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アルティメイト ~最凶な世界でもエンジョイライフ~  作者: ちょばい


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6.はじめてのせんとう

【ウィルン視点】


僕と妹のルナが戦闘態勢に入り、少しすると無線から知らない男の声が聞こえてきた。


『あーあー、そこの子供ら。死にたくなかったらその車と荷物を全部寄越しやがれくださーい』

『うお!すげー物資だぞ!パンパンのバッグが荷台にあんなに!』

『生意気に銃座に座りやがって、こっちは車5台だからさっさと諦めろって』

『…運転席に座ってるやつ。あいつ何歳だ?くそちいせぇが』


色んな会話が一気に…うるさすぎる!アレが盗賊ウォーカーというやつらなのだろう。敵の車にも銃座が付けられており、こちらに狙いをつけていた。横を見るとさっきまでいたサインはいなくなっている。


(…本当に今から戦うのか…)


敵の車両がどんどん近づいてくる…すると銃座が勝手に動き出し相手の車両をロックオンした…ので引き金を引いてみる。


ドドドドドドドドド!


相手の先頭の車両が一瞬で中にいた大人ごと穴だらけになる…つよ…


『は?』

『おいおいマジかよ!』

『電磁バリア厚くしろ!一瞬で削られるぞ!』

『こっちも撃て撃て!』


敵は慌てているのか無線を付けっぱなしにしているので会話が丸聞こえだ…

そして敵も撃ってきたが、全然当たらない。いや、当たる気もしない…なんだこの感覚…


機銃はまた別の車両にロックオンしたので引き金を引く。今度は敵も耐えている。アレが電磁バリアか。


『撃ち続けとけ。あの程度の電磁バリアじゃ無いも同然だ』


サインの指示通りに撃ち続けるともう1台もパリンと音と共に穴だらけになり大爆発を起こして地面に転がった。


『武器の質が高すぎる!逃げろ逃げぎゃあ!』

『な!運転席にいたガキがぁ!』

『は、腹が…俺のないぞ…ち…』

「うん?」


僕は振り向くと運転席にいたはずのルナが消えている…えっ?ルナもしかして敵の車両に乗り込んでる?


機銃が次にロックオンした車両はフロントガラスが真っ赤に染まっていた…ちょ!ええっ!


残りの2台の車はそのまま逃げた…が結局爆発して散った…


『お疲れさん。楽勝か。さすがに敵が弱過ぎたな』

『残りの2台は私が壊しといたからね!』


サインとアミューの声が無線機から聞こえるが僕はそれどころじゃない。ルナ!ルナは無事なのか!


血まみれになった車がゆっくり止まると中から両手に投げナイフを持った血まみれのルナが出てきた…


「やたー!わたちの勝ちー!」

「…」


ナイフを振り回して喜んでるから怪我とかしてなさそうだけど…僕の妹はどうなってしまったんだ…


サイン達がルナの元に向かっていくのが見える。僕の乗っていた車も動きを止めルナの方に移動を始めた。そしてルナの所に着くと自動で止まる。


「ン兄ちゃん!わたちやったよ!」

「うわ…ああ…」

「ない…ないぞ…」

「お…あ…」

「…」


ルナの後ろの盗賊ウォーカーは4人中3人がまだ生きていた…ルナが狭い車内で戦うために選んだ投げナイフのせいで傷が浅くてすぐに死にきれなかったのだろう。ルナの出てきた車のドアからは人間の内臓が垂れている…気持ち悪い…でも耐えなければ…


「よ、良くやったな!」

「えへへー」


吐くのを我慢しながらルナを頑張って褒めていたらサイン達も着いた。


「んー?まだ生きてるのかこいつら」

「二人共訓練の成果が出てて良かったよ!お姉ちゃん先生は嬉しい!」

「たのちかった!」


…ルナが人間をやめていく。数ヶ月前までクレヨンを握っていた小さな手は今はナイフを握り、パワーアーマーを着て人間を殺して大はしゃぎしている妹を見て心がキュッとなる…


(僕の選択は…間違ってたのかな…)


最初はただ、理不尽な生物兵器からルナを守るために力が欲しくて鍛えてほしいとサインに願った。そしてルナと2人鍛えられ、こうして戦い勝利したけど…


(もう僕達はシェルターの生活に馴染めないんだろうな…)


なんとなくそう思った。

ルナもそうだろうけど、僕も人を殺しても少し気持ち悪くなる程度でほとんど何も感じていない…内臓はかなり吐きそうになったけど…僕の選択の先にある道はこういう道だった。


呆然としている俺に気づいたのか、サインが僕の肩に手を乗せ…


「後で話聞いてやるよ」


と小声でいい、その後ルナとアミューの方を向き…


「さあ、戦利品回収のお時間だ。ルナのおかげで車が1台。ほとんど無傷で回収できたのは嬉しいな。要らんもんは捨てて持ってこうぜ!」

「「はーい!」」


サインが腹から内臓のぶら下がった盗賊ウォーカーを車から引っ張り出し持ち物を剥き始めた。ルナも何か拾っていたのかサインに見せていた。


「シャイン。この白いお粉は?」

「頭がおかしくなる薬だ。捨てとけ捨てとけ」

「うへぇー」

「サイン!この車お金がたくさんあるよ!」

「マジかよ。他の車もちゃんと鹵獲すれば良かったな…」


3人は楽しそうに荷物を漁っている。見てるだけじゃなく僕も漁るか…荷台のお金のとこから紙が1枚の落ちてきた…


(なんだこ……れ……)


それはレシートだった…人間を売った…

人間の名前の横には値段が書いてある…

幸いにも僕の知ってる名前はなかった。


「ほーん、なるほど、こいつらのこの金は人身売買の売上金ってわけか。シェルターが何個も壊れたしそりゃそっちの商売も捗るってもんか」


サインも同じように僕のとは別のレシートを見ていた。


そして気づいた…


(ああ…シェルターの外って命がこんなにも軽いんだ…)


シェルターの中では命を大切に…とか良く言われるけど、外の世界じゃ命はただの【物】なんだ…そして僕達がやったような殺戮も当たり前の日常の一つなんだと。

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