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母さんと私  作者: MIK
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それは母さんの

それは母さんの苦しそうな声。


私は思わず、叫ぶ。

「母さん、大丈夫!?」

でも、母さんからの返事は無い

「薬早く・・・はや、く」

「かば、ん、が・・・・」

大丈夫ですかと沢山の人たちの声が聞こえる。

「う、・・・。」

けれどそのまま目の前は真っ暗になってしまった。

私は叫んだ。

「母さーん!!」

あふれ出した涙がこぼれそうになったとき、またあの音がした。

何か見える気がして必死に目を開く。

ふと声が聞こえた。

「バスの中で倒れたんですって。」

「持ち物もこの箱しかなくて」

「身元がわからないなんて可哀想ね」

「早くわかるといいわね」

「ええ、そうね」

「うわごとを聞き取れたらいいんだけど・・・」

待っていても母さんの声は聞こえてこない。

「母さん、母さん、お願いだから返事をして!」

私は、祈るように叫んでじっと耳をすました。

どのくらいそうしていたかわからない。

とても小さくて細い声だったけれど母さんが私を呼ぶ声が確かに聞こえたんだ。

「早く、先生を呼んできて」

誰かの慌てた声が聞こえたと同時に目の前は暗くなった。

あの音も止まってしまった。

母さんの声が聞こえた喜びも、一人で取り残された不安にむしばまれていく。


私はどうすれば母さんに逢えるのだろう?


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