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会談にて1-2スキルを試してみたんですが


 サタンが出て行った後、少し経ってからリリスが目を覚ました。 

ベッドに座ってる俺には見えないよう毛布の中でもぞもぞしている。


 何をしているかは大体想像がついてしまうのだが。案の嬢リリスがベッドから出てきた時には可愛い花柄パジャマを着用済であった。

 「おはよう」


 そう言って普通に挨拶したのだがリリスはよっぽど眠いのか、うーんと低い声で返事しただけであった。悪魔って朝弱いのかな? リリスだけかもしれないが。ってか何で下着姿で寝てたのか凄い気になる。聞きたいけど聞く訳にもいかない。


 洗面所にて顔を洗った後、髪を整えて戻ってきたリリスはまだ眠そうなものようやくちゃんと起きれたようだ。


 「おはよう。アンタお腹空いてるでしょ。 昨日から何も食べて無いんだし。朝食作るわね」


 そうリリスに言われると確かにそうだ。昨日から何も食べていないので結構お腹が減っている。


 リリスは冷蔵庫のような物から材料を取り出すとトーストと目玉焼きを作ってくれた。材料などが気になったが、文句を言うのも悪いので食べてみた所、とても美味しかった。 食事をした後、そのままサタンに会ってスキルの使い方を練習することになっている。



 部屋を出てリリスと共にサタンに会いに行く。最初にされたように地面が光ると、城の外に魔法で移動したようで、足元には緑の芝が生い茂る地面があり、頭上には青色の空が広がっていた。その直後目の前の地面が光りサタンが目の前に現れた。


 やはり朝の事だろうか。サタンは俺と目が会うと気まずそうに目をそらす。後でちゃんと説明しよう。


 「さて、早速だがスキルの出し方は特に難しいことでも無い。出そうと思うだけでいいはずだ」


そうサタンに言われたのでとりあえず下の地面の芝を手で触れた所スパッと切れた。


 「城の芝刈りに使えるな」


 「そんな用途いらねぇんだよ!」


サタンのふざけた一言にとりあえず突っ込む。


 「じゃあ次はスキルを使わずに芝に触れてみな」


 言われた通りに普通に芝に触れると普通に芝は揺れただけだ。全く切れない。


 「うん。 自分の意思でコントロール出来るみたいだな。 じゃあ次は何処まで切れるのか。いってみましょうー!」


 サタンはノリノリである。


「リリスー俺が言う物片っ端から転送してくれ。じゃ、いくぞー!」


 キャッチボール始めるぞーぐらいのテンションで言い放つサタン。 しかし、自分のスキルがどれほどの物なのかは知っておきたかった。


 「はい! まず普通の木!」


 頭上に転送された自分の丈の2倍はあろう長さの丸太が降ってくる。 スパン! と音を立てて頭上に落ちてきた丸太は真っ二つになった。


 「はい  !氷」


 ザク!とこれも真っ二つ。手刀で氷の塊が切れる所案外凄いと自分に関心する。 もしかしたら俺つよいんじゃね? とか思ってテンションが上がってくる。


 「はい!  キングヒドラ」


 サクッとこれも真っ……へ?

頭上から30mはあろうか頭の8つついたヤマタノオロチのようなドラゴンがどこかのファンタジーにでも出てきそうな姿である


 「さーソウタそいつも真っ二つにしちゃってくれー」


 「できるかぁぁー!」


 そう叫びながら俺は全力で走って逃げた。


 グァァァ!  と咆哮。後ろから凄まじい速度で巨大ドラゴンが襲いかかる。無理無理!こんなのどーやって倒せばっ!


 息をするのも忘れ、逃走が続く。そんな時、目の前へ都合よく銀の剣が地面へ刺さっていた。


 「やるしかないかっ!」


 急ブレーキを掛け、追ってくるドラゴンに向き直る。8つの首からそれぞれ二つの黄眼がこちらを睨む。紫の舌を見せる顔の一つが俺を食べようと向かってくる。赤黒い歯が並ぶ口が俺を呑み込もうと開く。


 食べられるまさにその寸前、横に転がり紙一重でその攻撃を避ける。空を噛み切る竜の首が横を通過する。すかさず立ち上がり、剣を構え、スキルを使う。伸びる大蛇のような首目掛けて思いっきり振り下ろした。


 ザンッという切断音と共に、赤黒い血が地面へ撒き散らされる。力は要らなかった。


 首を斬られた竜は怒り狂い、その残り7本の首を激しく揺らす。


 何も考えてられなかった。頭が熱い。ただ、目の前の敵にのみ集中する。不思議と体は軽い。無駄な感覚がそぎ落とされて行く。


 竜の足元へと回り込む。それぞれが独立しているのか、幸いにもあまり首の動きは早くない。棒立ちとなる体へ一気に詰め寄る。


 厚い皮膚も、鱗も、斬れる!


 その切っ先を真っ直ぐに構え、竜の体へと勢いに任せ突貫する。


 ただ、走る。勢いは収まらず目の前には竜の赤い血肉と生暖かい鮮血が飛ぶ。走り切り、竜の体を横断する。


 目の前が開ける。立ち止まり振り返った跡には竜の体が横たわっていた。

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