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オトメチカ  作者: 感 嘆詩
第2章 延胡索
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御鳥巣にて臥す5

「……?体が」


「時間切れだ。寿命だよモカ姐。時間魔法が致命的だったね。夢の世界を貫いて、現実の肉体にも影響した」



 三人のモカ姐さんの内、魔法少女の肉体を操作していたマホモカ姐さんの第六属性魔法(クイック)が止まり、三者三様の第五属性(グラビティ)による均衡も崩れ、激闘はあっけなく終わりました。魔法少女の決闘空間も解除され、マホモカ姐さんは元の老淑女の姿へ。



「私は、最初から、負けていたか」


「夢から覚めずにそのまま死ぬだろうね。みんな、別れの挨拶をしなよ」



 千日紅(ちかく)師匠の言葉を受けて、慌ててマホモカ姐さんを介抱する御簾の帽額(カーテンヴァランス)の皆さん。慕っていたからこそ、彼女たちはモカ姐さんの狂気を終わらせてあげなければいけなかったのですよね。

 彼女たちに対して、余りにも失礼な、考えるだけで傷つけるような感想ですが、うちは師匠が少しお姉さんなだけで本当に良かった。師匠が終わる時は、私も終わっている時でしょうから。

 死ぬ時は、だいたい一緒です。



「むー、してやられたな。窮余の一策とはいえ、我はもはや契約に縛られている身。そこなプライベートモカも影法師。我が野望は潰えたか」


「運次第で勝ちを拾ったりすぐ負けたり、名だたる英雄もみんなそうだったのじゃです。負けた理由が寿命なら、それは人生の勝者なのじゃです」


「彼ら彼女らより上等な終わり方か。引き継ぎすらさせて貰えるのは過分よな。ところでおぬしみたいな魔法少女おったか?」


「ボケたんじゃないじゃですかモッカサマ?」


「そうかも。やはり世代交代の時期なんじゃな」



 私の契約モンスター黄金林檎(マルメロ)ことメカモカ姐さんと最年少魔法少女常磐時輪(シャンバラー)木香花(モッコウバラ)さんのやり取りに、無言でしたりしたりと頷くプライベートモカ姐さん。交代と言いながら、何だかんだアドバイザーとして100年200年は居座りそうです!



「そうね。メカの私を参照すれば、何度でもそのシェイプシフトで私を再現出来るでしょうし、私たちをうまく使って生き延びなさい。別れの言葉は言わないわ。元気でね。知らない教え子達」



 綿毛がほどける様に体が崩れていくマホモカ姐さん。現実で亡くなられた為に、夢の中からもそうやって消えてしまうのでしょう。



「幻想的な死に方をしたねモカ姐。それだけの徳を積んだってことかな」


「なわけあるか。だったらなんで龍帝は挽き肉になったんじゃ」


「ふむ。謀反人の本人に聞いてみようか。おじいちゃ、んー、ヴィタくん行商のルートって変更できる?」


「う゛ぃ、はい、先生。オミナエシの新領主どのへ手紙を送らねばなりません。1日お待ち頂けますか」



 師匠とヴィタヴィクティム公、もう次の目的地を決める打ち合わせをしています!ハード過ぎます。ヴィタ公の手紙云々も、師匠や隊商の皆さんのお体を気遣っての事に違いありません。



「そうか、わかったよ。今日は模擬戦でもして時間潰そうかな」



 ハード過ぎます!

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