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スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~  作者: まんじ(榊与一)


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第114話 別

「マジか……」


爆炎が収まった時、そこには何もなかった。

一撃でルーンリッチのHPを吹っ飛ばしたという事だ。


いや、一撃ですらない。

まだ黒い太陽は2発残っているので、3分の2の力で削り切った訳か。

馬鹿みたいな破壊力である。


ボスエリア中心付近に、赤い巨大な心臓が現れる。

ライフベッセルだ。


破片も残さず粉々にされているためか、ライフベッセルから骨が生える形で第二形態が形成されていく。


そこに――


「もういっちょ!」


―—天魔輪廻が残り二つを放つ。


それは肉体を再生させたリッチに直撃し、再度強烈な爆炎が上がり、爆風に全身を煽られる。


4発で敵の全てのHPが消し飛んだのだ。

当然、復活した際の3割のHPではその2発に耐えられるわけもない。


爆炎が収まったとき、エリアの中心にはボスドロップが落ちていた。


「どんな火力してんだよ。グーベルバトルで当たって、あんな魔法喰らったら確実に即死だな」


レベル帯的に、天魔輪廻と当たる可能性は十分考えられる。

なにせ竜崎守とも当たってる訳だしな。


「なーに、『当たらなければどうって事はない』って赤い人も言ってますし。躱せばいいんですよ。躱せば」


「気軽に……いやまあ確かに、躱そうと思えば簡単に躱せるか」


神出鬼没で逃げることは出来ないが、ミステリアスを使えばどんな強力な攻撃だろうと無効化できる。

そう考えると、俺にとっては脅威たりえない訳だ。


「どう?これが天才魔法使い天魔輪廻ちゃんの力だよ。竜崎伯父さんにも負けてないでしょ」


天魔輪廻がドヤ顔でそう言ってくる。

ちょっとむかつく顔だ。


けど……竜崎守とは方向性が若干違うけど、シーカーとしての実力がトップクラスである事はガチだからな。

なのでドヤ顔をも止む無しではあるか。


「恐るべき破壊力ですね。キャッスルギルドに入って頂けるのなら、最高級の待遇をお約束します。一考して頂けませんか」


大城恵が天魔輪廻を勧誘しだした。

まあ気持ちは分かる。

彼女が一人いるだけで、Sランクのボス戦の難易度は激変するだろうからな。


それに天魔輪廻を引き入れる事が出来れば、同時に竜崎守とボスを召喚して見せた神崎エデンもついて来るだろうし……


「あー、ごめんなさい。この前も言ったと思うけど、私達、大きな団体に所属する気はないんだー」


「そうですか。残念です」


「ごめんねー。じゃ、もう一セット行きますか!」


「もう一セット……」


「エデンさんは日に3度までボスを召喚出来るんだよー。エデンさんお願いねー!」


ボスを3回も呼び出せるのか。

羨ましい能力だな。

いやまあ、今の俺じゃとてもじゃないけど、3回は愚か2回連続で討伐も出来ないから、仮に持ってても宝の持ち腐れではあるけど。


「【闇の再臨(ダークリフレイン)】!」


天魔輪廻が暗黒のロッドのスキルを発動させると、その頭上に再び黒い太陽が6つ頭上へと生成される。


あの火力をもう一度無消費で出せるとか、かなりえぐい効果だ。

まあ、天魔輪廻の超火力があって初めて出来る芸当な訳ではあるが。


神崎エデンがドロップを拾ってから祈る。

そしてボスの登場と同時に、その彼女を竜崎守が遠くに引っ張り。

天魔輪廻の魔法が炸裂する。


そして復活。

再度吹っ飛ばすの一連の流れで、二セット目もサクッと終了。

もう完全に作業である。


「そういや、エリアダメージが発生していなかったな」


「HP50%で発生する効果は、51%以上ある状態から、一気に削られたら発生しないみたいですね。2段階目のダメージ強化も、1段階目ありきですし。ま……ちょっとしたバグですね」


「バグか……」


バーサーカーラーテルで酷い目に遭った事を思い出す。

同じような事は起きないだろうな?

まあ天魔たちの場合、ボス部屋に放り込まれても自力で何とかするだろうけど。

彼女達にはそれだけの力がある。


「じゃあ最後にもう一回!」


天魔が手にしていた暗闇のロッドを魔法で生み出した空間(インベントリ)にしまう。

そして、暗闇のロッドを取り出した。


「何やってんだ?」


「どうやら、暗闇のロッドを彼女は既に1本持ってたみたいですね。それと持ち替えたみたいですよ」


「?」


持ち替えたからなんだって言うんだ?


「【闇の再臨(ダークリフレイン)】!」


天魔が叫ぶと、再び例の魔法が頭上に生成される。


「——なっ!?」


「こうなる訳ですよ。装備にあるスキルは装備に帰属してますんで……同じスキルでも、別の物とはクールタイムを共有しません」


「つまり……暗闇のロッドを多量に所持していれば、その数だけ天魔輪廻はあの魔法を無消費で放てる訳か」


滅茶苦茶エグイぞ。

流石1万分の1である。


「まあ、もう手に入りませんけどね」


「どういう事だ?」


「先着1本のみの特殊レアドロップですから。なので残念ながら、次からはレア確定でももう出ません。別の普通なレアアイテムが手に入るだけです」


限定一本か。

そんな特殊レアもあるんだな。


あれ?

でも……限定一本なのに、なんで天魔輪廻は1本持ってたんだ?


まあ、ルーンリッチからは一本しか取れないってだけで、他なら手に入るのかな?


「燃え尽きなさい!」


天魔輪廻の手によって、三度ルーンリッチは討伐される。

1日4回も討伐される羽目になるとか、ルーンリッチも気の毒なこった。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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