49.アーミーワーム大戦 その2
サインたちが宴会をしているころ。世界中のシェルターは突如現れた大量のワームによって襲われていた。スカベンジズも対処に全力を尽くしたがやはり通常のワームよりも強く、そして動きも早かった。対処に遅れたシェルターはまたたく間にワームに飲まれ、中の住民の大半は富裕層含め全て餌にされてしまっていた。しかしもちろん奮闘している者もいる。
「はぁ…こんなことになるんだったらやっぱり装備をお借りするべきでしたよ…」
「アレを借りてたとしてもこの状況をどうにかできるとは限らないぞ?」
前にサインと探索をしたヴィクトールとリビルはイツボシシェルターの外を防衛していた。
イツボシシェルターには遥か昔の人類の残した遺産、ここで無くしたら二度と手に入らないであろう物資がたくさんある。
そのためスカベンジズ最強のヴィクトール率いる部隊はイツボシシェルターに送られていた。
しかしワーム達がイツボシシェルターにある何かに釣られているのか大量に押し寄せてくるため、最強の部隊は終わりの見えない戦いを強いられていた。
「というか地面から出てくるのにシェルター内に人員を配置しなくて本当にいいんですか?」
「大丈夫だ、シェルター内にはとっておきがある。俺達が外を守れば勝ちだ!」
ヴィクトールは地面から出てきたワームをエネルギーハンマーで叩き潰す。打撃面の反対側からエネルギーを噴射、急加速するためかなりの速度だ。
「はぁ、俺の故郷は大丈夫かなぁ…元部隊長も生きてるかなぁ」
リビルは外に出たワームが地面に再び潜らないように、電撃銃でワームを感電させ動きを止めている。ワーム種が地面を移動するためにはある程度の加速が必要だ。そのため止まったワームは地面を転がり貯めを作ろうとするが他の仲間がそれを許すわけもなく潰す。
淡々と、雑談をしながらワームを処理していく2人を見て部隊の仲間達は…
「リビル…新人なのに胆力凄いな…」
「この間ヴィクトールさんと前線に行ってからじゃないか?最初はビクビクしていたぞ」
「前線はそんなに凄いところなのか?」
「かぁ〜、俺達もついていければよかったなぁ〜」
尊敬の眼差しで見ていた。
【姉御視点】
さてさて、人類はワームに対してどう戦うか。久しぶりにドキドキワクワクしながらあちこちを見ていた…しかし。
「あー、やっぱり弱いなぁ。弱すぎる」
人間が弱過ぎてランダムだとワームに捕食されてる絵しか映らない。少しの抵抗を見せる者も、武器が通用せず武器ごと飲み込まれている。
「まあ、私の仲間達は上手くやってるようだが…」
サイン達はもうワームを処理して宴会していた。羨ましい限りだ。
ドクターは新しい畑と工場を肉人形達を展開し、しっかり守っている。
ヤミイチはワームを捕獲して色々実験している。
ゴザルはスカベンジズに混ざってワームを処理している。
〇〇は……………
そしてトラッパーは寝てる所にワームが大挙してきて、罠が発動しまくって拠点が吹っ飛んでるが無事だ。
トラッパーだけが不憫だな。まあコイツはやってることも頭もやべぇから全然可哀想じゃねぇけど。悪運は無駄に強いからなんやかんや生き残るだろう。
私は地面の中にいる、イツボシシェルター内部を喰い破ろうとするワーム共を地面から出る前にクシャッとする。
「ここだけは私が守ってやるよ。私も美味いものは食べたいですからね…」
自分で作った、昔から好きだったお菓子を食べながら私は世界を見る…
【ブレイカー教総本山】
ブレイカー教は世界中がワーム種に襲われている中…生き生きしていた。
「おっほー!硬くて殴りがいがあるわい!」
「神父!私にもやらせてほしいです!」
「ハッハッ!早いもの勝ちじゃい!」
ブレイカー教徒は元々近接武器特化集団。ワーム共を自らの聖棍を全力でぶつける相手としか見ていなかった。そしてワーム種の一般的な対処法も叩き潰すや斬ること。最前線で暴れていたワームもバラされ、小さくなってしまっては、ブレイカー教のただのサンドバッグにしかならなかった。
他のシェルターは悲鳴と断末魔、人間が貪られる音が響き渡るがここでは、人々の歓喜の声とワームが潰れる音しか聞こえない。
「おい!俺にも殴らせろよ!」
「神父も言ったろ!早いもの勝ちって!」
「ならお前の頭を叩き割ってやるわ!」
「上等!!」
ついには味方同士でも殴り合いが始まる始末。そしてたまにいる少し大きな個体も…
「ふんぬ!」
ブレイカー神父の持つ、巨大な聖棍で一瞬で潰れる。
「おー、さすが我らが神父です」
「年季が違うわい♪」
この後に【アーミーワーム大戦】と呼ばれる戦いで被害が異常な程に少なかったのはイツボシシェルターと、このブレイカー教総本山【デストラクション】の2つだった。




