異世界からこの世界へ・神様の御礼・最高の再婚
異世界の農民だったおらは神様の御礼で転生したで。
でもおらには異世界に遺した嫁たちと半端ない加護があって・・・
VRMMORPGで出会った嫁たちに・・・感謝した。
おらはナーグ。
カケト・トカルチヨっていう世界のバーク国のチカジノっていう村で生まれたんだ。
おらの村はまずしくってなー、一日一日をつつましくも精一杯生きてたんだぁ。
だども、ある寒い日のことだっただ。おらは身体を壊してしまってなぁそれがもとで死んだんだや。
そしたらな、死んだでもおらは神様に呼ばれたで。
天の上にいって遺してきた嫁たちを見守り続けると思ってたんだども。
なんでも、おらは生きとったころに大勢の神様の助けになることをたくさんしたらしくてなー。
神様達に頭を下げられるほど感謝されたんだでな。
おらは神様に頭を下げられるとか恐れ多すぎてな、地面に頭を打ち付けて平伏したんだで。
したら神様達が慌ててな。おらが何か大変な粗相してしまったんでねぇかと気が気じゃなかったんだや。
あとから顔を上げるように言われたけども、畏れ多過ぎて頭を打ち付けたままだったんだで。
神様はそげなおらをなんかこうパーってやって立たせたんだや。
そんときおらは機嫌損ねたのかと顔青くしとったでな。
神様達は御礼に願いを叶えたいっていってたんでな、それはもう有り難く願いを言ったんだで。
遺してきた嫁や娘達をせめて盗賊とかに襲われたり、食べる物に飢えたりせん程度の加護を与えてくださるようにな。
神様達はおらのその願いはとっくに叶えていると言ったんだで。
おらはおどろいたでな。
神様はおらなんかの願いなんてお見通しだったでな。
なんかそれはおらに対する最低限の礼に含まれているとかなんとか。
貴族様みたいに頭が良いわけでねーおらにはよーわからんかったけどな、おらの願いが叶えられてるんならもうおらには願いなんてねーって言ったんだで。
なんでかな、神様達はそれにあわてたんだで。
我々があなたに助けてもらった事に対する御礼には到底足りませんとかなんとか。
馬鹿なおらでもすこしは神様達の言ってることが分かった気がするで。
おらにはお礼なんていらないんだや。
おらは天の上にいって遺してきた嫁たちを見守り続けれたらそれでいいんだでな。
そう言ったら神様達は地面に手を付いて落ち込んでたんだで。
粗相をまたしたのかと思ったけども、おらに言ってなかったことがあってそれを忘れてた自分に落ち込んだとかいってただ。
orz←こんな格好を神様にさせるなんておらはなんて罰当たり者だとか考えてたら神様のほうから光が飛んできたんだで。
その光に包まれたら神様の言いたいことが全部分かってな、おらは違う世界に転生するらしい。
その上で転生後にどういう加護を得て生きていきたいかということだでな。
おらとしては嫁達を見守り続けれたらそれでよかったんだどもな、神様がどうしてもということらしいでな。
転生することにしたんだで。
神様がおらに与えてくれた知識とか知恵とか頭の回転が速くなってる今の加護を精一杯使わせてもらってな。
神様はおらの出した答えに満足そうに微笑むとおらを祝福してくれたんだで。
我らはあなたに多大なる恩を受けた。ゆえに我らはあなたに持てる力の全てを以ってあなたを送りだし、最大の祝福を授けよう。
そこであなたはあなたの善良なる心に従い、思うままに生きるが良い。
世界もあなたを祝福する。
あなたは神の認めし善良なるもの。幸福で有れ!
そんな感じのことを言われつつ、おらは転生されたんだで。
意識が薄くなっていってたからはっきりとは覚えてないんだけどもな。
でも、とても暖かくて幸せな気持ちになったのはしっかりと覚えてるだで。
そして生まれたのが地球の日本って言う国だった。
そして名前は名倉慈埜。
苗字が前世の名前と妙に似ているのは神様のおかげだろうか。
名前で呼ばれるより苗字で呼ばれるほうがとてもしっくり来る。
名前の意味は誰かを慈しむ事が出来るように、緩やかな傾斜のように気付かないでも幸せにむかって登っていってほしいとか。
名前の意味を聞いたときは思わず泣いた。
親に幸せを願われているのを物凄く分かったから。
このときにおらはこの名前がとても大きな誇りになったんだ。
前世じゃ絶対に名前にこういう意味を込めることなんて無かったから。
精々英雄の名前とか有名になった人の名前にあやかってもじった名前を付けるか、平凡な名前であるかくらいだったからな。
前世じゃおらの両親は二人とも早くに死んでしまったから余計にな・・・。
だからおらは精一杯の親孝行する事を決めてるんだ。
まだ中学生だけど。
抱きかかえられるほど小さかった頃は利発的な子だとか言われてたけどね。
そこから成長して物事を親から教えられたりどこかへ連れて行ってもらったときはこの世界のいろいろな事に驚いてなんでもかんでも親に何で、どうして、化け物かとかいろいろなことをビクビクとしながら聞いたもんだ。
そしたら変な子と言われた。なぜそうなった。
一人称はまだおらだ。これだけは前世との繋がりのようで変えたくない気持ちだからだ。大人になっていくうちに変えなければならないんだろうけど。
それはそうとして。
この世界に来て前世がどれだけ貧しかったのか、どれだけ無知だったのか、どれだけ役人に騙されていたのかを知ることが出来た。
計算も読み書きも複雑な思考も言葉遊びも出来なかった前世は役人にいいようにされてた。
今ならばその役人にも騙されない自負がある。
嫁や子供が今も騙され続けているんじゃないかと思うと寝れなかったものだ。
夢で神様に会ってちゃんとした役人だと教えてもらったから安心してるんだが。
ここでおらの願ったものを言っておこう。
1、嫁や子供が無事に過ごしているか知ることができる。
2、健康な身体。
3、身体が強くなる。(力とか動かし方とか)
4、育てた作物は成長も早くて美味しくなる。
5、動物に好かれる。
6、頭が良くなる。
7、寝れば疲れが取れる。
他にも願ったんだけどそれはおら自身に関わらないから放っておく。
ちなみに、神様一柱につき一つの願いだったりする。
おら、いったい神様の助けとなることなにしてたんだろ・・・。
この願い、半端なかった。
1はまだ良い。寝てるときに知ることが出来るだけだから。
問題はその次からだ。
2、病気、衰弱を含めて何にもならない。
おたふく風邪とか水疱瘡とかかかってないもんだから逆に心配されてる。
集団食中毒の起こった店でおらだけ何とも無いときはいろいろ調べられた。
そしたら体質みたいなものでかなり強力な免疫組織が形成されてるとかで一月に一回血液提供するように頼まれた。
ニュースに大々的に報道されそうになったときは断って逃げた。
山の中は前世からのおらの庭みたいなもんだー!
血液提供で賃金発生してました。・・・実験動物じゃなくて良かった!
次。
3、スポーツ選手に勝った。奇異な者を見る目をされた。
幸い、身体鍛えてたから何とか言い逃れできた。
最近の趣味はパルクールです!週一で建物の隙間とか屋根とか使って走り回ってる。
2のときの検査でかなり筋肉骨格などバランスが良い身体になってるとか言われた。何?ピンクの筋肉って。
次。
4、園芸役立ちました。二十日大根で育成日数三日ほど縮みました。美味かった!
他の作物だとどうなるんだろ。
5、熊とか猪、兎に野犬、動物園から脱走した動物、小鳥、カラス、鷹っぽい鳥など、出会ったら無警戒状態。
あっさり近づける。熊をぎゅっと抱きしめても平気だったことには感動した。
むしろもっと触ってほしそうだった。
好かれているけれど、おらに会うために来ただとか押し寄せてくるなどといったことは起こってない。
おらから近づかなければいけないみたい。
神様パワーでそうしてるんだと思う。
そうじゃなかったら問題だらけになってるからね。ありがとう神様。
次。
6、頭が良くなる。これ、外国で飛び級しました。大学卒業・・・。
日本に帰ってきたら中学校に編入ってなったけど。
一応言っておく。博士号とろうとしたけどそのまえに帰国したんだ。
専門はプログラムと農業。
分野が違うけれど両方ともきちんと卒業レベルを満たしている。
大学ではサークル勧誘でゲーム部に即参加した。
ゲームサイコー!
とくにRPGものは前世を思い出せるからそれなりに好きだ。
前世でTUEEEE!してるみたいで!
閑話休題。
学力とか研究とか論文的なものではかなりのレベルになっていた。
ただし、日常生活とかにおいては前世どおり。
どういう区別の仕方なんだろ?
次。
7、寝れば疲れが取れる。文字通り。
筋肉疲労も精神的疲労も全ての疲れという疲れが取れる。
起きたらいつでも絶好調!
目覚めたときに不調になったことなど一度もない。
つまり、
大怪我をする→2・3の願いの効果もあり全力で回復していく肉体→それに伴う疲労が肉体に蓄積→寝ると疲れ無し→2・3の願いの効果もあり全力で回復していく肉体。
ループ完成!
ということが出来る。するとだな、大怪我しても常人の半分ほどの入院期間で退院だよ!
当然、この体質も検査されました。再び血液提供とか細胞提供とか骨髄提供とか医学のためと言われて提供することに。
一月一度血液&細胞、二月に一度骨髄って。
もちろんこっちにも賃金発生。
・・・いろいろな研究組織とか人体実験奨励国とか狙われてます。
頭脳、肉体、動物、三つもあったら当然狙うよね。
PCからその国ハッキングしていろいろ握らせてもらいました。
中学校にいるはずなのに中学生だって事忘れるよ・・・。
中学校のほうには経歴とか体質とか隠してるので問題は無い。
教職員の中にボディーガード混じってるけどね!
国が雇ってます。
・・・神様、確かに願ったのはおらだけどもやりすぎだと思います。
まぁ、両親や兄弟とも仲良いし、友達もいてとても幸せだよ。
でもこうも厄介ごとがあると・・・ねぇ?
パルクールしてるときとか大人が俺の後を一生懸命ついてこようとして足踏み外してたりするのは面白い。
足を乗っけるのはしっかりとした足場の上にしましょう。
まぁ、踏み外したりすること配慮して高さなんてせいぜい2~3メートルまでしか使ってないけど。
一言いいたい、毎回同じようなルート通ってるんだから付いてこようとしなくても・・・。
こんな日常送ってます。
いろいろ厄介ごとあるけど、成功者として人生楽しく生きてます。
けど、最近はネット小説を読むことと物作りにはまってます。
やってしまった。小説に書いてあった機械が欲しくなって思わず作ってしまった。
『○○○○○~』と道具名を語尾を延ばしながら言う青いロボットのポケットから出てくるような面白機械じゃないよ。
ゲーム関係の小説によくある、VRというものだったり。
公表先延ばしにしよ。おらの他に誰も手を出せないようにしてブラックボックス作っとかないと戦争に利用される。
VR本体の8割ブラックボックス化できたし、プログラムの方も7割型ブラックボックス化して、のこり3割のうち2割はダミーと複雑化と特性ウイルスをたんまりと仕込んだからこれで大丈夫。
パスワードを知ってればウイルスは回避できるようにした。
ただ、パスワードを打ち込まずに調べようなんてすると・・・。
戦争利用するやつには絶対に利用させん!
おらが発表する前に遊びに来てた兄弟にばれました。兄さん・・・。
いろいろいじくってたらパスワードとか一回で通ったりしてなんかカチャカチャやってたとか。
おらの一週間を返せー!兄さんが変更した部分一週間もかかったんだぞ!
済まんといって軽い感じで謝られました。
変更したのはVRの土台ともいえる部分。
これじゃ現実との身体に差異が出来てしまう!
それから見てみろと言われてのでプログラムを見てみたら・・・
RPG系統の骨格出来上がってました。
・・・高校生でおらみたいに飛び級してないはずだよね?
なんでVRのRPGプログラム組めるわけ?
中学卒業してからプログラム始めたとか言ってなかったっけ。
おらが教えたんだけど。どうしてこうなった。
変更した部分もそれで納得。
おらもRPG骨格が出来ているならと乗り気になり、二人してVRMMORPG作ることになりました。
二年がたってかなり作りこめたので試しにプレイ。接続バグが起こってた。
意識ごと切断されて植物状態になるかと思ったけれどそんなことも無かった。ギリギリ。
おら以外だったら多分植物状態になってた。
神様印の健康な身体すごい。こんなことまで・・・。
物凄く心配して号泣した兄さんには転生のこと話すことにした。
逆異世界転生乙とかいわれた。
現代適用チート乙とも。
あっさりと受け入れられすぎて呆然とした。
そしたら説明された。
え?だって俺もその恩恵うけてるしw
その程度の許容楽勝ですしおすし。とか。
いや、こういうときにオタク性発揮しなくてもいいからな?そう言ったんだ。
そしたら、
VRMMORPG、オタクの俺が目指さないわけ無いだろ?
俺がGMとか最強!公認チート成れるじゃねぇか!
んで、フェンリルとかのモンスターは当然としてレーヴァテインとか魔法少女とか|(略)ケモノとか獣人とか!
スリスリしてクンカクンカして|(略)ペロペロしたり!
すーはーすーはー|(略)伝説の剣のきらめきとかにうっとりして、もふもふなケモノにモフモフして|(略)ペロペロしたり獣人を|(略)クンカクンカしたいお!
うあああぁあぁぁぁ!|(略)
らしいです。ドン引きしました。
おらにプログラムを教わっていたのもこの日のためだとか。
おらはその言葉にフリーズしたよ。兄さん予知しやがった。
俺はモフモフや伝説の剣やモンスターや|(略)獣人やエルフや魔法少女やドワーフとか
のファンタジーものや|(略)生産や|(略)や流通、経済や戦闘、誹謗中傷のためなら限界なんて軽く超える!
とか言ってる。誹謗中傷のためってオイ。どういうことだ。
兄さんマゾでした。同時にサドでもありました。
ついでに流通とか経済とか、現実でも通用するほどの腕持ってました。
何・故、それを生かさない。
俺の目指すものはオタクだから。夢もオタクであり続けること。オタクの中のオタクを目指す!
と言われたとき、諦めるしかないと悟ったんだ。
兄さんも十分チートだと思う。全然生かす気ないけど。
それから一年。バグ取りや修正、クエスト考案やマップ作成、ゲーム難度設定や現実をどれだけ反映するか、システムの自由度、スキルアシスト範囲などなどさまざまなものを設定した。
そしてテスト、リトライ、テスト、修正、最終テスト、零版テスト、αテスト。
おらが必ずテストプレイヤー役。
兄さんがチートはこういうときに使わなきゃな!とか言ってたけど、絶対おらの行動をモニターで見てニヤニヤしてるんだろ。
とうとうVR作成開始から四年。MMORPG作成開始から三年目。
ベータテストまでたどり着いた。
チートなければ無理だと思うことが何度もあった。
ちなみに、未だに情報は表に一切出てない。
さすがの兄さんでも自慢とかで言いふらしたりしなかったか。
なんか、兄さんがベータテスターつれてくるって言ってたからおらは待機中。
兄さんはネット告知無しで口コミのみで広めることを検討してる。
政府とアメリカは・・・イギリスの諜報とロシアの・・・とかぶつぶつ呟いてた。
いや、兄さんが開いてるその画面各国のハッキングで奪ってきた情報のやつだよね。
何故仮想敵国に日本を入れてるんだ兄さん。兄さんも俺も日本人だろ?
祖国が敵国☆なんて胸熱展開。とか言われました。
・・・・・・。
ベータテスト開始しました。テスター?もう一時間前からVRMMORPGの世界で遊んでます。
いや、ナンパ成功するプログラム入れてないからね?
獣耳千切ろうとしなーい!え?千切れケモ耳さいこーだよね?知るか!
そこぉ!剣で穴掘りしない!スコップとか売ってるから!秘境覗きたかった?オイ!
スライムぬるぬるぬめぬめにちゃにちゃありがとうございます?そうする人がいるとは思わなかった!知りたくも無かった!
ブヒヒ、オークたんまっててねぇ~。俺が是非ともテイムしてあげるから!キャラメイクで豚顔どうやって作った!?
紙手裏剣で敵は倒せません!そんなプログラム入れてないのにどうやって紙手裏剣折った!
いや、ごめんなさい。まさか現実の反映でそんな面白いことになるとは思わなかっブフッ。三段腹が胸として反映されるなんてブフッ。
おい!?なんでそんなに上手い影アート作ってんだよ!他にやること無かったのか!
幼女パンツとか見えないの?とかいわれてもそんなプログラム実装する気ありません!
紅き衣に包まれて、純真なるその内を隠し甘いその香で誘惑せしものよ。黄金の蜜をその芯とし蓄えて、禁断とされしその身で我が口を蹂躙せよ知恵の実!とか言ってもリンゴの味覚データは変動しません。それにINT変動もしません。
地面に額をこすりつけてNPCに乞食行為を行っても誰も相手にしないから!プログラムしてない!
そこ!ボスの口の中に剣を立ててつっかえ棒代わりにしない!口を閉じる動作するたびに勝手にダメージ受けてるから回避だけで余裕です。経験値ウマーじゃない!修正入れる!口閉じれないように!
そこ!いくら武器がオリジナルグラフィックを使えるからってそれは駄目だ!アウト!猥褻物陳列罪で逮捕になってもおかしくない! 修正するとき禁止コード入れとく!
なぁ・・・んだと。お前ら!地面掘れるからって木を彫れるからって卑猥な方向に向かうなー!VRを何だと思ってんだー!エロフィギュア作成禁止!
エロが多い。何この集団。つか、後何人いるんだよ。
兄さんまで何かやってるー!いつの間にログインした!
キグルミが本物と遜色ない出来上がりは最高?あ、そう。よかったね。
その本物そっくりのキグルミを改造してのケモノ姦ヒャッフー?即アカウント停止!
自分縛ってソロ束縛プレイ?追加で狼系のモンスターの前?ああそう。もうその程度どうでも良くなってきた。
ロープで自分とモンスターを結んで無理やり騎乗?よくやるねー。ロープに耐久度入れとく。元気なモンスターに使うとガリガリ減る感じで。
素っ裸そっくり防具?削除。エロに行くな。禁止禁止。
ギルド掲示板の依頼書作成機能の中の一つ、お絵かき機能を使ったGL・BL・獣・ロボット物書いてんの誰!
あ、パルクールやってる人居た。いいよねパルクール。女性専用浴場への道を駆け抜けてただけだった!畜生騙された!当然進入禁止エリアで阻まれる。けどあの高さの場所からなら中が見えてしまう!当然修正。
兄さんが連れてきただけはある。変態しかいない。救いはなかった。
神殿の神様像で興奮するな!服を着せるな!マネキンじゃない!禁止!
鍛冶師!金床を紐で縛って即席のハンマーにしない!武器補正とか付かないから!ダメージほとんど無い!ちゃんと鍛冶しろ!
NPCの股下を潜り抜ける遊び?当然修正!だったらNPCの耳元で卑猥な単語を呟き続ける遊びをするだって?当然修正!
カラクリ作って破壊可能オブジェクト攻撃させ続ける?禁止!つか、他の人のクエスト関わってる奴だから!再生成される度に壊すな!
宿屋の引き出し何も入ってない?竜の依頼のゲームじゃない!
牢屋に入って引きこもり中?何のためにVRしてる!罪人でもないのにどうやって入った・・・。
こんな感じでさまざまな問題を次々と出してくるベータテスター達。
エロ関係が7割を占めたのは言うまでもない。
おかげでエロ関係はかなり対策ができた。
数々のエロを知ることにもなってしまったけど。
視線だけでも人間って到達できる領域あるんだね・・・。
致命的なバグも2つほど見つかって正直助かった。
モンスターの内側にモンスターを詰め込んでからその中に突撃ってどういうこと。経験値が一番外側のモンスター×詰め込んだモンスターの数とか。システム、どうしてそうなった。
とある条件下においては防具つけなかったら防御力無限とか。
修正する必要のあるものも見つかったし・・・。
テスター達の問題発生頻度三分に一つってどういうこと。
20人しか居ないのに・・・。
変態のなせる業。オタクじゃないらしい。
兄さんが変態オタクだからオタク=変態ってイメージ抱いてた。
変態=ほめ言葉。
オタク=あんなまともな領域にしか居ないやつらと一緒にするなって。
どういうこと。わけわからない。長時間の説明によって洗脳されかけた。
まぁ、そんなことが有って無事にベータテストも終了することが出来て、ついに発売にたどり着いた。
もちろんベータテスター達は言いふらしてた。
ただしゲームのクエストとかに関することは徹底的に叩き潰させてもらった。ニヤリ。
おらが作ったこのVRMMORPGの世界。実はおらの前世の世界と瓜二つなんだ。そういう風に作った。
完成したときはあまりにも懐かしくて泣いた。
おらの住んでた村はとことん細部まで再現させてもらった。建物の配置から村の位置、立地はもちろんのこと、建物の質、村の周りの森の木々の配置、住んでいるNPCの見た目に名前に性格に口調、出来うる限り再現した。
そしたら村に帰ってきたようででも失ってしまったようにも感じてどうも立ち寄りづらいんだよ。
嫁さんと子供は再現出来なかった。手が止まるんだ・・・。
それは置いておこう。
発売からは半信半疑の人とかも当然いたりしたけど、すぐに世界に知れ渡って公認の物となった。
当然、国とかに利用されました。だてにブラックボックス化してない。ウイルスも効果的に働いてくれているようで悲鳴が後を絶たない。といっても、悲鳴じゃなくて抗議文として来るんだけどね。
え、おらは知らないよ。そっちが勝手にしたんでしょ?何人のせいにしてんのかなー?ニヤニヤ。
何となくだったんだけど、VRに関するテレビの生放送中にデスゲームにするつもりは無いって発表したら参加者3割増えました。
・・・。何も言わない。
そうやって順調にいってた。そしたらね、おらにとって不幸なことが。
異世界に遺してきた嫁さんたちが死んだと。
誰かを守ってその身代わりに死んだらしい。
加護によって制限されてた部分を振り切って助けに行ったらしい。
神様の加護は嫁達にとって振り切れるものだったようです。
その身代わりに助けられた少年。
このことが切欠で世界を救う勇者となる運命になり、その役目を全うしたらしい。
人間の世界という意味の世界ではなく、文字通り星々とかを含む世界だ。
その少年が世界を救ったから、その少年の運命を導いたとして嫁達も多大な感謝を抱いた神様に願いを叶えてもらった。
なんでも、その少年がその運命にならなかったらあの世界は確実に消える運命にあったとか。運命の変更がなされたとか。存在しない運命の創造とか。
そしたらな、嫁たちはおらに会いたいって。
それだけを神様に願ったらしいんだ。
だから、な、こうやって今、目の前に、嫁達が、生きてるんだ。
さすがに親子としての転生はしなかったのか、姉弟となっておらに会いに来てくれた。おらが先に死んだのに時間すら越えて同じ年に生まれたんだ。
出会ったのはVRMMORPGの中だ。
一目見たときから確信に近いものがあって今こうして現実世界で会うようにしたんだ。
よ、嫁。息子。ありがとう。本当にありがとう。おらは向こうで先に死んだときお前達に何も残せなかった。何も与えることが出来なかった。不幸にしてしまった。すまない。けど、こんな不甲斐ないおらの嫁になってくれてありがとう。息子として生まれてきてくれてありがとう。
嫁も息子も、前世で先に死んだことを許してくれた。
そしてな、こう言って来た。
また、あなたのお嫁さんになってもいいですか。って。
また、父さんの息子だと思ってもいいか。って。
もちろんおらもおらが婿で良いかって、父だと思っても良いかって言った。
そしたら二人とも嬉しそうに抱きついてきた。
おらも抱き返した。
息子だと思ってもいいかって言ったのは息子になるのは明らかに変な関係になるだろうって。嫁の弟を養子だとしても息子にするのは無理があるからって。
そんなことまで考えてたのかこいつ。
嫁とは結婚式挙げました。とても嬉しいといった笑顔で大粒の涙を流してたときはおらも涙流してたみたいだ。
死にわかれて、転生して、再び同じ相手と結婚する。
思った以上に感動は大きくて泣きっぱなしだった。
参列した兄さんにはひやかされたけれど。
TVとか報道はシャットアウトしたから良かった。
二つの世界に誓う。ただ君を愛する。
また三人で生きていこう。
また死が別つ時まで。
これがこの世界に転生したおらの話し。
恥ずかしかったけども、見てくれたか?おらの幸せ。
VRMMORPG
バーチャル・リアリティ・マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲーム。
簡単に説明すると仮想現実空間をつかった大人数同時参加型RPG。
R指定入れなくても大丈夫だよね。
そしてハッピーエンド。