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第16話 アイテムあったのかよ!

「ないな」


最高のスキルに勝鬨(かちどき)を上げたはいいが、所詮俺は低レベルシーフである。

今はまだよわよわなので、地味に強化していかないといけない。


という訳で、俺はスライムダンジョンへとやって来ていた。

なんのために?

もちろん、隠し通路が無いかなと思っての行動である。


スキルアップの書がまた出るとは思ってないが、それでもそこそこいい物が出るんじゃないかと下心満々だった訳だが……


「ないんかーい!」


ダンジョンに入って内部を鑑定したら、光る部分が微塵もなかったので思わず一人で突っ込みを入れてしまう。

どうやら、隠し通路は全てのダンジョンにある訳ではない様だ。


「まあドロップもないようなダンジョンだし、しょうがないか」


取りあえず、近場のダンジョンを見て回るとしよう。


「おっと」


足元に近寄って来ていたスライムの攻撃を躱す。

そしてそのまま蹴り飛ばそうとしたが、それを止めて俺は後ろに飛びのいた。


「一応鑑定でもしとくか」


まあ全く意味はないだろうが、せっかくだしな。


「んん?」


鑑定を数度発動させ、成功。

そこで出た思わぬ鑑定結果に、俺は驚く。


「アイテムあるじゃねーか!」


俺の幸運鑑定は効果レベルが2に上がった事で、魔物が落とすアイテムや盗めるアイテムまで確認できるようになっていた。

そして鑑定結果の中に、アイテムがあったのだ。


「まあでも、これじゃない扱いでも仕方ないか」


スライムがまた突っ込んで来たので、俺はスティールしてから蹴り飛ばして倒した。


「ノーマルドロップはない訳だし、スティールの方もノーマルが無いんじゃな」


これまで、スライムはアイテムを落とさないと言われて来た。

それは正しい。

実際、ドロップリストにはアイテムがないのだから。


そして、誰かが検証でもしたのだろう。

スティールでも何も手に入らないというのが、シーカー界の常識となっていた。

それも仕方ない事である。

何故なら、ノーマル品がないからだ。


――だが、スティールのレア品だけは存在していた。


「レアスティールなんてかなり低確率だからな、そりゃちょっと検証したぐらいじゃそれがあるなんて気づく訳もない」


そりゃノーマル品のないスライム相手に、「レア品はあるかも!」なんて考えで何百回何千回とスティール決めたりはしないだろうからな。

気づけるわけもない。


まあ、気づいたうえで隠してたという可能性も……


「レアアイテムの名前からして、超有用アイテムの可能性があるからな」


名前だけなので確実な効果ではないが、その情報を独占したいと考えたなら、気づいても秘匿している可能性は十分考えられる事だ。


「にしても……ブースターポーション。どんな効果があるんだろうな。ちょっとスティールしまくってみようか」


今の俺のレア入手確率は、幸運の効果でだいたい30倍になってる。

なので、ワンちゃん手に入る可能性も……


「うーん、むりかぁ……」


とか思ってたが、半日粘って成果0だった。

世の中そんなに甘くないな。


「って、ああ……そういや30倍じゃなくて4倍だった」


終わってからふと気づく。

20%アップの15倍は300%アップ。

つまり4倍である事に。

我ながら間抜け極まりない。


「スライムのレアスティールは気になるけど、4倍程度でこのまま何日もチャレンジっての流石にあれだし……とりあえず今は諦めるか」


運を上げて【幸運】のレベルも上がって行けば、レア入手率は更に上がっていく。

挑戦するなら、そうなってからの方が効率がいいだろう。

SP問題不足も楽になるだろうし。


レアアイテムを今入手する事を諦めた俺は、スライムダンジョンを後にするのだった。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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