15.VSアーミーワームズ
【リベンジャー視点】
「ン兄ちゃん…」
「今は助けに行くなよ?…ってわかってる顔だな」
「…うん」
兄はチンピラ共を思う存分にぶち殺していたが、突如現れたワーム共に一気に囲まれてしまっていた。兄はワームを仕留めきれず翻弄されまくっている。そしてそんな兄をルナは最初から助けに行こうとしなかった。
ルナも察してるのだろう。これは恐らく兄への試練だ。俺達が介入することは許されないと。
「ケケケ、兄ちゃんもルナみたいに勘と察しが良ければもっと楽に戦えそうなのにな」
「?」
「いやな…ルナだったらアレどう倒す?」
「斬る」
「そりゃそっか」
さて、あの兄は一人でなんとかできるかな?本当にヤバかった時のために一応助けには行けるようにしておくか。
【ウィルン視点】
不規則に地面から出てくるワーム。僕は避けるので精一杯だった。特に真下から出てくるときがマズい。電磁バリアごと吹き飛ばされ転がされる。
『第一。バッテリー残量低下』
『第四。バッテリー切れです』
僕の周りを飛んでいた浮遊体のエネルギーもどんどん消費しているようだ。
(ま、マズイ…このままだと負ける!)
ルナは無事なんだろうか…しかし転がされすぎて見る余裕がない…そしてこのイレギュラーに誰も助けに来る様子がない。サインもお姉ちゃん先生も…
僕一人じゃどうにかできるわけないのに…
『第一。バッテリー切れです』
『第五。バッテリー残量低下』
また真下の地面が震え盛り上がる。反射的に避けるが避けた先には口を開けたワームが待ち構えていた。
バキィン!
『第五。バッテリー切れです』
電磁バリアでワームから身を守ることができたがまた一つ浮遊体のバッテリーが無くなる。そしてワームを弾いた反動で僕は地面を転がった。
もう起き上がる気力も無くなってきた…
「ああ…僕はここで死ぬんだ…」
地面が震える。僕を囲むようにしてワーム達は様子を伺ってるようだ。
「くそ!なんでこんなとこにワームがいんだよ!どこから沸いたんだよこいつらは!」
聞こえてきた声に頭を上げる。生き残った敵のリーダーっぽいやつが転がった車の上で叫んでいる。なんだ…まだ生きてたのか。全員ワームに喰われたと思っていた。
叫んだリーダーの方に向かってワームが一斉に向かう…ああ、死んだなあいつも…
「わあああああああ!」
しかしリーダーは死ななかった。飛びついたワームが何故か弾き飛ばされている。バリアで弾かれたという感じでもない。
「な、なんで?」
リーダーが弾かれたワームを見て呆然としている。
「…何が起こってるんだ」
よくわからないけど、敵のリーダーは何かしらで身を守っているようだった…しかしそいつもキョトンとしてる辺りどうして自分が喰われないのか分かってない様子だ。
その理由を見つけたいがもう頭が限界だ。浮遊体は便利だったがこれを使うには頭痛がヤバすぎる。
振動が…ワームが近づいてくるのを感じる…
(振動…?そうか!)
僕は残った力を振り、立ち上がって目を閉じ足に神経を集中させた。
(……来る!)
タイミングを合わせ横に跳び、地面から出るワームを避けつつ、銃口をワームに向け実弾入りの銃のトリガーを引く。
弾丸はドンピシャでワームの頭部分に命中して肉塊になって吹き飛んだ。これだ!この方法で戦えば…っ!
…ダメだ体力がない。着地した瞬間に足に力が入らずそのまま崩れ落ちてしまった。
「ケケケ、まあギリギリ合格って感じか?」
地面に倒れる直前に僕を支えるように、体と地面の間に腕が入る。
「ン兄ちゃん!」
ルナの声が…ダメだ。もう意識が…
【リベンジャー視点】
(そろそろ限界か…)
目に見えて兄の動きが鈍ってきたのでこっそりと移動を始める。
「ルナ、俺の肩に乗っとけ」
「うん」
ルナがジャンプして俺の肩に掴まり乗る。パワーアーマー込みでも凄い軽いな。やっぱり子供だ。
「ワームはエネルギーナイフを投げるよりも斬った方がいい。剣を使え」
「わかった!」
…いい子ちゃんすぎるなこの子。さっきまで殺し合いしてたやつの言うことをこんなにホイホイ聞くのもどうかと思うが。
そろそろ近寄っていくと兄の動きが変わった。立ち止まり、何かを狙っているように。
(お…やっとわかったか)
俺は倒れた車の影に隠れ様子を見る。
「いま!」
ルナの声が聞こえると同時に地面からワームが飛び出す。そして兄から放たれた銃弾はワームの頭に的確に命中し殺した。
「やるな。あっと!」
兄が地面にぶっ倒れそうだ。ありゃもう意識が無くなる寸前だな。
俺は飛び出し兄を支える。
「ケケケ、まあギリギリ合格って感じか?」
「ン兄ちゃん!」
兄は完全に気絶していた。レーザーを飛ばしていた浮遊体も兄が気絶すると同時に地面に落ちた。とりあえず抱えとくかこのまま。
ルナが俺の肩から飛び降り、兄と同じようにじっとする…
「てぃ!」
ガギィンッ!
ルナの剣はワームの頭に綺麗に当たったが弾かれ飛ばされた。さすがに強い生物兵器に刃を通すには自力が足りなかったか。3歳児だもんな。しょうがない。
「んー、もっとまわれば…」
「やめとけやめとけ、ルナの体ももたねぇよ。俺に任せとけ」
「うん…」
「しっかり捕まれよ?」
ルナが俺の肩の上に戻り頭にしがみつく。兄は右腕で抱えた状態だ。さらに体からは血が大量に抜けてフラフラするが、まあワーム相手なら問題ないだろう。
「ケケケ、本気の戦いを見せてやるよ」




