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夢写師カレンと刻の万華鏡  作者: 大西さん
第7章 月影遊園地の幻影
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第39話 ユウキの成長

■ユウキの成長


その夜、ユウキは自室で護符と向き合っていた。月影遊園地での経験で、護符の力がさらに強くなっている。それは、カレンとの絆が深まったからかもしれない。


「愛と記憶の共鳴。祖父さん、分かった気がする」ユウキは呟いた。


護符が優しく光った。まるで、清が微笑んでいるかのように。


窓の外を見ると、月が雲間から顔を出していた。月影遊園地の名前の由来となった、美しい月。


「カレン。絶対守る。そして、一緒にチヨさんを救う」ユウキは月に向かって呟いた。


■記憶の蓄積


一方、カレンは集めた記憶のデータを整理していた。


霧見駅の終戦の記憶、時計塔のチヨの使命感、朽葉温泉の愛の約束、そして月影遊園地の贖罪と覚悟。


すべてが繋がり、一つの物語を紡いでいる。


「あと二つ。鏡の湖と、最後の場所」カレンは画面を見つめた。


しかし、最後の場所が分からない。日記のインクが滲んでいたのは、偶然ではないかもしれない。そこは、意図的に「写し損ねたもの」として残されているようだった。


「もしかして。最後の場所は、すべての記憶の残響を集めてから、明らかになる?」カレンは仮説を立てた。


その時、魂写機が微かに震えた。まるで、その推測が正しいと言っているかのように。


■明日への覚悟


深夜、カレンはリビングでルカと話していた。


「母さん。私、怖い」カレンは切り出した。


「何が?」ルカは優しく尋ねた。


「チヨさんを救えなかったら。みんなの期待に応えられなかったら」カレンは震える声で言った。


彼女の心に、無力感という「影」がよぎる。


ルカは娘を抱きしめた。「大丈夫。あなたは一人じゃない」


「でも」


「カレン。完璧である必要はないの。大切なのは、諦めないこと」ルカは娘の目を真っ直ぐ見つめた。


母の温もりに包まれて、カレンは少し落ち着いた。


「それに、ユウキ君もいるでしょう?」ルカは微笑んだ。


カレンは顔を赤くした。「それは、関係ない」


「あら、そう?」ルカは楽しそうに笑った。


■新たな朝


翌朝、カレンは新たな決意と共に目覚めた。窓の外を見ると、朝日が町を照らしている。時計塔の異常は続いているが、もう恐怖はない。


「おはよう。朝ごはん、作ったよ」ユウキがキッチンから声をかけた。


「え?」カレンは驚いた。


テーブルには、簡単だが心のこもった朝食が並んでいた。


「たまには、カレンを支える側に回りたくて」ユウキは照れくさそうに言った。


「ありがとう」カレンは素直に礼を言った。


二人で朝食を取りながら、カレンは思った。月影遊園地で交わした想い。それは、これからの戦いの、大きな力になる。


チヨと健司のように、愛は時間を超える。その証明を、今度は自分たちがする番だ。


鏡の湖へ。そして、最後の真実へ。


物語は、クライマックスに向かって加速していく。

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