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第122話 壁

「そういえば、昨日のバトル見たよ。惜しかったね」


「いや、全然惜しくねーよ」


昨日の夜、1回だけグーベルバトルに参加したのだが、聖はそれを見ていたみたいだ。

対戦相手は――


「そう?彼女のダークナイトを倒せたんだし、あと一歩って所じゃないかい?」


―—天魔輪廻だ。


結果は俺の負け。

まあ相手はヒーロークラスの天才だから致し方ない。

言い訳させて貰うなら、グーベルバトルのルールだと俺はフルパワーで戦えないしな。


因みにコインは表だった。


「天魔はあの状態からでも、ものすっごい粘るんだよ。だから実は全然追い込めてない」


ダークナイトは、天魔が召喚する騎士だ。

タンクタイプで戦闘能力は高くないのだが、彼女との戦いではコイツの存在が死ぬほど厄介だ。

なにせ、天魔へのダメージはコイツが全て吸収してしまうからな。


つまりこいつを何とかしない限り、天才っ子にはダメージが与えられないって訳である。


ただあいつ、滅茶苦茶HP高いんだよな。

それこそボスレベルの。

まあ頑丈な事頑丈な事。


しかもダメージ転移は、なんと俺の虎の子ともいえる反射(クリティカルガード)にも適用されるくそ仕様。

だから天魔の奴、反射なんてお構いなしにバンバン強力な範囲魔法ぶちかましてきやがるんだよな。


それにあいつ自身も他の防御手段が色々あるから、ダークナイトを倒したからって別に勝てる訳でもないって言う。


いーやまじで糞強い。

流石天才としか言いようがないね。

せめて幸運ゲージが溜まってくれりゃワンチャンあるかもだけど、対人戦だと全然溜まんねーんだよな。

これが。


という訳で、今の俺じゃ天魔輪廻に勝つのは無理ゲーです。

まあヒーロークラスに期待だ。


「なるほどね。流石レジェンドランクだけはあるって事か」


「ああ」


グーベルバトルは9段階にクラス分けされている。

一番下から銅級下位(ローブロンズ)銅級上位(ハイブロンズ)銀級下位ローシルバー銀級上位ハイシルバー金級下位ローゴールド金級上位ハイゴールド白銀級下位ロープラチナ白銀級上位ハイプラチナ

で、一番上が伝説級(レジェンド)ランクだ。


レジェンドランクは、全体を通して3人だけしかおらず。

その3人が、暫定上ではあるが、シーカー界におけるトップ3って事になっている。


あくまでも暫定な。


報酬を考えたら余程の事情がない限り殆どの奴が参加してるだろうとは思うけど、ひょっとしたら参加してない強い奴がいる可能性もある。

それに現実だと装備や環境の差異があるからな。


だから、実際のトップ3がその三人とは限らない訳だ。

まあとはいえ、その3人が限りなく天井に近い実力だってのは疑い様はないが。


因みに俺はハイプラチナ。

で、聖はロープラチナだ。


人数的にはそれぞれ100人ぐらいだな。

レベルが95しかない俺がトップ100圏内(レジェンドは除く)の中に入れてるのは……ぶっちゃけ、レベル90代の戦いで綺麗に10連勝できる奴らが凄く限られてるからってのが大きい。


レベル95で、圧勝状態の10連勝と。

レベル99の、泥仕合でギリギリの10連勝だと。

ポイントは前者の方が上になる。


そもそもレベル90台だと、10連勝自体、出来る奴と出来ない奴とに綺麗に分かれるからな。


因みに、ポイント操作の不正は無理だそうだ――勇気談。


ゲームログイン時に戦意や感情を計測するシステムがあって、そういった目的でのマッチは通らない様になっているらしい。

それと、ポイント目当ての消化試合——即座に降参して負けポイントだけでも得ようとする行為――の場合は、ゲームの用意したマスクデータとマッチする仕組みになっている様で、意図していないとは言え、他人にポイントを譲渡する事は出来ない様になっているとの事。


まあ俺は初戦、秒で降参してる訳だが……


あれは相手からの精神攻撃で心が折られての敗北だから、システムに引っかかるものではなかったとだけ言っておこう。


これと同じで、竜崎守に当たった。

『おわた!降参!』なんかも、システム上で弾かれたりはしない様になっている。

まあ相手がレジェンドじゃ、そりゃしょうがないもんねー。


あ、そうそう。

半年前にグーベルバトルの大会が開かれたんだけど、その時の俺の個人成績は32位だ。


そこで竜崎守に当たったとだけ言っておこう。


見事な壁だったね。

もうほんと見事な壁。


まあ他のメンツなら勝ててたかと聞かれると、それはそれで結構微妙だったので、今の俺の実力はベスト32前後ぐらいが妥当だと思って貰えればいいだろう。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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