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オトメチカ  作者: 感 嘆詩
第2章 延胡索
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神の座へと至れよ皇子!!

「助かった。晒し首の悪夢に魘されている間に簀巻きにされていてな。夢でも現でも首以外動かぬから、おしっこちびったよ」


 千日紅師匠、珊瑚蛇殿下と三人一組で城内を探索中、犬獣人の城主柴舟雁金さんを発見。救出し、梟臭城の地下を目指すことに。内部に詳しい方捕まえられて安心です!



「地下?地下ったって漬物置いとく冷暗所がいくつか、あ、いや、アレカモ!」



 閃くやいなや駆け抜け、ここ掘れワンワンと庭園内の草庵(パビリオン)の畳をひっぺがし、金のごとく錆びずギンギラと光る井戸蓋?らしき物体をぺしぺしと叩き自慢げな柴舟さま。よーしよしわしゃわしゃ。



「わふわふ。この蓋の横に、いかにもな手形の彫り込みがあるのです。陛下の親族でも試しましたが……もしかしたら殿下ならば、と」


「何も知らされてない余には、いや、これは」



 思い詰めた顔をして、珊瑚蛇(コーラルコブラ)殿下がいかにもな彫り込みにその手を乗せる。



「おお!さすがは直系よ!」



 柴舟さまの感嘆とともに、シュインカシャカシャと立体パズルのように分解、何処かへ収納されていく井戸蓋。千日紅師匠のおっしゃっていた獣人たちの古代技術(かがく)、というものなのでしょうか!?



「夢に、見た気がする。この井戸蓋(マンホール)


 変わらず思い詰めた様子の珊瑚蛇殿下。

 夢。モカ姐さんの得意分野ですが、まさか罠?



「いや、これは、いや、……側面がハシゴになっている、はず」


「ふむ。夢の中で何か良からぬ記憶を植え付けられているかも。気を付けて降りよう。この井戸自体、何かの罠かも」


「ならば、救ってもらった恩がある。この柴舟が先駆けいたそう」



 颯爽と井戸に足を踏み入れ、体の大きさ的に当たり前の様に肩の位置で詰まりまして、私がカエルさんを召喚して引っ張り上げました。柴舟さま、粘液で体毛がヌメヌメです。



「くぅん」


「困り顔で誤魔化すなっ!無駄な時間を!この!」


「獣人の恥さらしめ!」


「くぅんくぅん」



 師匠と珊瑚蛇殿下でモチモチした頬や脇腹を踏みつけてますが、柴舟さま何だか嬉しそうです。役にたたないので、草庵に残し、兵を纏めてから来る予定の砂糖卸の武装商人さん、真の名をヴィタヴィクティム公へのメッセンジャーをお願いしました。



「あ、カエルさんも入れないと思うので、後で召喚しますね。それまでそこで待機しててください」


「げごぉ!?」


「わふわふ。仲間が出来たぞい」



 何か取っ組み合いを始めたのを無視して、殿下、師匠に続き私も井戸の底へ。モカ姐さんが執着した梟臭の城。その秘密。契約の魔法書(スマートホン)のレポートにばっちり記録しなければ!

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