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オトメチカ  作者: 感 嘆詩
第2章 延胡索
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神様だから崇めよソウルメイツ5!

 梟臭城に立て籠る魔法少女たちのひとり、死人花ジーパングッドさんの魔法が発動。薄く引き伸ばされた炎が、彼岸花のように放射状に伸び、風に乗ってほどけていく。



「誰も避け得ぬ《剃刀花(キツネノカミソリ)》」



 城壁を囲む砂糖卸の隊商、実際はエルフの貴種ヴィタヴィクティム公が子飼いの精鋭たち、は花の一片のごとき火炎魔法を気管に吸い込み、酸欠や火傷で次々と倒れていきました。たった一撃、必要最低限の魔力でほとんど全員が。



「へえ。流れに逆らえない風魔法。石も穿てない火魔法。それでちゃんと魔法少女だったね死人花。誉めてあげるよ偉い偉い」



 倒れ伏す人々を跨ぎながら、千日紅(ちかく)師匠がゆっくり城門へ向っていきます。時折、ジュ、ジュ、と、水滴が蒸発するような音が聞こえてくるのは、死人花さんと師匠の間で攻防が続いているからでしょうか?私には想像もつかないやりとりです。今はまだ、指示されたとおり精鋭の皆さんを治療し、遠くから見守ることしかできません。



「他は何処に潜んでいるんだい?上かな?下か。門を吹き飛ばすよ。後ろに誰かいたら避難させたげな。引き千切れ シンキロー」



 師匠の召喚モンスター、シンキローさんから、何か、見えない力のようなものが発生して門扉をねじ曲げた、様に視えました。



「介抱が終わったら珊瑚蛇(コーラルコブラ)と行商のおじいちゃんを連れておいで」



 と言い残して師匠は城へと侵入。

 改めて城門を見れば、菱の実のような形状の岩が扉を破壊しており、これを閂と門扉の間に生じさせる事で突破した、ように見えました。

 奇妙な形状の岩だから、咄嗟に認識できなくて、見えない力で開いたと誤認した?

 引き千切るエネルギーが先に在って、後付けのように物体がそこに生じた、と視た私の感覚を信じるべき(・・・・・)か?《未来視の魔女》の弟子としてはその在り方が正しいのではないか?将来何かあったとき、師匠が隠し持つ秘技の、その仕組みを知っている事を、師匠から隠しておくべきではないか?



 城内からは、千日紅師匠と死人花さんの戦闘音楽が聞こえてくる。彼女たち御簾の帽額(カーテンヴァランス)は、呪文の魔法少女のサークルメンバーにして鳥巣(ちょうそう)の魔女の弟子であるはず。彼女たちと話して見たかった。

 梟臭城で過ごした夢の中、そこでのさらに白昼夢じみた、オミナエシモード師匠と交わした言葉を、報いだ、と発した呪いを思い出す。

 師が人の道を踏み外そうとしている時、彼女たちは引き戻すのだろうか、後押しするのでしょうか。


 魔法少女同士の決闘中、契約の魔法書(スマートホン)が発する戦闘音楽が止む。師匠が再び、死人花さんを降したのでしょう。

 師匠のお側に向かわねば。

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