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オトメチカ  作者: 感 嘆詩
第2章 延胡索
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鳥葬の魔法少女と鳥巣の魔女

 魔法少女集会御簾の帽額(カーテンヴァランス)に実際の統治を、そして女郎花の領主殿にこの地の庇護を頼み、自分たちは新天地へと旅する途上、馬車に揺られお昼寝の最中にまた夢を見ました。

 夏都シダレモモさんの契約モンスターによる夢の世界(エンプーサ)の様なリアリティと自由さはなく、魔法少女がもつ夢見の魔法の様にファンシーで示唆に富むものでもなく、おそらくこれは、《未来視の魔女》の弟子として、発現した魔法。不自由で、見よ、と強く訴えかけてくるその魔法によって、私は師匠の記憶を覗きました。

 これは、昨晩の地獄トレーニングが終わった後でしょうか?そうは見えない御簾の帽額最年長、至福(マカローン)ロールリエさんが湯桶と手拭いで千日紅(ちかく)師匠の玉体を磨いております。ありがとうございます。



「一時期、魔法少女になる前の、随分と幼い頃に戻った(・・・)木瓜(モッカ)さまのお世話をしていました。幼い木瓜さまが話される、流浪の日々を共に旅した御姉様。あなたとそっくりなんです。泥濘に塗れた様な碧眼に、鍍金(メッキ)の剥げた金髪」



 このバ、年、……これはモカ姐さんの口から出た言葉でしょうか、至福さんが伝聞で感じた印象でしょうか?どちらにせよモカ姐さんは詩歌の教養が無かったようですね我が千日紅派では必須科目にしなければその瞳はまだ日が沈まない星が昇る前の空その髪は初夏の農村、登熟の最中の麦畑。少女(誕生)淑女(成長)老女(衰亡)の三相持つ地母神の、更にその狭間を行き来する偉大なる魔法少女。



「小さな小さなしかし超常の奇跡たる魔法を使う、小鳥を従えた少女。その御姉様によって、木瓜さまは魔法を信じ、魔法少女になった。あなたは、まるで未来が見通せる様に夢見の魔法を扱うそうではありませんか。時間を操る第六属性の魔法を、あなたは使えるのではありませんか?」



 あ、なるほど。未来視の魔女と知らない人からすれば、普段は0階級に偽装した6階級以上の魔法少女であると考える方が確かにまだ現実的です!何しろ魔法少女以外に魔法が使える存在が存在しているなんて、思いもよらないですからね!しかも強い!

 さあ師匠!適当にはぐらかすのです!沈黙は金、雄弁は銀、曖昧は賢者の石!いくらでも価値を生み出せるのです!



「そうか、そうかそうか。モカ姐のいた時代に、私がいたと、そう言うのか」



 ああ!悪手!師匠は至福さんの発言を復唱しただけです!だけですが、なんかその、普段から発するカリスマ・オーラの影響もあって真の黒幕感でてます!良くない誤解のされかた!ほら!ここで命に替えても排除すべき巨悪……!みたいな顔つきになってますよ至福さんが!



「0階級の私には使えないけれど、なるほど、魔法の可能性は無限大だ。いずれそこへ辿り着けるのかな。私でも。貴重な情報をありがとうマカ姉。人生に光明が差した気分だよ」



 うおおおおお。輝くかんばせ!いま世界は払暁!黄金の秋へ至りました!()()へ同時に向かう途上!二律背反(ダブルスタンダード)の権化!しかし師匠ならば許される!何故なら魔法少女の神様だから!

 ほら!先ほどまで無駄死にを覚悟していた至福さんから殺意が消え失せ、呆然としています!あの笑顔にあてられてしまったのですね!先ほどの失礼な発言も許しましょう!入信されるがよろしい!



「千日紅さま。どうか、どうか、私はどうなってもかまいません。あの子達をお救いください」


「保証は出来ないけれど、なるべく配慮するよいや、必ず救ってみせるよ。何しろ私は、あなたに言わせれば、過去も未来も自在に行き来する、偉大な魔法少女の一人なんだからね。うふふふふ。ふはははははははははははははは。愉快だなぁ。この国に来て良かったよ。安心して、明日の朝には片付いている。全て」



 年上の熟練魔法少女に誉められたと思い照れてる師匠可愛い!可愛さと神気を受けて至福さんも気絶してますね!万事解決です!

3章はハイエナ獣人ハーフ男の娘魔法少女と気狂い豚獣人戦国大名の、人肉食べ食べコンビによるハートフルコメディの予定なのですが、さきに別件ぼちぼち書いていきますので完結済みに設定してますー

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