表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~  作者: まんじ(榊与一)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/145

第20話 幸運の女神?

「……」


天魔輪廻のクラスは、彼女の宣言通りヒーロークラスだった。


確かにそれは驚きな事だ。

ヒーロークラスは極々限られた選ばれた人間のみのクラスだから、てっきり嘘だとばかり思っていたから。


だが、俺が本当に驚いたのは――その所持しているスキルと魔法の数である。


レベル1で、なんでこんなにスキルと魔法があるんだ?


覚醒してクラスを得ても、シーカーはレベル10までスキルも魔法も習得できない。

それはノーマルクラスでもヒーロークラスでも変わらない。

例外があるとすればユニークスキルだけだ。

スキルブックなんかも、レベル10からじゃないと使えない様になっている。


なのにこの数……

この子は一体……


「おにーさん……今、鑑定したでしょ」


「はっ!?えっ!?」


どういう事だ?

見抜かれた?

鑑定した事を?


俺が昔アルマイヤさんに鑑定を受けた時、鑑定の発動に気づかなかったし、かけられた感覚なども皆無だった。

つまり、鑑定されてもバレる様な事はないのだ。


なのになぜばれた?

スキルにそれっぽい物は見当たらない。

ひょっとして、特殊な鑑定だからか?

通常の鑑定とは違って、幸運鑑定は相手にバレるのか?


「鑑定系のスキルは、使うと分かる人にはわかっちゃうんだよねぇ。だから、許可なく鑑定するのはやめといた方がいいよ。勝手に人の情報を盗む訳だし、攻撃と取られちゃうぞ」


分かる人には分かる?

どうやら、幸運鑑定に限らず、鑑定系のスキルを感知する何らかのすべがある様だ。


「ま、私は気にしないけどね。なにせ天才ですから。私を鑑定したなら、この意味わかるよね?」


「君は一体……」


「私の名は天魔輪廻。世界最高のシーカーになる女よ。覚えといて。じゃね」


唖然とする俺を残し、彼女はさっさとホールから通路へ入って行ってしまった。

普通のレベル1がここでソロ狩りなどしたら、下手したらあの世行きである。

だが、既にスキルと魔法を習得している彼女なら、何も問題ないのだろう。


「本当に何者なんだ?言葉通りの……天才なのか?」


レベル1で大量のスキルと魔法を覚えていたのも、天才ゆえだとでも言うのだろうか?

いや、天才とか言う問題なのか?

常識外だぞ。


「いや、そうか。常識外の存在……それが天才って奴なのかもしれないな」


簡単に凡人の知識や感覚で測れるなら、それは凄い人であっても、真の天才とは言えないのかもしれない。

そう俺は結論付ける。


「そういや彼女のスキルの中に【魔力】があったな。俺の【幸運】と同じような効果なら、冗談抜きで世界最高のシーカーになりそうだな。あの天魔輪廻って子」


天に愛された寵児。

それが羨ましく思えて仕方ない。


「【幸運】すげーとか思ってた自分が馬鹿らしくなっちまう」


【幸運】が凄い事は疑いようがない。

ないが、それでもやはり、あれほどの才能を見せつけられた後だと、どうしてもな……


「この後次のダンジョンに行くつもりだったけど……なんかテンション下がっちまったな。少し早いけど、今日はもう帰って休むか」


いじけててもしょうがない。

へこむのは今日だけにして、明日からは気合を入れなおして頑張るとしよう。


――その日の晩。


「は?」


テレビでニュースを見ていたら、殺人事件のニュースが流れた。

俺はそのニュースに、間抜けな声を出してしまった。


内容は、Eランクダンジョンにいたシーカーを、Cランクのシーカーが大量に殺したという物だ。

陰惨な大量殺人って奴な訳だが……問題はその場所である。


場所は家からそれ程遠くないダンジョンで。

しかもそこは――


俺がゴーレムダンジョンの次に行こうとしていた場所だった。


「もし今日狩りに言ってたら、俺も巻き込まれてたかもしれない……」


【幸運】があっても、しょせんまだ俺のレベルは20だ。

レベル50以上のシーカーに狙われたら、とても自分の身を守りきれたとは思えない。

そういう意味で、俺は九死に一生を得たと訳だ。


まあ遭遇しなかった可能性もあるが……

けど、万一出会ってたらと思うと、背筋が寒くなる思いだ。


「ひょっとして……あの子は俺の幸運の女神だったのか?」


もし天魔輪廻にあそこで出会ってへこまなければ、俺は死んでいたかもしれないのだ。

そう思うと、彼女との出会いは幸運と言える物だった。


「まあ……大量に人死にが出てる事に、自分が死なずに済んだからって幸運どうこう言うのは(はばか)られるが」


まあなんにせよ、恐ろしい世の中だよ。

全く。

犯人のCランクシーカーは、一体何を考えて凶行に及んだのやら。


「早く強くならんとな……」


まあこんな事件はそうそうある事じゃないけど、だからって絶対に巻き込まれ無いって保証もない。

なので早く強くなるに越した事はないのだ。


何かあった時に対処できるのは、結局は力だけだからな。

少なくとも、ダンジョン内では。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


『面白い。悪くない』と思われましたら、是非ともブックマークと評価の方をよろしくお願いします。


評価は少し下にスクロールした先にある星マークからになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作宣伝
最強執事の恩返し~転生先の異世界で魔王を倒し。さらに魔界で大魔王を倒して100年ぶりに異世界に戻ってきたら世話になっていた侯爵家が没落していました。お世話になった家なので復興させたいと思います~
大魔王を倒して100年ぶりに戻ってきた勇者が、没落した侯爵家を執事として再興させるお話になります
素行不良で僻地に追いやられた第4王子、自分が転生者だった事を思い出す~神様から貰ったランクアップで楽々領地経営~
王家から追放された無能な第4王子が転生者である事を思い出し、神様から貰ったランクアップのチートで自領を発展させつつ面白おかしく生きていくお話
ブラック企業務だった前世に懲りて転生先で俺はスローライフを望む~でも何故か隣の家で生まれた幼馴染の勇者が転生チートを見抜いてしまう。え?一緒に魔王を倒そう?マジ勘弁してくれ~
転生先でスローライフしようとしたらお隣さんは勇者で、しかも鑑定でチートクラスを見抜かれてしまう。魔王を一緒に討伐!?冗談じゃねぇ!俺は一市民としてやっていくから放っておいてくれ!!
― 新着の感想 ―
鑑定自体が超絶レアだけど、お金払えば受けれるて事で認知度がある感じか 不思議ちゃん系クソガキ登場!
「魔力」持ち来ちゃったか 日本に偏り過ぎですよ、運営Gさん 今のところ三人しかいないとされててダンジョン内で遭遇することなさそうみたいだけど、鑑定対策はやはり重要っぽいなぁ
うーんクソガキ系厄介女ってありがちになり過ぎてていらんわと思ってしまう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ