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会談にて1-1とりあえず目が覚めたんですが



 ぼんやりと意識が覚醒し、ゆっくりと視界が開けて行く。まだ残る眠気を我慢し目を完全に開く。視界に入ってきたのは自分の家の天井ーーではなく女性の寝顔であった。


 「ああ、そうか。ここ異世界だったな」


 そうベットに寝たまま呟いた。


 寝返りをうったのか元々寝相が悪いせいかは分からないが横向きに寝てしまった為、横のベッドで寝ているリリスの寝顔が見えた。寝顔は可愛い。


 しかし、昨日の記憶は平手打ちされた直後に後頭部に強い痛みが走った所までで途切れてしまっていた。後頭部を触ると少しだが腫れていてズキッと痛みが走った。


 そこまで思い出した所で考える。


 あの後平手打ちされて吹き飛んだ後、恐らく壁にでも頭をぶつけて気絶してしまったのだろう。思い出すとかなりの威力だった気がする。


 一体誰がベットまで運んでくれたのか。流石にサタンが魔法で何とかすると言うことは無いだろう。となると、


 「リリスが運んでくれたのか」


 目覚めた時、自分の体に毛布が掛かっていたのを思い出す。ベットに運んでから毛布までかけてくれたのだ。 そもそも気絶した原因も自分なのにそこまでしてもらっては悪い気がしてきた。


 よく見るとリリスは寝相が悪いのか、ベッドから今にも落ちそうになっていた。 落ちて起きてもかわいそうなので彼女の体制を直そうとして毛布をめくった瞬間……


 次の瞬間目に入ってきたのは下着姿のリリスであった。 


 「な、な、何でっ!」


 よく見ると毛布の下には花柄の可愛いパジャマが脱いであった。 思わず声に出しそうになるのを慌てて止める。

 

 サタンの言ってた通り、自然と目が行く視線の先、白い下着の双丘はあまり高くは無い。


 だがしかしっ!  スラリと伸びた綺麗な足、誰がどう見ても美少女の部類にはいるであろう少女の寝顔はじっくりと見るとやはり可愛い。童貞中学生には危ない衝撃である。とりあえず凝視。凝視。凝視ッ! そして堪能ッ!


 どう言う事なんだ?下着は見られたら困るっぽかったのに着てるといいのだろうか。可笑しいよな。こんな所を見られたらどのように見えるか。変な汗が額を流れる。心臓は早く脈打ち今にも弾けそうだ。


 少なくとも普通の人なら寝ている少女の服を脱がせて襲ってるようにしか見えないはずである。異世界にて、男、柳ソウタの貞操は壊れる。


 いや、考えろ。不可逆的に考えるんだ。下着姿の女性が自分のベットに入ってきた。これはどういう事か。


 answerーー夜這い。→何をしてもいいって事じゃないのか? ……いいって事ですよね? どうやら俺には別なスキルがしっかりとあったようだな。幸運事故(ラッキースケベ)と言う名の!


 なので、毛布をバサッと奪い取る。


 さて、何から行こうか。ここからは18禁展開だぜ。


 「うーん、とりあえず…………抱きつこう。起こそうとした不可抗力って事で。んでそっから触ろう」


 水泳選手のように、ダイブの構えを取る。


 「ソウタ・ヤナギ……レディイ、GO」


 そう言ってベットに飛び込もうとしたその瞬間。

 ベッドの足に引っかかり盛大にこけた。やってしまった!と思ったが時既に遅し。 盛大にコケればもちろんドスン!と部屋に倒れた音が響く。


 急ぎリリスの寝顔を確認する。幸い彼女は起きなかった。随分と疲れているのか。


 しかし、次の瞬間、不幸は起こった。


 「おはようー!入るぞー。今日は魔法の使いかt……」


 笑顔でそう言ってノックもせずに入ってくるサタン。果たして今のサタンには今の状況がどう見えるだろうか。


 下着姿のリリス、めくられた毛布、挙動不審で動揺した俺の姿。


 サタンの笑顔が一瞬で引きつる。


 「いや、待ってくれサタン! 俺は何もしてない! たまたま毛布を取ったらリリスが下着で寝ていてだな……」


 全力で弁解するがサタンの顔色は変わらない。まあ、襲う気満々だったわけなんだが。


「いや……確かに童貞卒業とか言ってたのは俺だけどさ……流石に寝込みの女性を襲って脱がすのはちょっと……」


 最早ドン引きと言った感じである。


 何だよこいつ!昨日電話では散々言ってたくせにそこらへんは真面目?! 盗撮してるよーな奴なのに俺の事変態みたいな目で見やがって。


 散々状況を説明したのだがいつものようなサタンの笑顔は無く表情が完全に氷ついていた。完全に白い目で見られている。


 その後サタンは俺の弁解にも聞く耳を持たず自分の部屋に戻っていった。


 これからどうすればいいのか。

サタンとはこのまま気まずい空気で接しなければならず、リリスは起きなかったものの、昨晩のビンタ以来会話していない為こちらも気まずい。色々考えて結局、自分のベッドへ戻り、全て夢だったと自分に言い聞かせ、眠りに入った。

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