユーリに名前名乗ってないんでけど。それと同時に人垣が割れて王族たちと一直線の道ができた。
「あの女、王族に呼ばれたぞ」
「ああ、だけど本当に我々と同じ歳なのか、信じられん」
いろんなこと言われてるけど呼ばれた以上行くしかないか私は礼をとって王族たちの前へ出た。
「この者がユーリのいうイセリアか」
「同い年には見えないな、兄上」
悪かったな、なんだかここまで言われてくると歳のことを気にしたら負けな気がしてきた。気にしない、気にしない、気にしたくない・・・。
「珍しくユーリに礼をするものがいると聞けばこのような者か、そなたなぜユーリに礼をとった。」
「姫さまが王族ゆえに礼をとりました」
「ほう、そなたはよく初対面でユーリが王族だとわかったな」
「有名ですから」
ユーリが王族でありながら王族として扱われていない、王族として見られていないことは、そう有名なのだ、国での彼女の価値はまったくないのだ。
「有名か・・・、だそうだ、ユーリ、よかったではないかそなたを王族としてみるものがいて、それとユーリ、先に城に戻っているぞ」
「はい・・・、わかりました。フェイトお兄様」
ユーリたち以外の王族と護衛は馬車のほうへ向かっていった。それによりこの集まりも解散となった。
「ちょっとそこのあなた」
馬鹿は無視の方向でここから離れることにした。馬鹿を貴族として扱ったらほかの貴族に失礼だから。
「イセリア、イグナイト公爵令嬢によばれていますが」
「姫さま、イセリアはイグナイト公爵令嬢の噂も知っているのではないでしょか」
「わたしと同じですか」
「姫さまには王族としてみているのにたいして、イグナイト公爵令嬢は貴族として見ていないのかもしれません、不敬ではありますが」
「すみません、姫さまと貴族様、ここにいると邪魔になりますのでこれにて失礼します」
私は朝と同じことを言ってここから離れた、あの馬鹿にギャアギャアいわれながら。本当にうるさいなぁ、私の殺気でも当ててだまらせるか、いや、とっとは慣れるのが得策か。さて一度宿に戻ってからギルドへ行って一暴れするぞ、待っていろ魔物ども私の憂さ晴らしの対象としてやる。
三日後の合格発表で合格しておりクラスは一芸特化クラスといわれるGクラスとなった。そして今日からは寮生活になる。それにしてもGクラスはほかのクラスの三分一の人数しかいないんだ。
王子たちが登場いたしました。
Gクラスは十名、A~Eクラスは三十名がいます。
簡単な登場人物紹介
王族
フェイト・エンディミオン
この国の第一王子で学園卒業後、王太子になることが決まっている。
アベルト・エンディミオンは双子の弟
イセリアの元婚約者である
アベルト・エンディミオン
この国の第二王子で兄のフェイトに王位をゆずり、彼が王になったときサポートすることをすでに決めている
フェイト・エンディミオンは双子の兄
ユーリ・エンディミオン
王族ではあるが王族として見られないそして扱ってもらえない中で生きてきた少女。
兄たちとは違い側室の娘で魔力を持たないことから何もかも最低限しか与えられいない。
兄たちとは違い魔力とは別の力が彼女中に眠っていることは、イセリア以外誰も気づいていない。
次回、入学初日