第62話 神木聖 (S)
友人である神木聖視点の話になります。
僕の名は神木聖。
日本有数のギルド、キャッスルギルドに所属するシーカーだ。
クラスはレアの聖騎士で、ユニークスキル【根性】を所持していた。
自分でいうのもなんだけど、周囲から将来を嘱望されているシーカーである。
―—Aランクダンジョン、『死霊術師の園』
死霊術師の園。
アンデッド系の、高レベルの魔物だけで構成されたダンジョンである。
今、僕はそこである女性と一緒にペア狩りをしていた。
「レベル85に到達しましたわ。聖さんのお陰です」
魔物の殲滅を終えたところで、女性――大城恵さんがレベルアップを報告して来た。
「いえ、僕の方こそ恵さんのお陰で凄く早くレベルアップ出来てますから」
「ふふ。私達ほど高速でレベルが上がってるシーカーは、きっと他にいませんわね」
聖騎士はアンデッドに強く出れるクラスである。
そのため、相手を選べば、格上を狩って効率よくレベル上げする事が可能だ。
とは言え、たった7か月程でレベルを10以上も上げれているのは、間違いなく恵さんのお陰である。
恵さんのクラス自体は、ノーマルクラスのヒーラーだ。
だがギルドマスターのお孫さんである彼女は、多くのスキルを保有していた。
マスターが孫を可愛がり、大金をかけて多くのスキルブックを恵さんに与えているためである。
いわゆる、孫ばかってやつだね。
とはいえ、それでもノーマルクラスの域は出ない。
流石の大手ギルドのマスターでも、一冊数十億円以上もする様な物は簡単には与えられないからね。
じゃあなぜ、効率が爆増しているのかというと……それは恵さんの持つユニークスキル【聖なる祝福】にある。
この【聖なる祝福】が僕の【根性】と相性が非常に良いのだ。
その効果は対象1名(複数人には掛けられない)の防御力と各主耐性、それと生命力を大幅に上昇させるという物で、特に生命力は2倍に上がるほどの優れものとなっている――アメリカで鑑定して貰って確認済みだそうだ。
タンカーにとっては有難いスキルとなっている訳だけど、僕の場合はその影響が更に大きかった。
なにせ、僕の【根性】はダメージを受けて生命力が減れば減る程、能力が上昇する効果があるからね。
HPが2倍になれば、半減していても祝福を受ける前の全快状態と同じ。
しかも防御力も上がっているので、わざとダメージを喰らって常時半減以下でも安定して狩りを行う事が出来た。
これが大きい。
効率が段違いになる程に。
あ、因みに、タンカー系はパッシブの防御力アップスキルに痛みに対する耐性も含まれているので、痛みで精神的に病むみたいな事はないから安心して欲しい。
「どうします?一旦戻りますか?」
「いえ、もう少し頑張りましょう」
「分かりました」
恵さんはレベル上げに意欲的だ。
その点は僕も一緒なので非常に助かる。
ソロと、彼女とのペアでは効率が軽く10倍以上差がつくからね。
レベル70になって、彼女と組む様になってからの効率は本当にデタラメだった。
正直、彼女は個人的にはあまり好きなタイプではないのだが、効率のいいレベリングにはどうしても必要不可欠だ。
本人は完ぺきに隠してるつもりみたいだけど、聖騎士として人気の出た僕を利用するつもり満々なのが透けて見えてるからね。
まあそういう僕も、結局彼女を利用している訳だから、同じ穴のむじななんだけど……
僕は上に昇りつめる。
どんな手を使っても。
そして見せつけてやるんだ。
僕を半端な出来損ないと見下していた家族に、ね。
拙作をお読みいただきありがとうございます。
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