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第18話 アンデッド?

「さて……」


レベル上げにやって来たのは、レベル20程の魔物が出るEランクダンジョンだ。

内観はいつもの洞窟タイプ。

そして出て来る敵はレベル20のストーンゴーレムと、レベル19のゴースト。


ストーンゴーレムは人間サイズの岩の体をした魔物で、物理耐久力に優れたタイプだ。

方や、ゴーストは霧の靄みたいな魔物で、物理攻撃があまり効かない厄介な魔物となっている。


ゴーレムの高物理耐久や、ゴーストの物理耐性からも分かる通り、ここは魔法使い系の狩場だ。

なので、基本的にシーフが来る様な場所ではない。

それでも俺がここに来たのは、クリティカルによる物理防御半減があるためだ。

この効果があれば、ゴーレムを倒すのは難しくないはず。

たぶん。


え?

ゴーストはどうするんだ?


ゴーストとは戦わない。

以上。

終わり。


詳しく説明するなら、聖水を使う。

聖水にはアンデッドを退ける効果があり、体にかけておけば30分ぐらいゴースト避けになる。

この効果を利用して、ゴーストの方から避けて貰うって寸法さ。


これはここで狩りをする魔法使いのセオリーでもあった。

ゴーストは素早くて倒し辛いそうなので、魔法使いもこいつらは避けてるという訳だ。


因みに、ゴーレムは動きが遅めなので、ダメージさえ真面に通るならかなり狩りやすい魔物となっている。

魔法使いなら特に。


「協会の支部で買った聖水は5,000円。1時間1万円の出費になるけど……元位は取れるかねぇ?」


ゴーレムの魔石は、買い取り額が1万円程だ。

ドロップ率は20%らしいので、1時間に5匹狩れば期待値的には赤字にならない計算になる。

魔法使い達は当然それ以上のペースで狩る訳だが、俺の場合は一匹倒すのにかかる時間が現状では未知数だ。

いくらクリティカルがあるとしても、レベルと運以外のステータスにも難があるので、1匹も倒せない可能性も十分考えられる。


「まあそこはスティールさんのご機嫌次第か」


シーフには、追加資金獲得チャンスとなるスティールがある。

ただ結構格上なので、成功率に難が出てしまう。

なので、稼ぎは運次第で結構ぶれる事に。


出来れば黒字であって欲しい物である。

レベル上げ優先でここを選んだ訳だが、赤字垂れ流しは楽しくないからな。


「それじゃあ行きますか」


ホールの様な場所から、目印の置いてない通路へと入る。

その際、聖水を振りかける事は忘れない。

後、時間計測のタイマーを動かす事も。


万一聖水が切れて、ゴーストに絡まれでもしたら厄介だからな。


「さて、どの程度ダメージが入るか……」


通路を少し進んだところでゴーレムと遭遇。

此方を見つけたゴーレムがこちらに向かって走って来る。


「スピードは普通の人間ぐらいだな」


ゴーレムは動きが遅い。

遅いが、それは同レベル帯の他の魔物と比べての話だ。

その動きは漫画なんかでよく見る『のっそのっそノロノロ』といった感じではなく、成人男性位のスピードで動いてくる。

なので侮ってはいけない。


by、シーカー協会の魔物データベース。


とは言え、この程度のスピードなら俺にとってどうって事はない。

こちとら子供の頃から体を鍛えているのだ。

しかも覚醒時に、シーフとして敏捷の初期ステータスが10も与えられているからな。

猶更である。


「よっと……」


走ってきたゴーレムのダッシュパンチを躱しつつ、手にしたダガーを振るう。

クリティカルの感触。

が、ダメージは余り通っていない。

ちょっと胴体部分に傷がついただけだ。


「あちゃー、ちょっと見通しが甘かったか」


想像以上の硬さに、半減したうえで思ったよりダメージが通らない。

これだと、下手したら数十発攻撃する必要がありそうだ。


「とりあえず、スティール。それに鑑定も、と」


殴りかかって来るゴーレムの攻撃を躱しつつ、スティールと鑑定を行う。

スティールは失敗。

鑑定は一発成功。


「え?」


ゴーレムの鑑定結果を見て、俺はちょっと驚く。

弱点の欄に思わぬ物があったからだ。

どうやらゴーレムは聖属性に弱いっぽい。


まあだからなんだと言われればそうなんだが、石のゴーレムが聖属性に弱いとかふつう思わないじゃん?


「そういや聖水は――」


ある事を思い出し、俺はゴーレムの攻撃を躱しつつ手にしたダガーを聖水をかけた辺りに擦り付ける。


「聖属性だったよな!」


聖水を擦り付けたダガーでゴーレムを攻撃する。

再びクリティカル。

そして先ほどよりも明らかに大きな傷跡。


「これなら少しはましになりそうだな」


聖水には、微弱だが聖属性が含まれている。

これは結構有名な話だ。


まあ“聖”水な訳だしな。


なのでアンデッド系の魔物と戦う際は、武器に聖水を塗って戦うのがセオリーとして知れ渡っている。


ま、これはあくまでも低レベル帯での話だが。

70や80みたいな高レベル帯になると、効果が微々すぎてほとんど意味がなくなってしまうからな。


「はぁっ!」


聖水の力も合わさってか、結構サクッと倒す事に成功。

一匹倒しただけでレベルが上がった。


「流石、7個上だけあって経験値が猛烈に美味いな。にしても……聖属性が効くって事は、ゴーレムはアンデッドなのか?」


ゴーストと同じダンジョンで出て来るので、その可能性は十分あり得るな。

まあここのゴーレムだけで、他の別種のゴーレムは違う可能性もあるけど。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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