表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルティメイト ~最凶な世界でもエンジョイライフ~  作者: ちょばい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/42

5.朝食はライフルのち…

【サイン視点】

バリッ!ムシャ!ムシャ!ムシャ!

凄まじい咀嚼音が聞こえ目が覚めた俺は…状況を理解してまた目を閉じる…


怖くて目が開けられない…アミューは何を食べてるんだ?もしかして俺の大事な装備では?見たくない見たくない見たくない…


サインは武器が大好きで前線の物資拾いでも多く拾い持ち帰っている。そのせいで拠点は使わない武器で拠点が溢れてしまっているし、そもそもサインは戦闘が嫌いなので整備だけして、あまり持ち出しもしない。


…チラッ


「おはよう」


アミューが食べてたのは対大型生物用ライフル【GENESIS】だった。機械兵器【四足歩行ライノル】の肩に付いてる銃で大きさは4メートルとかなり大きい。大きすぎてサインがバラして、3回も拠点と前線を往復してようやく持ち帰った武器だった。しかも何度か持ち帰るのに失敗している。分解して置いておいた部品を生物兵器に食べられたり、分解中に機械兵器に襲われて銃がこっぱ微塵になったり…


「…おはようございま〜す…」

「どうしたの?顔色悪いよ?よく寝れなかった?」


今すぐ眠りたい、ふて寝したい…

でもそんな弱気なところを見られたくない。

気合を入れて起き上がる


「ふぅ、いや、なんでもない。アミューもよく眠れたか?」

「うん」バリッ!ムシャ!ムシャ!

「俺も飯食べるかぁ」


今日は良いものを食べよう。イツボシシェルターで大金叩いて買ってきた【長期保存可能絶品冷凍ハンバーグ定食】。指名手配犯トラッパーが大好きで、前に「俺シェルターに入れないから買ってきて」とパシらされた際に自分の分もついでに買っておいたやつだ。電子レンジでチンをしてるとアミューが寄ってきた。


「なにそれ!いい匂いする!」

「あ~、これはな、うちの罠を仕掛けたやつが大好きなハンバーグ定食ってやつだ…えっと、これも食べるか?」

「えっ…でも食べたらサインのご飯が…それに私まだあれ食べきってないし…」


銃身が無くなったGENESISをチラリと見るアミュー。


「い、いいんだ、俺は食べたことあるからな。アミューが食べたかったらいいんだぞ?それにあの銃もまた今度残りを食べればいいだろ?」

「じゃ、じゃあそうする…」


サインはチンしたハンバーグ定食もアミューに上げてしまったので、棚にあった買い貯めしてあるカップフードルを食べることにした。


(…アミューはまだ産まれて間もないんだ…良いものを、そう良いものをたくさん食べて成長して立派なダイナロイドになってもらうんだ)


その心はもう完全にお父さんなのでは?っと自分自身でも思わなくないが、後悔は「ハンバーグってうまぁー!!」していない。


カップフードルにお湯を入れて待っている間、アミューが食べ残したGENESIS(笑)を片付けることしよう。


【アミュー視点】


ハンバーグって超美味い!一生これだけ食べていたい!

サインの方を見るとサインは私の食べ残しを片付けていた。

「ねえ、サイン」

「なんだ?」

「このハンバーグ定食ってどこで手に入る?」

「人間の巣のイツボシシェルターってとこで売ってる食べ物だからそこでだな」

「すぐ行く!」

「ダメだ…今少し金が無い。ああ、シェルターでモノを手に入れるには金ってやつが要るんだよ」

「なにそれ、人間ってややこしい。欲しいものは襲って奪えばいいじゃん」

「そうだな…」


サインは少し考えている。

そして手に持ったサインのカップフードル?とかいうやつを私に見せつけながら言う。


「こういう食べ物ってやつはな?人間が作ってるからこそ食べられるモノなんだよ。だからな?襲ってもしその作る場所がなくなったらな?その先一生手に入らなくなるかもしれないんだ。だから安易に人間の巣を襲うとか言っちゃダメだぞ。さっき言った俺の仲間のやつだってそれが大好物なのに人間をたくさん襲ったせいで簡単には食べられなくなっちゃったんだ」


私はこの話に衝撃を受けた。そして涙が出てきた。だって私は昨日…


「私も人間殺しちゃった…もう食べられない…」

「いやいや、昨日のは向こうが襲ってきたのを返り討ちにしたからいいんだよ。だからセーフセーフ」

「そうなの?」

「それにまた買ってきてやるから、な?今日はお金を一緒に稼ぎに行こう」


サインが私の頭を撫でる手は温かかった。


【サイン視点】


(ぶっちゃけセーフかどうかは俺もわからないんだけどな…)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ