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第134話 いてぇ

「くっ……」


敵の攻撃が躱し切れずに、その鋭い爪が俺の肩を削る。


残り22匹……


倒しているのは全て3色のネズミだ。

強敵度で言うなら透明の方が厄介だが、各個撃破は3色ネズミを優先して行われていた。

何故なら、透明ネズミは各個撃破が難しいからだ。


転移があるからな……


各個撃破は、大城光が敵を引き寄せ、竜崎守がその体の一部を掴んで捕縛しつつタコ殴りという形で行われている。

だが、透明ネズミは転移でそれを容易くすり抜けてしまう。


そして戻って来るのだ。

スポットライトの当たる俺の元へと。

ふ、人気者は辛いぜ。


いやほんとマジでつらい。

今の状況は。


後、透明のネズミは近接攻撃に対するダメージ反射もあるからな。

可能な限り、シヴァティの遠距離攻撃でダメージを蓄積させておきたいってのもある。


まあとにかくそういう理由で、まずま3色から始末していってる訳だが……


「ふっ!」


敵の攻撃を紙一重で躱し、ワイヤーを使って大きく動く。


ギリギリだな……


とにかく、消耗が激しい。

出来れば引き延ばしたい所だが、そろそろ休憩を入れないと厳しくなってきた。


しょうがない、勿体付けずに使うか。

最悪、足りなければ死んで全快って手もあるしな。

なんで、次の回復に合わせよう。


神崎エデンは攻撃に参加しており、定期的に回復を飛ばしてくれる。

そのタイミング。

俺のダメージがなくなる瞬間を狙って仕掛ける。


「来た!ここだ!!」


回復が飛んできて、肉体が全回復した。

そのタイミングに合わせて、俺は発動する。


必殺の一撃。

クリティカルブレイクを。


「喰らえ!」


真横に転移して来た、透明ネズミに向かって。


「ぢゅううううううう!」


凄まじい閃光。

そして――


「ぐううううう!」


それと同時に俺の全身に凄まじい衝撃が走り、一瞬頭の中が真っ白になる。


「くっ……」


俺はなんとか歯を喰いしばり、霧散しそうになっていた意識を繋ぎとめた。


「あっぶねぇ」


危うく大ダメージに気を失う所だった。


ああ、別にネズミから攻撃されてダメージを受けたわけではないぞ。

今のは反射ダメージだ。

ネズミは近接物理攻撃への反射能力を持っているため、ダメージを反射されたのである。


その反射率は2割。

反射ダメージにもクリティカルガードは発生し――ただし反射ダメージに反射は発生しないので、反射ダメージの無限リレーなんかは発生しない――そこから99%ダメージがカットされので、最終的に俺が受けるダメージは本来の500分の1程となる。


500分の1になったダメージで気絶しそうになるとか、大げさ?


そんな事はない。

俺の必殺のクリティカルブロウは装備などで色々強化しているので、今や低レベルのSランクボス如き1撃で吹き飛ばせるレベルになっていた。


耐久力のくっそ高いSランクボスを一撃。

そのダメージ量は並みの攻撃とは一線を画す。

そのため500分の1でも、意識を失いそうなダメージになる訳だ。


正に諸刃の剣!


あ、因みに、反射ダメージで最悪死ぬ事も考えられたので、ちゃんと安全性は事前に確認してある。


勇気に質問して――


Q:クリティカルブロウの500分の1のダメージを受けたら、俺は死にますか?

A:別にそのぐらいじゃ死なないんじゃないですかねぇ。しらんけど。


―—といった感じの雑な回答を貰い。


まあ想像以上の痛みに意識は飛びかけたが……


「ぢゅああああああ!!」


動きが止まった俺に、魔物どもが殺到して来る。

SPMPはギリギリで、反射ダメージで体もボロボロ。

こんな状態じゃ、当然奴らを捌くことは出来ない。


じゃあどうするのか?

簡単だ?


締め出す!

そう!

締め出す!


スキルで!


絶対領域(セーフティーエリア)!」


これは俺の半径5メートルに結界を発生させるスキルだ。

結界に弾かれたネズミ共が吹き飛んで行き、俺の周囲は休憩し放題の安全地帯へと変わる。

もちろん、転移で内部に入り込むことは出来ないぞ。

まさに絶対領域よ。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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