表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢写師カレンと刻の万華鏡  作者: 大西さん
第6章 朽葉温泉の約束
33/77

第33話 家族の時間

■家族の時間


「たまには、みんなでご飯でも」ルカが提案した。


30分後、橋爪家の食卓には、家族全員が集まっていた。蓮の手料理が並び、穏やかな時間が流れる。「そういえば。健司さん、最近写真館を再開したらしい」蓮が口を開いた。


「32年ぶりに?」カレンが驚いた。


「ああ。チヨが帰ってきた時、最高の写真を撮りたいからって」蓮は頷いた。その一途な想いに、全員が心を打たれた。


「素敵ね。愛の力」ルカが微笑んだ。


「非科学的だけど。確かに、すごい」カレンも認めざるを得なかった。カレンの瞳の「影」が、愛の力という「光」によって完全に打ち消されていく。彼女の成長のグラデーションが、ここで明確な一歩を踏み出す。


■最後の温泉


食後、蓮が提案した。「近くに、まだ営業してる温泉がある。疲れを取りに行かないか?」


1時間後、四人は小さな温泉宿にいた。「生き返る〜」カレンは温泉に浸かりながら呟いた。


隣の男湯から、ユウキと蓮の会話が聞こえてくる。「カレンは、小さい頃から負けず嫌いでね。でも、根は優しい子なんだ」蓮の声。「知ってます。だから、好きになったんです」ユウキの声。


カレンは顔まで湯に浸かった。恥ずかしさで、顔が真っ赤になっている。彼女の頬に浮かぶ熱は、物理的な湯気ではなく、ユウキへの「写しの対象」としての感情の揺らぎだった。


「若いっていいわね」ルカが微笑んだ。


「母さん!」カレンが抗議した。


しかし、この穏やかな時間も、嵐の前の静けさに過ぎなかった。明日は、更なる試練が待っている。しかし、今は、家族の温もりに包まれていたかった。


朽葉温泉での発見、健司の想い、そして新たな手がかり。すべてが、最後の戦いへと繋がっていく。


チヨを救い出すまで、あと3日。


時間は、確実に過ぎていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ