16.無双
【リベンジャー】
「オラオラオラ!こっち来いよ!」
俺は地面を踏みつけワームを自分に集める。ワームは音で獲物を探すからこれが一番手っ取り早い。
そして空いている左手で鎌を握り鎌を地面に向けて振るう。鎌の刃はすり抜けるように地面に入り、地面の中にいるワームを殺していった。
「凄い!かっこいい!」
肩に乗ったルナがキャッキャしている…
(そうか…かっこいいか!)
調子に乗った俺は鎌の隠し機能を起動した。鎌の刃が赤く光り、左手で鎌をクルクル回すと刃が通った宙に少しの間赤い残像が残る。
「オオオオオオオオ!」
真下からの攻撃を諦めたワーム達が勢いをつけて地面から飛び出し、俺の方に突っ込んできた。そして赤い残像に触れると真っ二つになって地面に転がる。やっべ!血と内臓が超飛んでくる。
「ふおおおおお!」
ルナのテンションが上がった。女の子が血まみれでテンション上がるのはどうなんだと若干思わないでもないが、楽しいのならいいということにしておこう。
しばらくワームをこの方法で仕留めていくとワーム共の攻撃が止まった。
全滅したわけじゃない。ゆっくり俺の攻撃範囲の外を回っている。
(気になってはいたが、こいつら【考えて】やがるな?)
前の巨大ワームの戦いにも俺は参加していた。そしてこのワームを大量に仕留めている。その時から気になってたが、このワームは恐らく思考できるタイプのやつだ。
自分で考えて対策し工夫して攻撃してくる。まあ、あの戦いでは俺達が強すぎて為す術がなかったけどな。
「ケケケ、でも逃げるって選択肢を選ばないのは生物兵器らしいよな」
ワーム達の動きが止まりゆっくりと地面から出てきた…体に手足が生えてる。ただ、手の部分が槍みたいに尖っており、刺さったら痛そうだ。
それぞれの体格的を見るに、さっき捕食したチンピラ共を自身の体で再現しているのであろう。面白くなってきたじゃねぇか!
「お前らも成長してるってこった!初めてのタイプだな!」
「だいじょうぶ?」
「大丈夫だ!」
人型ワームの姿が三重に見えるけど大丈夫だ。こんな状態で戦い続けるのは別に初めてじゃない。長く戦ってればこんなこともたくさんある。
「ブッコロス」
「ブッコロス」
「ブッコロス」
「ブッコロス」
「ブッコロス」
………ry
しかも喋れんの?一斉に走り襲いかかってくる。何匹いるかもわからんがもちろんぶっ殺す。お前らをぶっ殺すのは俺だ!
ワーム共の動きはかなり早い方に入る。が直線的だ。しかも早いと言ってもルナよりも遅いし…硬いだけのやつなんてカモだぜ!
鎌を振ると鮮血が飛び散る。ワームが重なりすぎて何体に当たってるかよくわからんが殺せてるなら良し!なんか再生してるような気もするけど倒れるまで斬れば良し!
鎌は当たるが赤い残像は避けられている気がする。なら残像も飛ばせばいい。これは電磁バリアを赤く細く、ワイヤーのように伸ばしたものだ。つまり俺の意思で動かせる。守りに電磁バリア使ってないので強度マシマシワイヤーモドキとして使えるので硬い生物兵器にも通用する。
「うおおおおおおおおお!」
だんだんと視界が開けてきた。
最後と思われるワームを殺す。
辺りはワームだったものの残骸で溢れている。死骸が邪魔にならないように、飛び散るように斬ったので広範囲が大変なことになっているな。
「ふぅー…終わった終わった」
「むー…」
なんかルナが頬を膨らませて不機嫌をアピールしてる。俺何かしたか?最初は喜んでたじゃないかよ。
「わたちと戦う時全然本気じゃなかった!」
どうやら俺と自分が戦ってきた時と、ワームと戦ってきた時との差がありすぎてご不満のようだ。
「……当たり前だろ。でも手を抜いてたが俺に攻撃を当てたのはすげーぞ。このワーム共だって一発も当てられてねぇからよ」
「むー…」
頭を撫でてあげても頬が膨らんだままだ。こうしているとただの子供だ可愛いぜ。
「さてさて、お疲れ様でしたリベンジャー。そしてお疲れのところ悪いですが後始末のお時間ですよ?」
「うおっ!びっくりした!姉御か!」
いつの間にか足元に俺たちのグループのトップの姉御がいた。そして思わずルナと姉御を見比べてしまった。やっぱルナの方がおっき…
スパァン!
「イデェ!」
「ふふふ♪」
頭を叩かれた!クソ痛い!
どうやって叩かれたかもわからんし…
「では、生き残った実に運の良い人間さんの元へ行きましょう」
そういや一人だけ無事だったやつがいたな…
ああ、後始末ってそういうことか。




