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余韻と瓦礫【1】

戦場は、静寂に包まれていた。

瓦礫の山、燃え残った建物、そして硝煙の匂いだけが、かつての日常を思い出させる。

人の声は消え、残されたのは金属の軋む音と、風が運ぶ粉塵だけだった。


悠真の身体は、瓦礫に半分埋もれたまま動かない。

右脳の勘も、左脳の記憶も、もう何も機能していない。

ただ、胸に残る違和感と、瓦礫に刻まれた戦いの痕跡だけが、彼の存在をかすかに語っていた。


アークは、赤い瞳をわずかに揺らしながら、悠真を見下ろしていた。

その姿はかつての友であり、しかし完全に兵器である。

もう誰も止めることはできない。


裏切り者の声は、通信ごと破壊され、二度と響くことはなかった。

計画は成功し、悠真は消えた。

だが、その消失は何も救わず、街も人類も、戦場も、全てが音を立てて崩れたままだった。


風が舞う瓦礫の上、悠真の最後の声が、かすかに街に残る。


「……何で俺の終わりも……友情も……0点なんだよ……」


空は赤く染まり、太陽は瓦礫の陰に隠れたまま。

戦場には希望も友情もなく、ただ、廃墟と沈黙だけが残った。


静かに、物語は幕を閉じた。


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