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城にて1-3 スキルを手にいれたのですが


  え?  何てイッタ?


 頭が混乱する。異世界での戦争だの序列だの言っておいて先ずはキス??


  「じゃ早くしてリリス」


 全く理解状況が理解できない俺の事などほっといてサタンが軽い調子で言い放つ


 横を向くとリリスと呼ばれた女性が両肩に手を置く。顔が近づく抵抗する間も無く。唇が合わさり、そして離れる


「え?  なに?  その表情まさかファーストキスだったりする?え?  まじ?」


 サタンが心から笑いそう言っているが何を言ってるのかあまり分からないほど混乱していた。頭の中は既に真っ白である。と、言うかびっくりしすぎて何が何だかもうわからない。

「そんなに焦るなって今のがソウタの”スキル”の覚醒に必要な儀式みたいなもんだったのさ」


 俺の表情を見て未だに笑っている。そして ツボッたのかサタン一人で爆笑して数分後が経過した。


 「とりあえず」


 そうサタンが言うと目の前に四角い木片が現れた。大きさは学校の机の半分ぐらい、高さは30センチぐらいだろうか。


 「とりあえずこの木片は魔力を引き出しやすくする性質を持ってる。だからこの木に向かって素手でいいから何かしてみろ。」


 「何かってなんだよ。漠然としすぎだろ」


 いきなり何かしろと言われても中々何をすれば良いか分からなくなるものだ。


  「何でもいいんだって。 割ろうか壊そうとか思うだけでもいい時もあるし何なら殴ってみればいい」


 「そうゆうもんか。じゃあサタンがやった時はどうやったんだよ」

 

 気になったので、参考に聞いてみる。


 「え?  俺の時かぁー。 確か木片が木っ端微塵に吹き飛んで部屋の中が火の海になっただけだ。」


 「だけだじゃねぇだろ! 何だそれ! 下手したら自分の身が危ないだろ!」


 「フフッ、ちょっと何言ってるか分からない」


 「いや、  分かれよ!  めっちゃ危険だぞっ!」


 「えっ、金木○?」


 「もういいわっ!  やりゃいいんだろ!」


 コイツら悪魔なんだから自分の身ぐらい守れるだろう。けれど、まだ魔法だか何だかわからない自分が下手したらどうなるのかわかったもんじゃない。


 「大丈夫だってー危ない時や万が一あったら何とかするからさ? 心配せずにドーンといこドーンと」


  そう言ってサタンは笑っているが心配しかない。


迷っていても仕方ないのでとりあえず思いっきり殴って見た。が……


 「痛った!」


 普通に痛かった。全力で木片を殴ったが木片には傷一つ付いてない。


 「あれ? 無反応とはおかしいな? リリスもっかいいっとく?」


 なんて無責任な発言をするサタン。リリスは口を開かず最初に喋って以来ずっと無言である。ここに来る前はあんなに喋っていたのに。

 そう考えた時何気無く木片に触れた瞬間


 サクッ


 と音がして木片に爪がめり込んだ


え?


 自分でも衝撃である。まるで豆腐に触れたようになんの違和感もなく木片に爪は木片に刺さった。


 試しに爪を木片から抜いて思いっきり今度は手刀を木にぶつけてみた。すると、スパッと音がして木は真っ二つに裂けた。


 それを見ていたサタンが微妙な顔をして「ソウタのスキルは”切れ味を高めるスキル”だと思う」と言った。声のトーンがさっきより低い。


 自分でもびっくりである。 何その地味なスキル。 もっとこう手から火とか雷が出るとか予想してたのに。


 「いや……あの……普通さ、テンプレならここで最強のスキルとかが手に入る所だろ?  何でそんなしんみりと深刻な顔なさってるんですかお二人さん」


 うーん。と言った様子のお二人。


 「じゃあそれ以外何かならないのか?  付属で火が出るとか」


 「ふんっ!  ……何も起こらん」


 「……ソウタよ、もういい。とりあえず今日は休もうか」


 リリスに首元を掴まれ部屋から出される。


 「いやっ、待って、絶対違うって。そんな地味な能力のはず無いから。ほら、あれだよ。指鳴らして時間とめたり出来る筈だよ。俺地味にあっちでも練習してたからさ。あの、ほら、ベクトル変換とかも出来るかもしれない。うん。そうだよ。ベクトル変換だよ。だから木片真っ二つになったんだって。だから……」


 バタン、と喋り終えずにサタンの部屋のドアは閉じられた。


 

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