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アルティメイト ~最凶な世界でもエンジョイライフ~  作者: ちょばい


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40.ミートゾーン 突然の邂逅

【サイン視点】


3人を連れて休憩所のある場所までやってきたが…休憩所は巧妙に隠されているためわかりにくい。


あちこちにある俺達の休憩所は大体【ゴザル】のやつが武者修行の休憩用に用意したらしいんだが、なんていうかこう…ハイガル戦地の休憩所みたいな【クルンと回る扉】みたいなギミックがあって普通に入れないのが厄介なんだ。


ミートゾーンの休憩所は地面の中にある。そして扉に落ち葉が貼り付けてあるので地面に完全に擬態しているのだ。判別方法は扉に貼り付いて動かない落ち葉が密集してるポイントを探す。そう…この落ち葉だらけの森の中で…


「ホントにこの辺にあるんですか…」

「センサー類も全く反応しないぞ?」

「あるんだよ…そういう対策されてるから発見が難しいんだ…」

「うーんうーん(バサッバサッ)」


もう15分くらいも探している。

あの感覚が鋭いアミューにもわからないらしい。ゴザルの休憩所の安全さが予期せぬ形で証明されたな…あっ、ここか…


「おーい、あったぞ。こっちに早く集まれ」

「はーい」

「ホントにあった…」

「…よく作るもんだこんなところに」


それはそう。

そして地面の中の休憩所は広く、4人でも十分に寛げるスペースもある。


俺はさっさと奥に進みバッグを降ろし持ってきた弁当を早速食べることにした。

俺は今回はシンプルな栄養ゼリー。固形物を食べたら吐きそうな気がしたので。

アミューには果物缶詰を渡す。もちろんメロンだ。「わーい!」大好物だもんな。

ヴィクトールとリビル君が閉めた扉の前で立ち尽くし、缶詰をめっちゃ見てるのが気になる…なんだ?


「これはアミューのだからな?食べたかったら俺の隠れ家で少し分けてやるから我慢してくれよ」

「あ、はい…」

「そういう話でもないのだがな…まあかなり世話になったし深くは聞かんが…」


?まあ確かにシェルターの外のやつらが缶詰を食べてるのは不思議とは思うか。


「それで今後の話なんだが、メインの目標は脱出でいいか?ぶっちゃけもうのんびり探索って空気でもなくなったし」

「ああ、俺はそれでいい。むしろ今から帰るくらいがちょうどいいかなと思ってたくらいだ」

「私はサインについてくから帰るなら帰るでいいよ!」


だよな、もう帰るでいいよな。しかしリビル君が少し不満そうな顔をしている。


「…正直俺はもうちょっと探索してみたいです。体力に余裕もありますし、色々ありましたけど楽しかったんですよ俺…」


ああ、楽しかったのか。なら良かったぞ。頑張って準備して案内した甲斐があったってもんだ。


「リビル君「君?」が楽しかったのは何よりだが、この【楽しかった】のままで終わることも大事なんだよ。いい思い出のまま生きて帰れれば大成功さ」

「それにまだ帰りも戦うかもしれないんだ。余力を残しておくのも大事だ。そうだろ?」

「その通り!」


楽しかったらまた探索に行けばいい。生き残っていれば別に明日でも明後日でも探索に行けるのだから…まあ彼らはシェルターの守り神【スカベンジズ】なのでいつでもというわけにはいかないんだろうけどな。


ある程度のんびりして英気を養い、休憩所から外に出ると…なんかウォーカーの集団がいた。とりあえずお互いビックリしてる内に弁明しとこう。アミューはちゃんと透明化してるので見られていないな?


「待て待て双方撃つな撃つな。俺達はここで休んでただけだ。すぐにここから動く。帰り道はあっちだ。だから少し待ってくれれば君たちの視界から消える」


それにしても外のウォーカーに気づけないとはね…アミューも外の人間に気づけてなかったろうしマジでちゃんとしてるなこの休憩所…今回は少し仇になったけど。


「……ふぅ、地面から突然出てくるから驚いたぞ…本当に帰るだけなんだな?」

「ああ、本当だ。驚かせた詫びに俺の武器を1つやるよ。【ガンマンマスターのピストル】だ。弾は2発くらいしか残ってねぇが詫び代には足りるんじゃないか?」

「地面に置け、お前たちの姿が完全に見えなくなったら受け取る」

「それは当然だな」


俺はゆっくりとガンマンマスターのピストルを取り出し地面に置く。そしてウォーカー達の方を警戒しながら帰り道を進んでいった…



【???】


…見ない顔だったな。

地面が突然せり上がり、中から人が出てきた時は奇襲かと思って焦った。しかも索敵機の反応も人が出るまで無かったので驚き、思考が一瞬止まってしまった。本当に奇襲だったら致命的だったぞ…


その止まってる間に相手の男が場を納めてくれたので戦闘にならずに済んだから、今回は結果的には止まって良かったんだが後手に回ってしまったのは反省しないといけない。


俺は男が置いていった武器を拾う。本当にガンマンマスターのピストルだな。重さ的にも言ってた通り、弾も2発だろう。俺は銃を腰のポーチに入れ、仲間に聞く。


「サーマルには反応あったか?」

「いえ、特にはありませんね。3人だけで確定でしょう。他の所にも今の感じで隠れられていたらわかりませんが…」

「確かにな…」


仲間の一人がさっき男達が出てきた扉が気になったのか、周りをウロウロしている。


「うわ…へぇ…落ち葉で扉を隠してるんですねこれ…」

「地面と同化させた休憩所か…俺達も作ってもいいかもしれんな」

「ここを利用させてもらうのはダメなんですか?」

「ダメだ。相手の装備とこの休憩所の質が良すぎる。ああいうやつらは仲間以外の人間が使うと発動する罠を仕掛けてることが多い」

「そうですか…参考にするだけにしておきましょう」


…遠くから叫び声と銃声が聞こえてきた。アイツらが行った方向ではない。後ろだ…つまり…


「俺達の仲間だろうな…助けに行くぞ!」

「了解です!」


はぁ…この調子であの惨劇を起こした原因の手がかりは見つかるのだろうか…


一応先ほどの3人の写真は撮れているが、交渉した男はともかく後ろの2人はほぼ顔が隠れていたので判別は難しいだろう…とりあえずリーダーにはこの写真を送っておくことにしよう。

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