その瞬間私以外の
その瞬間私以外の全てのものが消えた。
気が付いたら目の前に母さんがいた。
目を真っ赤にして泣きながら「ごめんなさい。」と繰り返している。
母さんに駆け寄ろうとして、視界の端を何かがかすめた。
そちらに顔を向けると、綺麗なリボンのかかった箱が見える。
先ほど見たときより箱が潰れて、リボンも崩れてしまっているようだが
それでもとても素敵に見えた。
箱に気を取られていると、耳に母さんの悲しい声が聞こえた。
私はあわてて顔を母さんに戻す、そして駆け寄ろうと勢いよく飛んだ。
はずだったのに、突然下の方に引っ張られた。
あまりの強い力に抵抗も出来ずにまた、目の前が暗くなった。
母さんの声が聞こえる!母さんの匂いがする!
私は必死に目を開けようとした。
今まで何事もなく目を開けていられたのに、まぶたがとても重く感じた。
それでも何とか目を開けると、こちらをじっと見つめていた母さんと目があった。
嬉しくなって飛びつこうとして思うように体が動かず、母さんがあわてて助けてくれた。
「わん、わぉん」(母さん、おかえり)
母さんにどうしても伝えたくて声を張り上げた。
「わん、くーんきゅーん!」(母さん、大好きだよ!)
少し喉がひりひりしたけれど、
母さんが驚いた後嬉しそうに笑ってくれたから私は大満足だ。
そして母さんは、「ただいま」と言って、
私の頭を優しく撫でた後そっと抱きしめてくれた。
母さん、意外と若いかもね~チャンチャン♪
「そして、何も」の中で、
不意に誰かに呼ばれたような気がして目を開けた。
ここ実は、「私」が毛嫌いしている彼氏さん(まだ仮)が頼まれて様子を見に行って
発見、呼びかけてるって流れですよ(だから誰かw知らん人扱い)
まぁ、獣ですので本能でこの後態度を改めます。
ちなみに、特別犬派ではありません。かわいいものなら派閥なんて!
ただ、母さんへの忠誠っぷりが犬かなと偏見と独断で「わん、わぉん」となりました。
母さん目線のお話(彼氏さん《まだ仮》込)や、後日談など書くかもしれないし書かないかもしれません。
せいぜい「私」が拗ねて続編ねだらないように気を付けつつ暮らしたいと思います。




