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~ある日の日常~

~ある日の日常~ 「人との関わり方」 

作者: 彼方 舜

そろそろ歯が痛いなと久々に歯医者にきた待合室でふと目をやると、おっさんが足を投げ出して座っている。最近どこでも見かけるなと思った。電車の中でも、自分の事をでかく見せたいのか、なんなのかよくわからないが、不必要に足を投げ出している人を見かける。自分がそういう態度は嫌いだし、何よりそんな広い待合室でもないのにそんなかっこうしてたら通行人にも邪魔だろとか思いながら長いすの横を通り過ぎた。


そこにまた一人お60代くらいのばちゃんが訪れた。

おばちゃんは受付を済ませた後、やはりそのおっさんが気になったようで、近くによっていった。


視線を感じたおっさんがおばちゃんを見上げると、おばちゃんはおっさんの足を指さして言った。


「人間の関節はね、曲がるようにできているんだよ」


おばちゃんの物言いに、おっさんは自分の格好に気づかされたようだ。


聞いていたオレは思わず吹きそうになった。


確かに! 確かにそうだよね!


思わず納得して内心おばちゃんに拍手した。


おっさんはバツの悪そうな顔をしながら、


「曲げると痛いんだよ」


と言ったが、おばちゃんはもう一度言った。


「人間の関節は曲げられるの。ほら、曲げてみなさい」


しぶしぶおっさんが足を曲げてきちんと座ると、おばちゃんはにっこり笑った。


「そうそう。人間はね肩の幅で生きていくのがいいの。

それより出るとぶつかったりするでしょ?

だからね、肩の幅で生きるのがいいのさ」


満足したように椅子に座るおばちゃんに、僕は心中で賞賛を送った。



オレの中に書き留められた今日の言葉。


「人間の関節は曲げられる」


「人間は肩の幅で生きること」


なるほど、奥が深いな。

珍しく、創造世界から抜け出して、現実世界の話しを書いてみました。

人間こうあるべき、と考えさせるような言葉を発信していければな、と思います。思い通りにはいかない世界だけど、それを少し軽くするような言葉を見つけられる小説を書いていきたいと思います。

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