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第132話 器用な

3色ネズミの棘の生えた尻尾が足首を掠める。


「く……」


器用にしっぽ使いやがって……


鋭い痛みに顔を歪めるが、もちろんそれでも動きは止めないが。

そんな事をしたらタコ殴りに会ってしまう。


こっちはダメージ99%カット。

更に体力がプラス100されて、防御力は大幅に上がっている状態だ。

装備だって、以前とは比べ物にならない程に充実している。


それでも、攻撃が掠っただけでこの有様だ。

流石レベル97ボスだけはある。

正確には取り巻きだが、ボスが戦闘参加しないタイプなので、実質こいつらがボスのような物である。


「ミステリアス!」


透明の転移攻撃にプラスされた遠距離の冷気攻撃。

躱すのは不可能と判断し、ミステリアスでやり過ごす。


敵の中でも最も厄介なのが、この透明のネズミだ。

冷気、雷の遠距離攻撃とのコンボは本当に躱しづらい。

お陰でMPをゴリゴリ消費させられてしまう。


冷気と雷攻撃は、基本的にネズミ達の隙間を縫うように俺に向かってくる。

近接攻撃して来るネズミの脇をすり抜けて、という状況は非常に回避し辛いのだが……俺には勇気から貰った魔眼がある。

そのため、俺に関しては、実は回避自体は難しくなかった。


問題は、透明のネズミがこの遠距離攻撃を反射する性質を持つ点だ。


透明は短距離転移、縦横無尽に動いて来る。

この機動力を生かし、俺が遠距離攻撃を躱した瞬間に背後に現れ、攻撃してくるのだ。

こうなると、透明ネズミの近接攻撃に加え、超近距離で反射された遠距離攻撃も同時に対応せざる得なくなる。


これが難しい。


真っすぐ跳ね返してくれれば楽なのだが、この透明野郎、此方の動きを予想して角度を微妙に変えて反射してきやがるのだ。

それでも1対1なら躱し切る自信はあるが、如何せん、他のネズミに囲まれてる動きの制限された状態である。

そんな状態でこの嫌らしい攻撃を完全に躱し切るのは、俺程度には無理だ。


勇気や竜崎レベルでもきつい筈。

まあきついだけで、この二人ならやってのけそうってイメージはあるけど……


まあとにかく、俺には対処が難しいので基本ミステリアスでやり過ごす事になる訳だが、ミステリアスはとにかく消耗が大きい。

以前に比べてレベルアップした事でMPの総量が増えているとはいえ、こう何度も頻繁に使っていればすぐガス欠になる。


かと言って、アイテムで回復している余裕もない。

いわゆるジリ貧という奴である。


仕切り直ししたいが、敵はまだ6匹しか減ってない……


マップ表示で敵の数や位置は正確に把握している。

戦いが始まって5分経つが、減った数は6匹だけでまだ24匹も残っていた。


基本的にシヴァティが範囲爆弾を俺の方に投げる以外は全員単体攻撃で、ネズミを各個撃破していってるのだが、とにかく初撃を耐えた3色ネズミと透明ネズミは耐久力が半端ない。

あの二人の超火力攻撃を喰らってなお、倒すのに時間がかかってしまう。


まだまだ時間がかかりそうだ。


因みに、天魔はあの黒い太陽を除けば、範囲攻撃より単体攻撃の方が火力を出せるタイプだ。

だが敵の数が多いので、シヴァティと同じく範囲攻撃した方が総ダメージ量はあがる。

にも拘わらず彼女が範囲攻撃しないのは、数を確実に減らして俺の負担を減らすってのと……下手に範囲攻撃したら俺に当たってしまうからだ。


フレンドリーファイヤまで気にしながら回避とか、やってられんからな。


ああ、じゃあシヴァティは良いのかってなるよな。

彼女の場合は問題ない。

あの爆弾は、俺には一切ダメージを与えないから。


そう、爆弾の攻撃は俺には効かない。

なぜなら……敵味方識別式の範囲マップ攻撃だからだ。


なんで爆弾で敵味方識別できるんだよ?


もちろん爆弾にそんな機能はないぞ。

敵味方の識別をしてるのは、シヴァティのユニークスキル【器用】の効果だ。


器用な爆弾魔。

それがシヴァティである。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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