神の座へと至れよ皇子3!!
魔法少女に召喚されたモンスターは生命点という数字がゼロにならない限りどれだけ傷つき、精神を消耗しようとこの世界で十全に動ける、とオミナエシ領で千日紅師匠はおっしゃっていました。
今、師匠の契約モンスター、ガムシャラさんのスキルによってそのHPを1にされてる敵方魔法少女さんのモンスターたち。命尽きる前に速攻で攻める方、回復スキルを行使しようとする方、各々方自主的に動いています。主たる魔法少女が軒並み倒れ伏しているため精彩を欠きますが、それでも歴戦の魔法少女のモンスターたち。ナイス判断です!
それらへ師匠の駆る強化外骨格が光弾を放ち、モンスターを次々消していきました。流石、ナイスエイムです師匠!
「さて、夏都、壁を消すか、君を消すか、選ぶと良い。実質一択かな?ははははははッ」
「 GotiscJunge 影踏み鬼」
蹲る夏都シダレモモさんのもとへガッションガッション近付く千日紅師匠ライドオン強化外骨格がピタリと動きを止めました。これは!巌窟王さんの契約モンスター、GotiscJungeのスキル!ゴーティさんに影を踏まれて師匠が身動きとれません!うおおおおお這ってでもお救いせねば!
「へぇ動けるんだね巌窟王」
「生まれつき体が弱かったものですから、木瓜さまがおまじないを授けてくださったのです」
「ああ、なるほど。さすがはフォーミュラ木瓜のおまじないだ。効果は弱くとも範囲は広大だね。そうするとむしろ君以外いないのが意外だ」
「頭数が増えると悪用するものもいますから。木瓜さまにとって第一は龍帝様ですので」
「魔法少女としては落第だな。最弱にして最強でも、感性は普通なんだね」
あ、きっと、巌窟王さんが魔法少女としてだけでなく、鳥葬の魔女としての弟子でもある、ということを遠回しに言っているのですね!魔女、私は存在を見たことも聞いたこともなかったのですが、敵方の御簾の帽額の他メンバーもおそらく知らないのですね。
魔女の存在を気取られないために師匠も巌窟王さんも、健康のための呪文を教えて貰っていてそれがたまたまこの場面で活きた、と周りが誤解するような会話をされてるのか。
魔法少女としては落第、というのは、魔女としては正しい、という事なのでしょうね!自分を慕う元・孤児の魔法少女たちにすら存在を教えず、唯一の弟子にもそれを徹底させている。忠義の人ですね!あやかりたい!
「「スタンバイ、オトメティカ」」
師匠と巌窟王さん、二人の口から決闘の合図が放たれ、衣装が魔法少女の戦装束へと置換されていきます!もっと、もっとお側でみなければ!




