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アルティメイト ~最凶な世界でもエンジョイライフ~  作者: ちょばい


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20.ピエロの勧誘

【???視点】


「言っとくけどあんたにとっては面白くて、私にとってはしょーもないってオチはナシだからね!」


私は女装男の手をとった。途中で手を離されるとか、そういったイタズラもなく引っ張り立ち上がらせてくれた。


「大丈夫大丈夫、この先の君の頑張り次第もあるだろうけどね。さあみんなが待ってるからおいで」


そういえばコイツ他の2人は捕まえたって言ってたな…あの2人も捕まったのか。


私は女装男について歩く。私の罠のネバネバは取らなくていいのだろうかそのままだ。


「ああそうそう、君達含めて14人ね。僕が捕まえたのは。それ以外はみんな逃げたか、牢で引きこもってるよ」

「はあ?逃げたやつもいるの?」

「そりゃあね、売れてたら捕まえるけど売れなかった奴らはいらないから」


なんだ…私は、私達は商品として売れたからこうやって捕まえられただけで、もしも誰にも買われてなかったのならそのまま逃げれてたんだな…ってか。


「結局人に売られるだけじゃない!」

「まあそう悲観しないでって。後でみんなのところでしっかり説明するけど。簡単に言うと僕達の仲間になれるかもって話さ」

「…あんた、仲間がいたの?」

「そりゃいるよ。みんなとっても面白いんだよね!」


こんなやつ危ないことするやつに仲間がいる…?そいつらも十分に狂ってそうね。









「さあ、ここのボスの部屋だった場所だよ?入ってどうぞ」


派手派手ピカピカなドアを開け私は入る。中には私と同じ歳くらいの子供達が待っていた。さっきまで一緒に逃げていた子もいる。


男の子の方は壁に寄っかかってこちらを、バツが悪そうに見ていた。そして女装男の顔についたネバネバを見てギョッとした顔になった。


女の子の方は食べ物を貰ったのか一心不乱に何かを食べている。


私もとりあえずその辺の床に座った。

うわ、椅子や机、壁が血まみれになってる…


女装男はスタスタと歩き豪華そうな、そして、血まみれになった椅子に腰を掛けた。


「さて、集まったとこで、みんなのこれからを軽く説明してあげよう。ああ、話を聞いてくれるのなら自由にしてていいからね。礼儀なんて不要さ」


そう言われてもなんとなくかしこまってしまうな…


「まずは自己紹介しようか。僕はピエロって仲間から呼ばれてるんだ。特技はそうだね…手品が得意なんだ!」


そういうと手を叩く。

机の上のランプが膨らみ破裂した。

それを見ていた、壁に寄っかかった男の子が言う。


「…最初からランプじゃなくて風船にすり替えてたんだろ?」

「そうだよ?手品にはタネがあるからねそういうもんさ。まあ、ここを落とすためのタネは1年くらいかけて仕込んでたんだけどね〜」


ニヒヒと笑いながら狂気じみたことを言ってる…1年って…


「じゃ、さっそく君達のこれからの説明をするからね?質問は最後に一人一個まで受け付けるよ?静かに聞いてね」


ピエロと名乗った女装男が説明を始めた。まとめるとこんな感じだ。


私達はどうやらコイツの仲間に売られるらしい

売れたのにはピエロ自身も驚いたという。そういう、人身売買とかに興味がないばかりの奴らなはずなのに…


買った仲間に理由を聞いてみると、【自分も弟子が欲しい】。そんな理由で売れたと…こいつの仲間内では弟子を取り育てるブームがきてるとか…どんなブームよ…


そして私達…女性は性玩具…的扱いはされないだろうということだ。このピエロの所属する組織は極悪人も多いらしいが、そういうことをするやつだけはいないという。変なとこは真面目ね…


「さてさて、こんな感じかな?ちなみに僕から見ても君達は才能があると思うよ?努力次第では本当の仲間になれるかもね。じゃあ質問どうぞ」


Q.その師匠は人格的には大丈夫なの?

A.人によるかな?でも買った人達は…怪しい奴や変な人もいるけど基本的に優しいんじゃないかな


Q.食事はちゃんと出ますか!

A.出るよ。食うのに困るようなやつは僕らの仲間にはいないからね


Q.才能があるってどんな才能?

A.師匠になる人に聞くといいと思うね。君達の才能を見出したのは買った僕の仲間だからね…写真だけで



他は無難な…自分の待遇とかの質問だった。

そして私の番が来た…


Q.あんた達の本当の仲間になる条件って何?

A.僕達のトップ、姉御に認められるってことだね。最低限でも一人で前線に行って帰ってくる。これを余裕でできるのが基準かな?


それって…人間の中でもバケモンみたいなやつしかできない芸当じゃない。そんなのが何人もいる組織って…とんでもないわ。







「はい、これでおしまいだね。他にも聞きたいことはあるだろうけど、それは君達を買った人に聞くといいよ。はい、解散!この施設から出なければどこに行ってもいいよ。ああ、74番の君は残ってね」


…私の、捕まった時に付けられた番号だ。話って何?ネバネバ罠の文句?そんなわけはないか。


コイツはふざけたやつだけど、自分の組織に対してはかなり忠実に従っているようだ。説明もきちんと丁寧にしてくれたし…意外と。


みんなが部屋から出ていく。

そして顔の前に手を組み、少し真面目そうな顔をする…ネバネバ固まってるわよ?


「君を買った僕の仲間なんだけどさ…実は僕達の組織の中でも一番ヤバい男なんだよね」

「…へぇ?それを先に教えてくれるのは優しさなの?私にはどうしようもないんじゃない?」

「いや、君が嫌なら諦めるって言ってたから拒否権はあるよ。どうする?」


私は少し悩む…が情報が足りないな。

できる限り簡潔に聞いてみることにしよう。


「買われるメリットとデメリットを教えてほしいわ」

「いいよ」


まずメリットは、間違いなく私の成長に繋がり間違いなく強くなるだろうということ。ピエロの言っていた条件もすぐに満たせるようになるんじゃないかなという。マジで?メリットとしては破格だ。

ついでにそいつは面白い人物で友だちになる分にはいい奴だと。そして…


「デメリットは…アイツの弟子になったら間違いなく君は賞金首の仲間入りさ。世界中から命を狙われることになるだろうね。シェルターには二度と近寄れず、バウンティハンターに絡まれまくる人生が待ってるよ」


ちょっと待って!それってどんなやつよ!

えっ?あれ?心当たりがあるけどもしかして…



「…もしかしてトラッパーって呼ばれてるやつ?」

「そいつ」

「ええ…ホントに?あんたらの仲間なのね」

「意外でしょ?」




トラッパー:賞金2億5000万エルン

人間をもっとも殺した人間として外では超有名人だ。数々の名だたるバウンティハンター達も、奴に挑むことだけはしない。挑んだ奴はもれなく返り討ちになっている。


そんな最低最悪な人間に私が弟子入りできるって…面白いじゃないのよ!


「ふふふ…いいわ!上等じゃない!やってやるわ!」

「お?やる気だね」

「賞金首になっても強くなって全員返り討ちにしてやればいいのよ!師匠みたいにね」

「それくらいに強くなったら間違いなく僕達の仲間になれるだろうね。楽しみに待ってるよ。そうだ、君の名前を教えてくれないかな?」

「私の名前?まあ、誰かが付けたってわけじゃないけど【???】って名前を名乗ってる……わ……」


私が名前を言った途端、何故か空気が張り詰める。ピエロは目を手で覆い、口は…三日月のような笑顔になった。


「す、凄いな…なんてことだ…ダ、ダメだ…自分から発信するのは…ダメ。サインか。サインが一番……」


そして突然何かブツブツ言い始めた。ちょっと、いやかなり怖い。


「ご、ごめんね?今ね、我慢するのでいっはいなんだ…笑うのを」


わ、笑うの堪えてるの?私の名前そんな変な名前じゃないんだけど?普通にその辺にいる名前なんだけど!


「私の名前がどうしたのよ…」

「とりあえず僕的にはその名前は大事にしてほしいな。これは運命だよ。君はトラッパーの弟子になることがまるで最初から決まっていたみたいだ」

「私…運命とか神様とか信じてないんだけど?」

「そうだね。僕だって信じていないさ。でもこれはそういう類の偶然だと思うよ。じゃ、トラッパーにOKって連絡しとくからもう行っていいよ」


私は部屋から出た。

部屋の外には最初に一緒に逃げてた2人が私を待っていてくれていた。

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