第99話 なんか気になる
【ランキングを】グーベルバトルってどうよ?25【制覇せよ】
563 この名無し野郎!
おいおい、ゴキブリが竜崎守と戦ってたぞ
564 この名無し野郎!
結果は?
565 この名無し野郎!
30秒
まあ秒殺だ
566 この名無し野郎!
所詮はイロモノ枠か
567 この名無し野郎!
いや、明らかにあいつ強いぞ
568 この名無し野郎!
30秒でやられたのに?
569 この名無し野郎!
途中までそこそこ戦えてたし
最後の方は竜崎の動きがあからさまに激しくなってたから、たぶん究極スキル使ってる
570 この名無し野郎!
究極スキルって何?
571 この名無し野郎!
ググレカス
572 この名無し野郎!
ググレカス
573 この名無し野郎!
ググレカス
574 この名無し野郎!
ググレカス
575 この名無し野郎!
お前ら厳しすぎだろ
まあ俺も教える気ないけど
576 この名無し野郎!
要はあれか
竜崎に究極スキル使わせるぐらいには強いって訳か
怪盗の奴は
577 この名無し野郎!
他の奴らとかタンカー以外10秒もたずに終わってること考えると、まあイロモノ枠にしてかかなり強い方なんじゃね?
知らんけど
578 この名無し野郎!
つかお前ら、強いとか強くないとか以前にとんでもない事があるのになんで気づかねーんだ?
579 この名無し野郎!
なに?
580 この名無し野郎!
レベルだよ
れ、べ、る
明らかにおかしいだろ
581 この名無し野郎!
ああ、そういや竜崎って95になってるんだよな
あいつ先月は93だったのに
どんなペースで上がってるんだよって話だ
582 この名無し野郎!
さすが化け物
レベルアップの方も化け物級ってか
583 この名無し野郎!
いやいやいや!
竜崎の方じゃねぇって!
怪盗Gの方!
あいつ先月確かレベル80でバトッてたはず
それがもう93になってるんだぞ
584 この名無し野郎!
あ、そういやそうだった!
出初めにちょろっとしか戦ってなかったから忘れてたわ
585 この名無し野郎!
え?
1か月でレベル13も上げてるって事?
レベル80代以上で?
586 この名無し野郎!
何かのバグじゃねーか
そんなの絶対無理だし
587 この名無し野郎!
レベル80代って、普通は年単位でレベル上げるんだよな?
そんなスピードで上げられるもんなのか?
588 この名無し野郎!
無理無理。
強力なユニークスキルを持ってる様な奴らで固まったレアクラスパーティーでも、年に数レベルが限界
90ならもっと時間がかかる
589 この名無し野郎!
俺の知り合いの人、90から1レベル上げるのに2年かかってたからな
竜崎と天魔の化け物がいる様なパーティーで月2レベルだし、どんなパーティーならそんなにレベルが上げられるんだよって話だ。
590 この名無し野郎!
じゃあやっぱバグかチートなんじゃね?
591 この名無し野郎!
マジかよ!
通報しないと!
592 この名無し野郎!
ゴキブリ最低だな
俺も通報しとく
593 この名無し野郎!
俺も俺も
594 この名無し野郎!
通報しました
595 この名無し野郎!
通報!
通報!
596 この名無し野郎!
俺もこのビッグウェーブに乗るぜ!
通報!
597 この名無し野郎!
変態ゴキブリ滅ぶべし!
通報!
598 この名無し野郎!
変態とゴキブリを見たら通報するのは当たり前だよな?
その二つが合わさって最強に見えるんだから、そりゃ通報よ
◆◇◆
その日、『ゴキブリ通報』の二文字が、SNSのトレンドに乗る事に。
但し、大量の通報に対してシーカー協会から出された公式発表は『不正なし』であった。
その事から、とんでもないレベル上げ方法があるに違いないという噂がネットでは流れる事になり、効率的なレベル上げを求めるシーカーから怪盗ダブルGに向けての熱いラブコールがなされる事に成るが……
残念ながら怪盗ダブルGの驚異的なレベル上げ方法。
それが世に晒される事はなかった。
◆◇◆
「ヘーックション!」
なんか急にくしゃみが出た。
誰かに噂でもされているのだろうか?
「ま、されてたとしても、きっとろくでもない噂なんだろうけど……」
なにせ世間の評価だと、イロモノ変態枠だからな。
良い噂が出る要素は皆無だ。
「にしても……全然ゲージが溜まらないな」
幸運ゲージは、幸運の影響する行動で溜まっていく。
溜まり方は、クリティカルが一番少なく、次いで幸運ガード、ドロップ、レアドロップの順に高くなっていく。
まあ要は、一度の戦闘でより頻繁に発生するものほどゲージの溜まりが悪いわけだ。
で、既に2日位狩りをしているのだが、これが全然溜まらない。
この調子じゃ、クリティカルブレイクの試し打ちがいつ出来る事やら。
「基本的にこのゲージは、自分から見て相手が強ければ強い程溜まりやすくなる仕様です。ですんで、普通に処理できる魔物程度じゃたいして溜まりませんよ」
「あー、そうなのか」
「ええ。なので、強いボスとかならガンガン溜まりますよ」
「ボスねぇ……Aランクは湧いてないし、そもそも狙える範囲がもう狭いからなぁ」
今の俺のレベルは93なので、狙えるのは89のボスのみだ。
それが都合よく湧いている訳もない。
「かと言って、Sランクってのは……」
武器は既に新調しており、ブーストと合わせて火力は相当なものとなっている。
だがそれでも、Aランクボスの数倍強いと思われるSランクボスにソロで挑むというのは、中々覚悟がいるものだ。
いやまあ、逃げる手段があるんだから、きつけりゃ逃げればいいだけって気もするけど……
「物は試しって言いますし。一度試してみては如何です?レア確定も残っていますし」
「うーん、まあそうだな」
勇気も促しているし、まあトライしてみるか。
「どれどれ」
取りあえずこのダンジョンのボスはどうかと思い、俺は二つあるボス部屋を確認するため鑑定マップをスクロールする。
Sランクダンジョンはかなり広いため、マップはスクロールしないと全体を確認ができず、戦いながらの把握はむつかしい。
「まあ戦うなら91の方だよな」
Sランクダンジョンには、ボスが複数存在している。
そしてここのボスは、レベル91と93の2種類だ。
「あー、今からちょうど狩る所みたいだな。パーティーが入ってい……え?」
レベル91のボスを確認すると、ちょうどボスエリア前に28人——4パーティーが集まっていた。
これからボスを討伐するのだろう。
残念と思いながら見ていると、そのうち1パーティーがエリア内に入った所で――
「おいおいおいおい!ボスが動き出したぞ!」
ボスはエリアに入っただけでは動きださず、ある程度近付いて初めて動き出す仕様だ。
にもかかわらず、1パーティーが入った瞬間動き出してしまった。
ボスが動き出せばエリアに結界がはられ、出入り出来なくなる。
つまり、既に中に入っていた1パーティー以外は締め出されたという訳だ。
「なんで入った瞬間動き出したんだ?」
「攻撃したんじゃないですか?近づかなくても、遠距離攻撃を当てれば動き出しますんで」
「あ、そうなのか……」
意図的に動かした?
いやでも、1パーティーしか入ってない訳だが?
「1パーティーと3パーティーの討伐が被って、1パーティーの方が討伐する事になったとかか?」
まあ一応筋は通っているが、違和感を感じてしょうがない。
「どうでしょうねぇ?Sランクダンジョンのボスは手ごわいので、あんまり1パーティーで討伐するって事はない気がするんですけど」
「そうだよな。なんだか気になる……」
「じゃあ見に行ってみましょう。見学するだけならタダな訳ですし」
「まあそうだな。ただの思い違いなら、さっさと離脱すればいいだけだもんな」
俺は神出鬼没を使い、ボスエリアから少し離れた場所へと転移した。
拙作をお読みいただきありがとうございます。
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