二十七話 Miss Blue
「姉ちゃん。紅葉もここか?」
紅葉が楓の部屋でベッドに寄り掛かりマンガを読んで居ると、ノックと葉月の声が聞こえた。雑誌から顔を上げた楓が応える。
「うん、紅葉ちゃんも居るよ」
「お風呂空いたからどっちか入んなよ」
「うん、ありがと」
「ありがとう」
ドア越しに簡単に会話を済ませ、葉月の小さな足音が遠ざかっていった。
「紅葉ちゃん入るでしょ?」
楓が声を掛けると紅葉はコミックの入った袋を持って立ち上がりながら返事をする。
「うん。お姉ちゃん」
「うん?」
「ゆずちゃん、すっごくかわいい」
袋をしっかりと両手で抱え振り返った紅葉の瞳はそれはもうキラキラと輝いていた。どうやらいろはの少女マンガは大変お気に召したらしい。
そんな紅葉に楓は親指を立て良い笑顔で応じ、紅葉はニコニコと笑いながら着替えを取りに、そしてマンガを置きに自室へと向かうのだった。
風呂から上がり、リビングで冷たい牛乳をコップ一杯飲み干した紅葉は、タオルを首に掛けるとポニーテールを揺らしながら階段を上り、楓の部屋のドアをノックしながら声を掛ける。
「お姉ちゃん、お風呂空いたよ」
「うんわかった。ありがとね」
「ううん」
「……紅葉ちゃん」
ドアを挟み会話を交わすと、紅葉は自室に戻ろうと向きを変えたが、楓から呼び止められその場に止どまって振り返った。
「うん?」
「どうせ分かる事だし、言っておこうかなーと」
「? うん」
楓が何を言いたいのか分からず首を傾げていると、本人がドアを少し開け顔を覗かせた。
「メンテ、まだ終わってないよ」
楓の言葉に紅葉は目を見開いてほんの少しの間固まったが、やがて小さく息を吐き肩を落とすと、そっかーと呟いた。
そんな、思った以上にショックを受けた様子の紅葉を見て楓も驚いていた。これまでも稀にだが今日のような緊急メンテナンスはあったが、こんなリアクションを見たのは初めてなのだ。
「なんでそこまで?」
「だってあと一%(ぱー)なんだもん。ハイン遺跡の入口に着いたタイミングでメンテのお知らせだし……、もやもやーっとするんだもん」
少し幼い言い様に苦笑いする楓に、紅葉も恥ずかしくなったのか、湯上りで仄かに染まった肌を更に赤くすると、もじもじしながら話の流れを変えようと試みる。
「えっと……、そ、それにメンテ長過ぎだよ」
しかし変えられない。
「まぁ、延長はいつもの事だよ」
「う、うんそうなんだけどね……」
「うーん……、確かに延長はないに越した事ないけどね。でも魔法少女おんらいんって月額課金制だからかな、仕事早い方らしいよ」
「そうなの?」
他のネットゲームの事情は、気分転換にβ版に参加したプレイヤーに聞く程度なので殆ど知らない。紅葉は首を傾げた。
「らしい。私も詳しいってわけじゃないけど。サーバーは強いしバグは修正されやすい、結構マシな運営っぽい」
「そーなのかー」
そんな会話を交わすと紅葉も納得したのか、今度こそ部屋に戻るとベッドに座り、タオルで濡れた髪の毛の雫を拭き取りながら先程の話について考えていた。
(ちゃんとしてるって事だもん、あんまり恨み言言っちゃダメ、だよね)
少しだけ大人に、成長したのかも知れない。がしかし、笑顔でコミックの二巻を取り出す姿を見るに、単に暇を潰す道具があるから心にゆとりがあるだけなのかも知れない。
(なかなか良い運営。そんな風に考えていた時が私にもありました)
椅子に座った紅葉はモニターを覗き込み一点を見詰めいる。モニター上には紅葉がコミックを一冊読み終える度に確認している公式ホームページが表示されており、そこには緊急メンテナンスの終了を告げる文章が表示されているのだが、それを見詰める紅葉の目は心なしかいつもの紅葉らしくなく据っているように見える。何故かというと、その文章の後半に問題があった。
(ロールバックって……、外部の不正アクセスってどういう……)
ロールバック、つまりゲーム内の時間が巻き戻されたのだ。コンシューマーRPGでいうところのセーブせずに以前のデータをロードするようなもの。緊急メンテナンスの原因が発生する以前のデータに戻したという事である。
(6/13の02:00っていう事は完全に家に戻ってるよ……)
紅葉が昨夜眠気に負けてゲームを中断したのは日付が変わってから約一時間後。そして現在は6/13の夜。つまり昨日の狩りの成果は守られたが本日ひたすら走った一時間足らずは無かった事になったのだ。多少はへこみもする。
この結果に、暫くの間本日何度目かの天井を見上げた姿勢でぼーっとしていた紅葉だったが、ゆっくりと再起動するとブラウザを閉じて【魔法少女おんらいん】を立ち上げた。
(よく考えたら半日以上ロールバックしてるんだし、一時間しか影響のない私はマシなんだよね、たぶん。正直やる気は下がったけどレベルだけは上げきろう、うん)
紅葉はこの事態をポジティブに考える事にした。実際かなりマシな例だろう。レアドロップが消えるわけでも十時間分の狩りデータが無くなったわけでもないのだ。
本日は日曜日。そういったプレイヤーも少なからず居る筈なのだから。きっと外部の巨大掲示板は加速している事だろう。
(って買い物からか)
が、直ぐに、フレンドリストを開いたりといったログイン直後の、いつも通りの行動をしていた紅葉はインベントリの中身が整理されていないのを見て、溜め息を吐く事となった。いつもは特に気にならない作業がなんだか面倒臭く感じる紅葉なのであった。
《聞いてよスクルたーん》
仕方ないかと気を取り直し、残して置くドロップをアイテムBOXに仕舞い、続いて買い物に向おうと拠点の酒場から出たスクルトの元に人斬り二号からwisが届く。
(ロールバックの事かな?)
何せこのタイミングだ。予想し易い。紅葉は返事を打ちながらスクルトもショップへ走らせる。
《どうしたの?》
《ロールバックで 稼いだ経験 5ぱー近く失ったぜ……》
《あらら……》
人斬り二号のレベルはスクルトより一つか二つ上だった覚えがある。五%といえばなかなかの狩り時間になるだろう。
《それはキツいね》
やっぱり自分はかなりマシだと改めて思いながら返事をする。
《うんむ スクルたんはどだったの?》
《二号さんと比べるのは非常にあれなのだけれど、昼過ぎにインしてハイン遺跡の入口に着いたタイミングでメンテのコール》
《オフウ それはそれで地味にくる……》
《地味だけどね》
確かに地味だ。なにしろ障害物を避けながら唯々西へ向かって走っていただけなのだから。だがその行程の面倒臭さを知る人斬り二号には、何もなくて良かったね、で済ます気にはなれなかった。
《ハァ 来週からは水泳始まるし テンションは仄暗い水の底ですよ》
《あ、二号さんも来週からなんだ。私も》
《そなの?》
《うん。全国的にそろそろなのかな……。二号さんは水泳苦手なの?》
《んー 苦手というかなんと言いますか》《そもそも体を動かす事が好きじゃないと言いますか》《体育の中でも水泳って体力使うから嫌と言いますか》《マラソンと違ってうちは雨でも中止にならないのが嫌と言いますか》
《よっぽどだね》
細かく切りながらどれほど嫌か語る人斬り二号に、モニターの前で紅葉も苦笑いしながら応じる。どうやら相当嫌らしい。
《うみゅ 夢も希望もないんだよ》
紅葉はこの場に居ない人斬り二号が肩を落とす姿を幻視した。
《まぁそんなわけでして ちょいと憂鬱なワタクシは早めに落ちますわ》
《はーい》
《バイバーイ》
《バイバイ》
wisを終えると、人斬り二号がログアウトした。
(まだ九時過ぎだし、珍しい……、ロールバックの事もあるけど、本当に嫌なんだろうなぁ)
見ようによってはテンション高めにすら感じられた人斬り二号のチャットだったが、自棄だったのかも知れない。
(よし、二号さんより全然マシなんだし、一%くらい稼ぎますか)
人斬り二号のログアウトを見送った紅葉はコントローラーを握り直すと、残り一%を稼ぎに狩場へ向かうのだった。
◇
翌日の月曜日。二限目と三限目の間の二十分休みに、紅葉は黒の手提げ袋を持って渡り廊下を歩いていた。
周囲には紅葉と同様に手提げ袋を持った少女たちが何人かのグループを作り、お喋りをしながら同じ方向に向かって歩いている。
少女たちの手提げ袋は統一されていないが、どれもそれほど派手な色や装飾の付いたものはない。学園指定の物ではないのだが、色についてはある程度指定があったからだ。
その中身は三限目の水泳の授業で使用する水着のセットである。現在少女たちが向かっているのはプールというわけだ。
暫く歩くとやがて中等部の校舎の端に辿り着いたが、小さなアーチの掛かった渡り廊下はまだ先まで続いており、紅葉たちはアーチから外れないよう先に進む。それは廊下から外れると土で上履きが汚れるという事もあるが、昨日に引き続き小雨が降り続いているからでもある。
(またね、中等部。お久し振りです、高等部)
紅葉は心の中で呟くと、よく注意して見なければ気付かない程小さく頭を下げながら、アーチの外に敷地を区切るように植えられた背の低い垣根を越えた。ここからは高等部の敷地だ。
ミノア女学園中等部の敷地内にプールはなく、授業では高等部のプールを使用している。正確にはある事はあるのだが老朽化から現在は閉鎖されている。
当然同じ時期に高等部も水泳の授業は行われるので、プールの使用率は大変高い。その為中等部は普段二クラス合同で行われている体育の授業は三クラス合同となっており、この時期は特別な時間割りが組まれている。
先程まで元気良く大声で、とまでは言わないが、それなりのボリュームでお喋りしていた少女たちの話し声は、垣根を越えるとピタリと止んだ。上下の関係に非常に厳しかったりはしないが、自分たちがお邪魔している自覚があり、普段から教育の行き届いた、そして改めて朝のHRに担任教師から注意されている少女たちは高等部ではしゃいだりはしない。
しかし、同じく休み時間中でそれなりに賑わいのある高等部の敷地を無言、もしくは小声で会話しながら進む制服の集団というのも、少し違和感があった。
高等部の敷地に入ってそれほど歩かずに目的のプール場に辿り着いた。
共同で使用するからか、それともただの偶然か。中等部寄りの場所にあるのだ。どちらにせよ中等部の少女たちには有り難い話である。
プール場の外観はコンクリートの打ちっぱなしのシンプルな造りで、明かり取りの窓が建物の上部にあるが側面に窓はなく、外から中の様子を窺うのは困難な造りの屋内プールだ。
中等部の少女たちは更衣室の最初の扉を開くと、中の右に大きく迂回する通路を進む。そしてその先にある二つ目の扉を開いてロッカーやプラスチック製の椅子が並んだ更衣室に到着すると、漸くいつものように喋りだし、皆思い思いの場所で仲の良いもの同士で集まって会話をしながら、しかし手早く着替え始めた。
紅葉はというと隅に寄り、巻きタオルで身体を隠しながらこそこそと着替えるのだった。
◆
「ハァ……ハァ……」
紅葉は平泳ぎでコースの中央に着くと、プールの底に二段重ねで置かれた台の上で息を整えていた。
(やっぱりキツい……)
紅葉はコースを仕切っているロープをくぐり、緩慢な動きで台の上を歩きながらプールサイドを目指す。
近年改築されたばかりのプールは全長五十メートルに全八コースと広く、水泳部も使用するプールの深さは学年でもかなり背の高い紅葉でも足が着かない程深い。しかしあまり泳ぎの得意でない生徒は当然居り、そういった生徒たちの足が着かないプールに対する恐怖心は強い。
そこでミノア女学園のプールは、端の一、八コースが浅く、その隣りの二、七コースが一、八コースに次いで浅いという仕組みの所謂段階水深プールのようなものを、水底に台を置く事で作っている。
その台を授業で使用する五十メートルの中央、二十五メートル地点にも置いてあり、今はそこを歩いて戻っているというわけだ。
(私も端で泳ぎたい……)
三クラス合同という事で見学者はいつもより多い約十名居るが、それを除いても生徒は百名近い。並んだ飛び込み台の前で、生徒たちは泳げる距離と身長によってコースを分けられたが、紅葉の身長は今尚成長の終わらない百六十五センチオーバー。女子中学生としては高く、身長順に並ぶとかなり後ろの方に来る事になる。多少背が高くとも足が着くわけではないのだが。
そして一応、二十五メートル泳ぐ事のできる紅葉は文句なしの四コース、中央である。
(というか本当、二十五メートルギリギリなんですけど。ちょっと申し訳ない)
紅葉は少し肩を落としながら飛び込み台で順番を待つ生徒たちの最後尾に並んだ。蛇足だが、授業で飛び込みはやらせていない。
中央の四、五コースとその隣りの三、六コースには身長とある程度泳げる生徒だけでなく、泳ぎの得意な生徒も集められている。一応泳げるだけの自分が邪魔になっていないかと気にしているのだ。
尤も、紅葉のように泳げるだけという生徒も多いから紅葉一人の影響でペースが乱れているという事もなく、また、他の泳ぎの苦手な人の集まっているコースともペースを合わせて授業は進んでいるので問題はないのだが、やけに速い同じコースの少女たちを見て一人ハラハラしていた。
(あぁ、長谷部さん超速い……)
今まさに隣りの五コースを泳ぎ始めた真希は伸びのある潜水で距離を稼ぐと、その小さな身体で紅葉と同じ泳法とは思えないスピードでぐんぐんと泳いで行き、あっという間にコース中央に辿り着いた。
その光景を見詰めていた紅葉は小さく溜め息を吐く。
(長谷部さん小さくて可愛いのに、どうしてあんなに速いんだろ……)
紅葉には真希の泳ぎはエンジンを積んでいるのではないかとさえ思える程の速さだ。が、速さに可愛さは関係ない。
(そもそも私浮ないんだよ、ね……)
先程より心なしか大きな溜め息を吐いて横目で数人の生徒を見渡し、自身の身体を上から下までじっと眺めると、胸に両手を当て再び大きな溜め息を吐き、肩を落とす。
そこはなんというか、あまり起伏に富んではいない。というよりも全体的に大変細い紅葉なので、そこだけ付いていても変な話ではあるのだが。
(お姉ちゃんはあるんだよ。なんでだかあるんだよ……)
そう、変な話だが手足や腰回りは変わらないのに何故か楓には多少胸があり、他の生徒たちの水着姿を見ていた紅葉の頭の中にはその事が思い浮んでいる。
(なんで。どこで差がついた? むむむ……)
考え事を始めた紅葉は周りが見えなくなり、無意識の内に胸に当てた手を軽く、ふよふよと動かしながら前を見詰めていた。その手は再び順番が回って来て教師から声が掛かるまで動いており、声を掛けた教師は少々気まずげだった。
しかし気付いたら順番の回って来ていた事に焦っていた紅葉は気付かない。恐るべき天然である。
ちなみに普段から注目度の高い紅葉、その無意識の行動を多数の生徒に目撃されていた事にも運良く、おそらく運良く気付く事はなかったのだった。
◆
(ふー……)
水泳の授業が終わり制服に袖を通した紅葉は、巻いていたボタンタオルに濡れた水着とスイミングキャップを包んで手提げ袋に仕舞うと、タオルを取り出し髪の滴を拭き取っていた。
(初日からすごくハード)
過去これまでの水泳の授業では、後半十分か二十分程度自由時間にあてたり、軽いレクリエーションのようなものをする事が多かったのだが、初日は着替えの時間が考慮され五分前に切り上げられたものの、ひたすらクロールと平泳ぎ、背泳ぎの繰り返しという少女たちには割とハードな内容だった。
(髪どうしよう、かな……)
紅葉の普段している緩い三つ編みはそれほど手間ではないのだが、より早く済むならそれに越した事はない。何故なら次のクラスが来る可能性があるからだ。紅葉たちがそうであったように、準備に手間の掛かる水泳の授業はいつもより早く行動する生徒が多く、そしてそれが高等部の生徒の可能性もあるので、ヘタレな紅葉でなくとも避けたいと考える者も多いだろう。
(ポニーテール……、は微妙かな)
なにが微妙かというと、今まで学園でした事がない事がである。乾くまで普段お風呂上がりにしているポニーテールが気楽且つ乾き易いのだが、髪型の変化に聡い女子中学生たち。無難……、なつもりの紅葉は絶対ではないが、あえてしようとは思わない。
結局編みはしないが左右に二つ、簡単に結んでお下げにすると、いつも三つ編みでしているのと同様、肩に掛け手前にもってきた。その際スポーツタオルを肩に掛けて制服が濡れないよう、ちょっとした工夫も忘れない。
(よしっ)
髪を結わえた紅葉は手提げ袋を抱え更衣室を後にする。その足取りはいつもと比べほんの少しだけ速かった。
他の中等部の少女たちに紛れ、高等部と中等部を繋ぐ渡り廊下を紅葉は歩いていた。プールで高等部の生徒との接触もなかったからか(別に難癖をつけられたりするわけではないのだが、単に年上に対して気後れする)、いつも通りの、他の少女たちと比べ少しゆったりとしたペースに戻っている。
ちらりと横目で、相変わらず降り続いている小雨を見ながら歩いていた紅葉の視界に、二人の少女が映った。その二人の、紅葉から見て手前の少女が口元に手を当てて小さく欠伸をすると、奥の少女にはにかんで笑った。
(午後の授業は眠そうだなぁ)
紅葉がそんな事を考えながらその二人をなんとなく目で追っていると、自身の前方五メートル程の位置を巴が歩いている事に気が付いた。その姿はなんだかいつも以上に気怠げに見える。
(水泳――、というか体育全般好きじゃなさそうだもんなぁ)
そんな事を思いくすりと小さく笑い、ちょっとした事に気付く。
(あぁ、そっか。三クラス合同だから六組も居るんだ。二十五メートル泳ぐので頭が一杯だった)
正確にはそれと身体の一部についてもだが、それは置いておく。水泳の授業は四、五、六組の合同なので、六組の巴も珍しく授業で一緒になる。
授業が終わるまで気付かないのは、考え事をしていると視野の狭くなる紅葉らしいといえばらしいが、百名も同じ水着、同じスイミングキャップの少女たちが居れば仕方のない事かも知れない。
(いつか自由時間のある日、話し掛けてみよう、かな……)
紅葉にしては積極的な事を考えると、水泳の授業が少しだけ楽しみに思えてきて、微かに頬が緩む。
(水曜日、早く来ないかな)
ほんの少し先の事を考えながら、三年六組の教室に入って行く巴の後ろ姿を見送る紅葉であった。




