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第124話 新人

キャッスルギルド会議室。

今日はそこを借りて、とあるミーティングが行われる。

レベル97ボス、グランドマザーラット討伐のミーティングだ。


超高難易度であるボス戦を、ぶっつけ本番という訳にも行かない。


「へい!ファントムG!」


会議室に入ると、扉の前にいた金髪碧眼。

少々軽薄そうな、整った顔立ちの白人が声をかけて来る。


彼の名はアレックス・フォーミュラ。

グーベルバトルではスピードスターと名乗っている、ユニークスキル【敏捷】持ちのシーカーだ。

元々はアメリカの大手ギルドに所属していたが、ランクアップポーションの提供と引き換えに、彼は天魔輪廻のパーティーに参加する事に。


「ん?」


腕に付けた勇気が振動したのでモニターを見てみると――


『負け犬のカトンボ野郎さん。元気にしてましたか?』


―—と、思いっきり悪口が表示されていた。


実は勇気、アレックスを嫌ってたりする。

理由は多分、天魔が『アレックスの顔だけは滅茶苦茶好み』と褒めていたからじゃないかなと。


ま、要は嫉妬だな。

勇気は天魔に気があるっぽいし。


「もうレベル90になったみたいだな」


俺に言わせたかったんだろうが、勇気のメッセージは華麗にスルー。


「イエス!次にゲームで会う時は、俺が勝たせて貰うぞ」


アレックスは、以前俺に負けたリベンジを望んでる様だ。


「そうか。どれだけ強くなったか、お手並み拝見と行こうか」


レアクラスに上がって以前より手ごわくなってはいるんだろうけど……まあそれでも俺が勝つけど。

なんだかんだ言って結構な差があったしな。

ヒーロークラスならいざ知らず、レアクラスには負けないさ。


「Gさんこんにちはー!」


席に座っていた大城光が立ち上がり、こちらに駆け寄って来る。


ダイナミックな揺れ。

何がとは言わない。


「君も90になったようだな」


「はい!アレックスさんと一緒にがんばりました!」


ランクアップポーションを使うと、必要経験値は10倍になる。

経験値アップポーションをふんだんに使えた俺とは違い、限られた数しかないのに、良く数か月でレベル90以上まで上げた物だ。

かなり頑張ったのだろう。


「はいはーい。メンツも揃った事だし早速ミーティングを……っと、その前に彼女を紹介しておきましょうかね」


会議室の奥にある、大型スクリーンの前に発っていた天魔が一人の人物を指さす。

性別は、彼女と言っているのでまあ女性なのだろう。


女性かどうかみて分からないのか?


うん、分からない。

だって黒いフード付きの、だぼだぼのローブを身に着けているから。

体型とかも良く分からないし。


「……」


指さされた女性が立ち上がって振り返る。


かなり背が高いな。

たぶん190ぐらいはあるんじゃないだろうか?

フードの隙間から見える僅かな肌は褐色だが、顔立ちまではハッキリとは見えない。


「彼女はシヴァティさん。新しく私達のパーティーに加わった新人さんね」


「シヴァティです」


声は若干低め。

年齢はフードのせいで良く分からんが、首元に皺とか見えないのでたぶん若いんじゃないかな。


あと、紹介の際に苗字がないのは……まあきっと、なんか事情があるのだろう。

名乗れない。

もしくは外人ぽいので、苗字がない国の人とか。


「彼女のクラスは、ヒーロークラス『爆弾魔(ボンバーデビル)』よ」


ヒーロークラスの爆弾魔(ボンバーデビル)……


名前だけだとヒーローと完全に対極な名前のクラスだな。

まあヒーロークラスって定義は俺達人間が勝手につけただけだから、そぐわないも糞もないんだろうけど。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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