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第52話 再会

「さて、試すか」


ここからは確認だ。

まず最初に確認するのはカウントの扱いだ。


ここのボスは千匹討伐で召喚できる様になる訳だが……そのカウントはどこでリセットされるのか?

という疑問がある。


召喚した時点でリセットされるなら、もう召喚できない。

さっき呼びだしたばかりだしな。


だけど、リセットされるのが倒したタイミングだったとしたら?

もしそうなら、再び召喚する事が出来るはず。


これが出来ればアツい。

なにせ呼び出し放題だからな。

そうなると盗み放題である。


まあ正確には、それが可能かは、もう一点確認する必要があるが。


それは、再度召喚される個体の扱いだ。


「バフはかかったままなんだよな」


ラッキースケベの効果は、敵への弱化と、俺自身への強化である。

そして敵を倒すと、強化は消えてなくなる。


だが、敵が消えたにもかかわらず、強化はそのままかかっていた。


「同じ個体が出て来るなら……召喚しまくれる意味は全くなくなっちまうんだよなぁ」


魔物は一度アイテムを盗むと、もう二度とスティールできなくなる。

例えば盗んだのがノーマル品だったとして、レアがまだ残っていたとしても、もう盗めなくなってしまうのだ。

なので、レアが盗めるまでスティールしまくるという行為は出来なかったりする。


「バフがかかったままだし、その可能性の方が高いよな。ま、なんにせよ。まずは召喚できるか確認だ」


そもそも、既にカウントがリセットされていたら話にならないからな。

あ、もう一回、千匹狩りしてまで確認する気はないぞ。

流石に検証のためだけに、無駄に時間をかけるつもりはないからさ。

なので再召喚できなければ、もうそこで試合終了である。


「お」


祭壇に手を置くと祭壇が輝き、再び『きゅああああああああ!』という雄叫びが響いた。

どうやら、カウントのリセットは討伐時に行われる仕様の様だ。


そして結界が発生し、祭壇の向こう側に落ちて来るラーテル。


「やあ、また会ったね」


挨拶を躱しつつ、ラッキースケベをかける。

再会を祝してのパイ揉みである。

そしてそのままスティール。


「おお!」


スティールはダメ元だった。

だが――


「盗めた!」


確変を使ってないのでノーマル品だったが、盗めた。


「ギュアアア!」


「一期一会!また会う日まで!バイバイキーン!!」


揉んで盗んだらもう用はない。

即座に神出鬼没で結界外へと俺は脱出する。

スキルには再使用時間があるが、その辺りは抜かりなしだ。


「よっしゃーーーーーーー!俺の…………勝ちだ!」


結界の外に出た俺は、雄叫びを上げて拳を天に突き上げる。


「まさに完全勝利!正義は勝つ!」


え?

やってる事はただの痴漢からのスリみたいなもんだから、お前の行動に正義は微塵もない?


まああくまでも気分の話である。

俺だって自分が正義だとは微塵も思っていないさ。


良い子は痴漢とスリはしちゃだめだぞ。


「しかし……バフが重複してるって事は、完全に違う魔物って事なんだよな」


盗めただけなら、再召喚の際にその辺りがリセットされただけの可能性もあった。

けど、あれは確実に別個体だ。

何故なら、強化バフが2重にかかっているからだ。


俺のラッキースケベ、通称LSは、同じ敵にかけてもバフは上書きされるだけである。

効果が重複するのは、違う相手にかけた場合のみ。


そして今の俺のバフは重複している。

つまり、再召喚したラーテルは別物って事だ。


「一匹目は一体どこに消えたんだ?」


バフが残っているので、まあ死んではいないと思うが。

謎だ。


「ま、そんな事はどうでもいいか」


そう、あいつがどこに消えてるとか、そんな事はどうでもいい。

重要なのは……


「大スティール祭開催!」


スキルブックが盗める確率は1%程度と言われている。

ボスだけあって、盗める確率は高めだ。

そして俺には【幸運】によるレアドロップ補正が。


今だと23倍くらいかな。


つまり、4から5回に1回の確率でスキルブックが盗めるという事だ!


「大スティール祭開催!!」


そう、俺の未来は明るい。


「大スティール祭開催!!!」



俺はテンション爆上げだった。

この後訪れるしっぺ返しの事も知らずに……

拙作をお読みいただきありがとうございます。


『面白い。悪くない』と思われましたら、是非ともブックマークと評価の方をよろしくお願いします。


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