第33話 初スキル
「2本目ゲット!」
昨日はスライムを9匹狩ってレベル2になった所で帰宅している。
何だかんだで、疲れていたからな。
で、ゆっくり休んで俺は再びスライムを狩りに来ていた。
まあ正確には、2本目のブーストポーションを手に入れるためだな。
初回は初心者だったからここで上げたが、ここで経験値10倍になってるレベル上げをする意味は薄いので、直ぐに次のダンジョンへと向かう。
「やっぱ隠し通路は復活してないか」
やって来たのは、カエルコンビのいる狩場だ。
ちょっと確認したい事もあったので。
なにを確認したかったか?
もちろん――
隠し通路と、そこにある宝箱の復活である。
いや、時間が経ったら、ひょっとして復活してるんじゃないかなと思ってさ。
高ランク帯の宝箱は時間湧きするって話だから、ワンちゃんてやつよ。
スキルアップポーション、超有用だったし。
まあ隠し通路は復活してなかった訳だが……
復活自体しない仕様なのか。
もしくは、もっと時間を空けなければならないのか。
後者であってくれるとありがたいんだけどな。
まあ暇を見つけて、ちょくちょく確認しに来るとしよう。
「こんにちは!そしてさようなら!」
カエルコンビをバッタバッタなぎ倒していく。
流石にこいつらには苦戦しようがない。
動きを完全に把握している上に、装備も更新されているのだ。
ぶっちゃけ、ゲイブスーツ着てたらこいつらの攻撃ほぼノーダメージだからな。
幸運ガードなんてなくても。
まあもちろん顏に喰らったら駄目だけど、流石にそこには喰らわんわ。
「ふむ……これ、別にとっておかなくてもいいよな?」
腰の皮袋に入れていた、とれたてほやほや新鮮そのもののブーストポーションを取り出す。
実はまだブーストポーションを使っていない。
なんかこの辺りで使うのは、もったいない気がして。
いわゆるエリクサー症候群って奴だ。
まあちょっと違うか。
その気になれば、いくらでも手に入る訳だし。
「効果3日で、4日目はクールタイムで再使用できない訳だから……」
3日狩りして、効率の悪くなる4日目は休み。
その休みの日にスライムから盗めば、予備はなくともローテーションの完成である。
なので、ストックしておく意味は薄い。
遠出の際に何本かあったらいいぐらいの物である。
という訳で、俺はブーストポーションを服用する。
鼻に抜ける、柑橘系の爽やかな香り。
舌触りは濃厚で、その甘みは南国の果実を思わせ。
爽やかな喉越しが、俺の幸福感を激しく刺激する。
等という事は全くなく。
「ただの水だな。まあ味とかはどうでもいいか。さっそく狩りだ狩り!」
カエルを乱獲。
まあ乱獲と言うとオーバーだけど、倒しまくっているとあっという間にレベルが10に到達した。
流石10倍と言わざるえない。
旨味成分ぎっしりである。
そしてレベル10と言えば――
「初スキルゲットだ!」
――そう、最初のクラススキル取得だ。
「さーて、どんなスキルが手に入ったかな」
俺はワクワクしながらステータスを確認する。
「怪盗化?」
増えていたスキルはこれ一つだった。
説明を見る限り、変身系のスキルの様だ。
俺は更なる詳細を確認するため、幸運鑑定を行う。
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