8.目的地に到着
【ウィルン視点】
「よし、着いたぞー」
「…ここ?」
「何も無いね」
荒野のど真ん中、何も無い場所で僕達を乗せた車が止まる。
「ちょっと待っとけ」
サインが横で情報端末を弄っている…
どうでもいいかもしれないけど、サインがおぶられてる格好のまま宙に浮いてるのがダサい…いつまでおぶられてるんだろう…
サインの言う通りに待っていたら、正面の地面が割れ、盛り上がってきて地下に進む通路が出てきた。
「おおー!」
ルナはこの大掛かりなギミックを見て感嘆の声をあげている。超わかる。僕も秘密基地にありそうなギミックでテンションが上がってるよ?
僕達の乗った車は動き出し、地下に進む。
地下には広い駐車場があった。
サインの家よりも広い…
奥の方には少しの車とたくさんのトラックが駐車されてるのが見える。
「あの時と違ってスカスカだからどこでも駐めれんな」
「そうだねー」
僕達の車は広い駐車場のど真ん中で止まり、エンジンが切れる。着いてきた車も少し離れた場所に止まった。そしてサインもアミューから降り、アミューの姿も見えるようになった。
ちなみに車は3台手に入った。どれもルナが戦闘の際に敵の車に乗り込んで鹵獲したものだ。もれなく全て血まみれで最初に手に入れた車は異臭をすでに放っている…
「じゃ、行くぞ」
「楽しみだねー!」
「たのちみ?」
「ルナ、ここはね?美味しい食べ物を作るとこなんだよ?」
「たのちみ!」
「そうなんですねぇ…」
僕達な奥の方、トラックのある方に進む。すると扉が2つ見えてきた。上には何か書いてある。一つには【〇〇室】、もう一つには【アミュー〇用】と書かれていた。読めない字があるのは許してほしい…でもなんとなくはわかった。
「私はこっちから入るからウィルンとルナはサインについていってね」
「「はーい」」
アミューが先に、自分用と思われる方の扉へとサッと入っていった。
僕たちもサインと共に〇〇室の扉に入る。
「ここでパワーアーマーとかの装備は全部脱げ、でここにおくんだ。服はそのままでいいぞ」
サインが自分の装備をカチャカチャと外し、コンベアの上にある荷物置きのようなことに乗せていく。
僕達も装備を外して乗せ…
(…お、重い…)
「重い…」
パワーアーマーをつけている時には感じなかった武器の重みが…ルナも剣を落としてしまっていた。
「ああ、すまんすまん。そりゃそうだよな。おーい!手伝ってくれ!」
「「!」」
正面にあった厳重な扉の奥の方から…人の形をした大きい肉人形が歩いてきた…
その肉人形はこちらの方に歩いてきて…
僕と妹の装備をコンベアの上の荷物置き場に乗せてくれた。二人揃ってガチガチになった僕達をサインがニヤニヤしながら見ている。
「そいつはここを管理をしてるやつの兵隊だ。強いぞ?そして便利だ」
「あの、早めに教えてくれません?僕達のリアクションを楽しむために今言いましたよね…」
「否定はしない」
装備を置き終わるとコンベアが動き出し僕たちの装備はどこかへ行ってしまった。
サインが肉人形が開けた、その厳重な扉に入っていく。僕達もそれについていく…そこは長い通路だった。
シャワワワワワワワ…
そして全身を消毒された…
「しみるー」
「我慢しろ。この先の部屋のもんはデリケートだからな。少しでも外の余計なもんを持ち込まないように徹底的に消毒してんだ」
「アミューは違う通路に進んでいきましたけどそれは?」
「アミューは人間に使う消毒液が異常にしみて痛いらしい。だからここの管理人に頼んで専用の消毒通路を用意してもらった。ちなみにあっちは熱消毒だ。人間なら外に出る前にこんがり焼けちまうから間違えるなよ?」
「ひぇ…」
こういう時にやっぱりアミューは人間じゃないんだと思う…けど僕達のお姉ちゃん先生だからそんなことは些細なことだ。
消毒液が噴射し続ける通路を歩き続けると、終わりが見えてきた。ドアを抜けるとまた部屋だった
「うへぇ、びちょびちょ…」
「服が身体にぺっちゃり…」
「そこに着替えがあるから大丈夫だ…おっ、ちゃんと子供服も入ってるじゃねぇか。さすがだぜ」
サインは自分の替えの服をサッと取ると、シェルターの服屋の試着室のようなとこに入っていった。
僕も自分と妹の分の服を取り、妹と一緒に着替える。ただ真っ白いだけの柄も何もない服だ。
サインも同じ服を着ていた。
「おーし、着替えたな?こっちだ」
サインに着いてまた通路を歩く。ルナは少し緊張しているのか、僕の手を握っている。知らない場所だから少し怖いのかもしれない。通路の横の扉が開いた
「やほー!」
アミューが出てきた。僕たちと同じように真っ白い服を着ている。
「おお、ぴったしのタイミングだ」
「みんなの気配が来るまで待ってたんだよ?一人で行ってもしょうがないし」
「それもそうか」
そしてまた先に進む。他にも扉があるがそれらはスルーしていく…ってイタァ!
「わりぃわりぃ、ここだったわ」
「突然止まらないでくださいよ…」
サインが立ち止まり扉を開けるとそこは少し広めの部屋だった。真ん中に少し大きめの円卓が置かれていて、そこには4人が座っていた。
一人は胸の大きな、綺麗な髪の美人な女性。
一人はどこにでもいそうな、でも少し格好いい男の人。
一人は白衣を着た小柄なおじさん。後ろに僕達の荷物を持ってくれたのよりもかなり大きな肉人形が控えている。
一人は一番奥の真ん中に…ルナよりも小さい女の子が座っていた。白髪に薄いピンクの髪をしている…絶対に人間ではない…そういう感覚がする。あの人を見た瞬間から鳥肌が…
「遅かったですね。あと少し遅れてたら先に始めるとこでしたよ」
その奥にいた女の子が僕達に話しかけてくる…もちろん全員サインの知り合いだよね…?
「…………え?誰?もしかして鍵屋とミツガレの子供?成長はやない?この間付き合ったばっかりじゃん」
サインッーーーーーーーー!知らなかった!あと絶対違うと思います!
「サインさん…」
「相変わらず察しが悪いわねあんた」
「ふへへ、ある意味でさすがですね」
先に座ってた人達みんなが呆れちゃってる…
「ふふ、サインさんの鈍さはやはり一級品ですね。私ですよ。姉御です」
「………はい?」




